季節や形によって変わる「月の名前」って? 風情あふれる月の名前
月の名前一覧
ここからは、月の名前を紹介していきます。
見え方や季節、月別など、分類ごとに分けていますが、全て月の名前です。1つずつ見ていきましょう。
【見え方別】月の名前
同じ球状の月ではありますが、満ち欠けによっても見え方が変わることからつけられた名前も多くあります。
有名な満月や三日月はもちろん、他の名前もありますので、新月から順番に紹介していきます。
・新月/1日目
・二日月(ふつかづき)/2日目
・三日月、眉月(びげつ)/3日目
・上弦(じょうげん)の月、弓張り月、半月(はんげつ)/7日目
・十三夜(じゅうさんや)/13日目
・小望月(こもちづき)/14日目
・十五夜(じゅうごや)、満月、望月(もちづき)/15日目
・十六夜(いざよい)/16日目
・立待月(たちまづき)/17日目
・居待月(いまちづき)/18日目
・寝待月(ねまちづき)、臥待月(ふしまちづき)/19日目
・更待月(ふけまちづき)/20日目
・二十三夜(にじゅうさんや)、下弦(かげん)の月、下(しも)の弓張り/23日目
・下弦後の三日月、有明の月/26日目
・三十日月(みそかづき)/30日目
名前だけを見ていると、漢字が連なってどのような月なのか想像つきにくいでしょう。
そんな時は、漢字を分解して考えていくとどのような状態の月なのか、何となく想像がつくようになります。
例えば聞き慣れない名前として、新月から17日目の「立待月」があります。
これは、満月以降月の出が約50分ずつ遅くなることから、早く月が出ないかそわそわとして、立ちながら待ってしまう様子からきています。
19日目の「寝待月」は立って待つ、座って待つことは諦めて、なかなか月が出ないので寝床で待っている様子からついた名前です。
これらの名前には、昔の人々の月を待ちわびる気持ちが込められているほか、月という存在が多くの人に愛されてきたことも感じられます。
【季節別】月の名前
季節による月の名前は、四季に関するものがほとんどです。
1つずつ見ていきましょう。
・春月(しゅんげつ)
・夏月(かげつ)
・秋月(しゅうげつ)
・冬月(とうげつ)
・朧月(おぼろづき)
・寒月(かんげつ)
四季の基本である春夏秋冬はもちろん、春の季語でもあるかすかに霞んだ月の「朧月」、冬の季語の「寒月」という言葉もあります。
季節によって温度や湿度、天候などが異なることから、月の見え方も違います。この違いや風情を相手に伝えるために、それぞれの名前がつけられたのでしょう。
【1~12月別】月の名前
アメリカなどの英語圏では、古くから農業や狩猟などの基準とするために、月の動きから暦を作っていたとされます。
その中に、各月別の満月の呼び方も複数存在しています。地域によっても違いがあるそうですが、ここではその一例と和名を紹介します。
・1月:Wolf Moon(ウルフムーン)/狼月
・2月:Snow Moon(スノームーン)/雪月
・3月:Worm Moon(ワームムーン)/芋虫月
・4月:Pink Moon(ピンクムーン)/桃色月
・5月:Flower Moon(フラワームーン)/花月
・6月:Strawberry Moon(ストロベリームーン)/苺月
・7月:Buck Moon(バックムーン)/雄鹿月
・8月:Sturgeon Moon(スタージェンムーン)/チョウザメ月
・9月:Harvest Moon(ハーベストムーン)/収穫月
・10月:Hunter’s Moon(ハンターズムーン)/狩猟月
・11月:Beaver Moon(ビーバームーン)/ビーバー月
・12月:Cold Moon(コールドムーン)/寒月
月と名前を見比べていくと、2月の「スノームーン」や9月の「ハーベストムーン」などイメージしやすいものと、8月の「スタージェンムーン」や11月の「ビーバームーン」など、日本ではあまり身近ではないものもあります。
8月は豊漁を祈願した名前、11月はビーバーがダムを作り始めるため、そのビーバーを捕まえるワナを仕掛ける時期からきた名前です。
6月の「ストロベリームーン」も不思議に感じる人がいるでしょう。1月から5月が食べごろなことから「苺」とついたという説もありますが、真偽は定かではありません。
この苺月は苺ではなく木苺の旬の時期からついた名前の可能性もあります。木苺は6月から9月が旬なので、6月の苺月にはぴったりです。
【珍しい月別】月の名前
月は約29.5日周期で満ち欠けしているので、基本的には1カ月に1回は同じ形の月が見られるはずです。
しかし、なかなか見られない珍しい月には、以下のように名前がついています。
ブラックムーン(Black Moon)
ひと月に新月が2回ある時の月の名前です。
月の満ち欠けは約29.5日といわれていますので、まれにひと月に2回新月が見られることがあります。
影になっている新月は黒く見えることから、ブラックムーンと呼びます。
ブルームーン(Blue Moon)
これはブラックムーンの満月バージョンで、ひと月に満月が2回ある時の月の名前です。
現在ではひと月に2回ある満月のうち、2回目の満月をブルームーンと呼ぶことが多いです。
マイクロムーン(Micro Moon)
これは、地球から見た月のサイズが最も小さく見える時の月の名前です。
言葉で説明されると分かりづらく感じるかもしれません。月は地球の周りを楕円を描きながら回っています。そのため、地球に近い時の月、遠い時の月というのが存在するのです。
スーパームーン(Super Moon)
これはマイクロムーンの反対の言葉です。月が地球に最も近づくことによって、サイズが大きく見える月の名前です。
スーパームーンは大きく見えることからニュースなど話題に上がりやすく、見聞きすることも多い言葉でしょう。
・ブラッドムーン(Blood Moon)
これは、皆既月食の時の月の名前です。
太陽の光を地球が遮ることで、地球の影が月にかかります。これにより太陽からの直接的な光は月に届かなくなり、間接的な光のみ月に届きます。
この時に見える色がオレンジや赤色なことから、ブラッドムーンという名前がつきました。