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「リリック」の意味とは? 語源や関連語、対義語を解説

上色ゆるり

「リリック」の意味とは? 今回はその語源や使い方、対義語のほか、「ライム」「フロウ」「ポエム」との違いを解説します。「リリックビデオ」や「リリックスピーカー」などの関連用語も覚えて、言葉の意味を理解しましょう。

最近では、日本語ではなく、あえてカタカナ語を使う場面が増えてきていますよね。

「リリック」もそのうちの1つで、日常での会話やSNSでも頻繁に使われています。

しかし、見たこと、聞いたことはあっても、いまいちどういう意味なのか分からない、という人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、「リリック」という言葉について解説します。

単語の意味だけでなく、語源、関連する用語や対義語なども紹介しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

リリックとは?

そもそも、「リリック」という単語にはどのような意味があるのでしょうか。まずは、本来の言葉の意味と語源について解説していきます。

リリックの意味は「歌詞・抒情詩」

「リリック」とは「歌詞」「抒情詩」を指す言葉です。

辞書を引いてみると、以下のように記載されています。

リリック

[名](1)抒情詩。(2)(流行歌の)歌詞。
[形動](1)抒情的なさま。リリカル。

(『デジタル大辞泉』小学館)

このように、「抒情詩」や「抒情的な」などの意味も含まれている「リリック」ですが、一般的には「歌詞」を指して使われています。

「リリック」の語源は?

「リリック」という言葉の語源は、英語の「lyric」から来ています。

辞書では以下の通りに記されています。

lyric

[形容詞](1)叙情の、叙情詩(的)の。(2)音楽的な、オペラ風の。
[名詞](1)叙情詩。(2)(流行歌などの)歌詞。

(『新英中和辞典』研究社)

このように、「リリック」は英単語の「lyric」をカタカナに変換させた外来語です。「歌詞」「叙情詩」など、「lyric」が持つ意味をそのまま引き継いでいます。

ですが、さらに深掘りしてみると、「リリック」は古代ギリシャに生まれた言葉であるという説があります。古代ギリシャでは、「lyre(リラ)」と呼ばれる竪琴の音色に合わせて、人々が気持ちを表現していたといわれています。

そのようなことから、自分の感情や思想を伝えるための詩、つまり「叙情詩」が、外来語としての「リリック」の意味として残っています。

ですが、日常会話では「叙情詩」として使うことは少なく、「歌詞」という意味で使われています。

「リリック」の使い方(例文つき)

先に説明した通り、「リリック」は「歌詞」を指して使うことが多いため、名詞として扱うのが一般的です。「リリックが」「リリックに」というような言い回しができます。

また、元々はラップの歌詞を指して「リリック」と呼んでいましたが、最近では、ラップに限らずさまざまなジャンルで、歌詞を「リリック」と呼ぶことが多いようです。

それではいくつか例文を紹介します。

例文

・「斬新なリリックに惹かれた」と、若い世代から人気を集めている曲だ。

・人気歌手グループの新曲を早速聴いてみたけれど、リリックが最高だったよ!

・数々の魅力的なリリックを書いてきた彼は、やはり天才だとしか言いようがない。

「リリック」を用いた関連用語は?

「リリック」は、他の単語と組み合わせて意味を成す、関連用語がいくつかあります。ここからは、中でも特に使われることの多い3つの関連用語を紹介します。

「リリック」と同様、音楽に関する会話やニュースなどで頻繁に登場する言葉なので、ぜひここで意味を理解しておきましょう。

「リリックスピーカー」

リリックスピーカーとは、歌詞を表示する機能を搭載した特殊なスピーカーのことを指します。

曲に合わせて歌詞がスクリーンに映し出され、歌詞を見ながら音楽を聴くことができる機能が魅力的です。

曲調に合わせてフォントの種類や、サイズが変わったり、歌詞が動いたりするさまが面白く、かつデザインもおしゃれで、部屋のインテリアとして楽しむ人も多いようです。

「リリックビデオ」

リリックビデオとは、歌詞を映し出したミュージックビデオのことを指します。

曲に合わせた映像と共に、歌詞も表示されることで、曲の世界観が伝わりやすい、歌詞が覚えやすいと、近年人気を集めています。

元々海外では、歌手のファンが二次創作として、曲に合わせて歌詞を表示する動画を投稿し始めたのがきっかけとされています。

日本では、ボーカロイドがブームの火付け役であるといわれています。ボーカロイド曲の作成者が、歌詞が伝わりやすいようリリックビデオを作り、インターネット上の動画サービスに投稿し始めたのがきっかけなのだそうです。

近年は、メジャーデビューしている歌手や、趣味で曲を作っている人など、さまざまなアーティストが、自分の曲を表現する方法の1つとして、リリックビデオを取り入れています。

「リリックノート」

リリックノートはラップ用語の1つで、韻をメモしておくために使うノートのことを指します。

韻を踏むフレーズを思いついた時に書きためておくことで、スムーズに言葉が出やすくなるなどのメリットがあり、作曲や即興でラップをする際などに役立てられています。

リリックと「ライム」「フロウ」「ポエム」の違いは?

「リリック」は、「歌詞」という意味でラップ用語としても使われている言葉。

ここでは「リリック」と混同しがちな「ライム」「フロウ」「ポエム」のそれぞれの意味や違いを紹介します。

「ライム」

「ライム」とは、英語の「rhyme」を語源とする外来語です。「韻を踏む」という意味で、ラップに関連する事柄において頻繁に登場します。

韻を踏むとは具体的に、語尾の母音を揃えた2つ以上の言葉を組み合わせることを指します。

韻を踏むことは、ラップで特に重視されているテクニック。語呂が良く、心地良いリズムの曲へと仕上がるなどのメリットがあり、ライムを多く取り入れたラップは支持される傾向にあります。

「フロウ」

「フロウ」とは、英語の「flow」を語源とするカタカナ語で、「歌い方」や「歌いまわし」を指します。

ラップでは節を上げ下げしたり、強弱をつけたりすることで、表情や感情を曲に乗せて表現することを意味します。

ラップにおいて韻を踏むことはもちろん大切ですが、オリジナリティーがあるかどうかも重要です。ただ言葉を並べるだけでは、聴き手にとってつまらない曲になってしまうでしょう。

そのため、より良いラップ曲へと仕上げるためには、ライムと同じくらいフロウも大事にすべきだとされています。

「ポエム」

ポエムとは、「詩」や「韻文」などの詩編・作品を意味します。

一般的には「歌詞」という意味合いで広く知られている「リリック」ですが、前述の通り、「抒情詩」という意味も持っています。「抒情詩」とは、「叙事詩」「劇詩」と並ぶ詩の三大部門の1つ。

つまり「ポエム」は詩全体を指す言葉で、「リリック」はその中の1つということになります。

「リリック」の対義語は?

「リリック」の対義語には、「エピック」が当てはまります。

「エピック」とは「叙事詩」や「英雄詩」という意味を持つ文学用語の1つで、歴史的な神や英雄が登場する、雄大さ、勇敢さをテーマにした物語のことを指します。

「リリック」は、自分の思想や感情を表現した詩を意味するのに対し、「エピック」は、事実や出来事を表現した詩を意味する言葉です。

人間の感情を軸としているのか、事実を軸としているのか、軸となる要素が正反対なので「エピック」は「リリック」の対義語にあたるといわれています。

「リリック」の意味を覚えて最先端の話題に乗ろう

職場の人や、友人との会話で、「リリック」という単語が出てくる機会は多々あることでしょう。特に音楽が好きな人との会話であれば、高い確率で使われる単語です。

「リリックってどういう意味?」と気軽に聞くことができれば問題ありませんが、会話の流れを悪くしたくない、聞くのがそもそも恥ずかしいと時には思ってしまうもの。言葉の意味が分からないまま、一人だけ取り残されたような気分を味わうこともあるかもしれません。

反対に、「リリック」を自然に使いこなせるようになれば、会話の幅が広がります。関連用語なども覚えておくと、音楽に関するコミュニケーションをもっと楽しめるようになるはずです。

「最新の音楽情報について語り合ってみたい」「音楽に詳しい人に憧れている」という人は覚えておいて損のない言葉なので、ぜひこの機会に知識を身につけてみてくださいね。

(上色ゆるり)

※画像はイメージです

※この記事は2021年07月19日に公開されたものです

上色ゆるり

アパレル販売員歴8年、元アパレル店長のフリーライター。接客や人材育成で得た経験を元にファッション、美容、ビジネス系コラムを中心に執筆中。 アパレル時代にお客様、スタッフから寄せられた恋愛相談は数多く、恋愛系コラムも得意とする。自信がありそうに見えて実はコンプレックスまみれの為、「少しでも多くの人に自信を持ってもらえるように。」と願いながら、日々文章を書き綴る。

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