内発的動機づけとは? 具体例&モチベーションを高める方法
内発的動機づけの活用方法&具体例3つ
ではここからは、内発的動機づけは具体的にどのように行うのか、具体例を見ていきましょう。
【ビジネス】部下への内発的動機づけ
指示通りに仕事をするだけでは、内発的動機づけはしにくいものです。例えば、業務内容の大まかな方向性を決めたら、どのように進行するかは部下に任せるなど、部下の意志で決定できる余地があると、自ら考えて行動する意欲が湧きやすくなります。
また、「その仕事をすることにどのような意味があるのか」「なぜその仕事をする必要があるのか」を丁寧に説明し、部下が「自分の仕事で社会や会社に貢献できている」と思えるとモチベーションにつながりやすいでしょう。
例えば、車の部品を作る仕事なら、「車を使う家族の幸せを支えている」や、「人々の生活に必要な物品を届ける一翼を担っている」など。良い意味づけができると、やりがいが生まれるかもしれません。
それから、職場のメンバー同士がお互いを褒め合ったり、感謝し合ったりするような機会をつくってみましょう。承認のコミュニケーションをすることで、「このメンバーと頑張りたい」「この人に協力したい」といった意欲を引き出しやすくなります。
【教育】子どもへの内発的動機づけ
子どもが好奇心を持ったものを尊重し、すぐに答えを与えるのではなく、「なぜだろう?」「どうしてだろう?」と一緒に考える機会を与えるようにします。「自分で気づく」「自分で発見する」喜びを体験することで、主体的に考える力が身につくのです。
また、テストの点数などの結果以外にも、「今回頑張れたこと」「できるようになったこと」を見出せるような働きかけをします。例えば、「前回書けなかった漢字が書けるようになった」、「以前はできなかった分数の計算ができるようになった」など。
周囲の大人が、子どもの成長や変化を積極的に伝えていくと、子どもが自己承認できるようになり、チャレンジする意欲を持ちやすくなるでしょう。
それから、能力に応じて少し頑張れば達成できる目標を設定し、成功体験を積み重ねることも有効です。「できた!」という達成感は、「次もやってみよう!」という意欲につながります。
【日常生活】自分への内発的動機づけ
「誰かに言われたからやっている」と思うとモチベーションは上がりにくいもの。「自分がそれをする積極的な理由があるとしたら?」と考えてみましょう。特に、その行動の先で自分が得られるポジティブな気持ちに注目してみましょう。
例えば、上司に怒られながら会議の準備をしていたとします。それ自体は楽しくないかもしれません。
けれども、「この会議が成功したらたくさんの人が笑顔になる」と想像できたら、うれしい気持ちになるでしょう。「私はたくさんの人を笑顔にしたいから、この仕事をやっている」と思えたら、モチベーションの持ち方が変わってくるものです。
また、自分の「好き」や「楽しい」の気持ちに素直になったり、「なりたい自分になる」ことを目指したりするのもやる気を出すコツです。
例えば、好きなことに打ち込める自分でいたいなら、「好きなアーティストのライブに行く」「食べたい料理を作る」など、何でも良いので実際に好きなことをしてみましょう。好きなことをできている自分でいられると、やる気が湧きやすくなりますよ。
内発的動機づけには主体性が大切
自分が好きでしていることには、モチベーションを持続しやすいものです。内発的動機づけには、損得や目的ではなく、それを「したい!」という気持ちが重要です。
「したい」と思う理由には、「好き」「楽しい」などと共に、「自分が選んでいる」「自分が決めている」「自分は役に立っている」「自分は頑張れている」などの自覚も大切。
主体性を持つことで、モチベーションを高めていきましょう。
(大塚統子)
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※この記事は2021年06月09日に公開されたものです