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歴史の壁にもぶつかっていく「ぶつキャリ」。セイコーウオッチ髙橋美名さんの働き方

#働くわたしの選択肢

マイナビウーマン編集部

「バリキャリ」「ゆるキャリ」……女性の働き方って、本当にこの2つだけなの? 100人いれば100通りの働き方がある。一般企業で働く女性にインタビューし、会社の内側や彼女の働き方を通して、読者に新しい働き方「○○キャリ」の選択肢を贈る連載です。

取材・文:井田愛莉寿(マイナビウーマン編集部)
撮影:洞澤佐智子

今から26年前、働く女性のために作られたセイコーの腕時計、ルキア。

ルキアが生まれた1995年は、女性の働き方が変遷していった過渡期。しかし、当時の女性用腕時計は、きゃしゃなブレスレット型のデザインが主流で、女性が仕事の場面で使える実用的な腕時計はあまりありませんでした。

「時代と共に多様化する女性の生き方。それに合わせて、新しい提案を続けるルキアというブランドのレガシーが好きなんです」

そう語るのは、セイコーでルキアの宣伝を担当する女性、髙橋美名さん。

働く女性のための腕時計はどのようにして誕生したのか。今回は、髙橋さんの働き方から、ルキアという時計に込められた思いまでを探っていきます。

セイコーの歴史が作る「ブランド力」という魅力

マイナビウーマン編集部の井田です。本日はどうぞよろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします!
髙橋さんは今、入社6年目の28歳なんですよね? 私も新卒で編集部に配属されて6年目、同じく28歳なので勝手に親近感を抱いて取材しています(笑)。ちなみに、マイナビウーマンの読者ターゲットもちょうど28歳を軸に設定しているんです。
わあ、同世代なんですね! うれしい!
早速なんですが、数ある企業の中からセイコーウオッチ(以下セイコー)で働こうと決めた理由は何だったんでしょう。
それは、わたしの就職活動の軸が「ブランドを大切にしている企業」で働くことにあったからです。歴史を持っていたり、一つのことを長い間大事にしてきていたり、そんな信念を持っている企業を探していました。そこで惹かれたのがセイコーだったんです。

確かにセイコーは昔から人々に愛されてきた企業ですよね。
歴史という面では、今年でちょうど140周年を迎えました。
ということは、1800年代からの歴史? すごい!
創業は1881年です。1969年には、それまでなかったクオーツ式の腕時計を世界で初めて発売しました。後に特許権利化した技術を公開したことで、クオーツ式腕時計が世の中に広く普及したんです。
えっ! クオーツ式の腕時計って、セイコーが世界初だったんですか。セイコーの努力があって、人々の生活が豊かになったんですね。日本の技術力、さすがです。

働く女性たちの心を動かした一つのムービー

実際にセイコーではどんなお仕事をされてきたんですか?
入社してからまず、広報宣伝部に配属されました。そこで、ルキアの販促を担当しまして。リーフレット製作や店頭まわりの演出などを考えることから始まったんです。その後、CMを作る宣伝の仕事にも携わるようになりました。
そうなんですね。私、ルキアが持つ“働く女性のために作られた腕時計”という背景がすごく好きで、実は1995年に発売された初代ルキアを愛用しているんです。というのも、ブランド25周年のタイミングで作られた綾瀬はるかさんの超絶かっこいいムービーを見たのがきっかけで……。
実はそれ、私が入社してから一番思い出に残っている宣伝の仕事です(笑)!

ええっ! なんと! まさか同い年の女性があのムービーを作っていたなんて……! “働く女性のための腕時計”がまだ存在しなかった1990年代前半、綾瀬さん演じる主人公がもがいてルキアを作り上げるまでを描いた2分間が本当にすてきなんですよね。

ちなみに、どういった経緯や思いであのムービーが作られたのでしょうか?

ルキアが25周年を迎えたアニバーサリーのタイミングで、若い世代の女性たちにもブランドのレガシーを知ってもらいたいと思ったのがきっかけでした。

私もセイコーに入社するまで知らなかったのですが、もともとルキアが誕生した時代は女性の腕時計というと、きゃしゃなブレスレットタイプが主流。

女性の社会進出に伴ってパンツスーツやジャケットがはやり始めていたものの、そんな働く女性のライフスタイルに合致するような、実用的でファッションにも合わせやすい腕時計は存在しなかったんです。

そこでセイコー社員が強い思いを込めて作ったのがルキアでした。

まさに、この25周年ムービーで描かれている歴史の部分ですね。
はい。時代が変わって、女性の働き方も生き方も多様化していると思うんです。それに合わせて新しい提案をし続ける、ブランドのレガシーにすごく共感して。そんな部分を幅広く届けていきたいと思ったのが事の発端でした。

あのムービーを見た時、「真剣に働くってかっこいいな」という価値観を与えてもらったんです。それでムービーに登場する初代ルキアを探して、何軒も時計屋さんを巡りながらやっと見つけて購入しました!

きっとあのムービーを見た多くの女性が、こんなふうにルキアに魅力を感じたんじゃないかなと思います。

そう言っていただけてうれしいです!
誰かの気持ちを動かすくらい壮大で手の込んだムービーですよね。作る上で大変だった部分はありますか?
なるべくリアリティーを追及したくて、初代ルキアの開発に携わったメンバーにヒアリングをしたことですね。25年以上前のことなので、辞めてしまった社員も多かったのですが……。当時の服装からオフィスの雰囲気まで調査して、再現していきました。
それは大変! 裏側の努力があったからこそ、あそこまで熱いムービーが生まれたんですね。

女性の生き方に寄り添い続けるルキア

ルキアって大体1年に1回新たなデザインが発売されていますよね? 1995年と今では、どのように変化していったのでしょう。
前述の通り、1995年当時は働く女性が増えてきた時代で、“かっこいい腕時計”を作ることからルキアの歴史は始まりました。でも今は、女性の働き方や生き方が多様化してきていますよね?
そうですね。2021年の今は、働き方も、結婚も、出産も、全てが自由に選択できる時代になったような気がしています。

今を生きるわたしたちは、いろいろな選択肢が持てるようになりました。

女性の姿は本当に多様で、働いている顔も、恋している顔も、お母さんの顔もある。今の時代のルキアは、そんな全ての選択肢に寄り添う時計になっています。

少し前だと、女性が働くことが逆にフィーチャーされ過ぎて、「働く=正義」な価値観に染まってしまっていた気がしたんですが、今はそれも違う。

全ての選択肢に寄り添うっていいですね。何を選ぶのも自由だから、恋愛をめっちゃしたいならそれもいいし、結婚しない人生でもいいし、働くことを突き詰めたいならそれもいい。ルキアの変遷に女性の人生を重ねるとすごくシンパシーを感じます。

ですよね! ルキアを通して伝えたかったメッセージは間違っていなかったと言ってもらえているようで本当にうれしいです。

歴史と新しい風、どっちが大切?

話は変わるんですが、セイコーって古き良き歴史を持つ会社じゃないですか。歴史があるってすてきなことですけど、その反面、“慣習”とか“ルール”がしっかり存在しているイメージもあります。ぶっちゃけ、その辺りはどうですか?
確かに歴史って良いところと悪いところ、両面がありますよね。
そういう話、こっそり聞きたいです(笑)!

みなさんがイメージする通り、歴史の裏には“堅さ”があったりします。

でも、最近では「新しいことに挑戦しよう」「若い世代の意見を積極的に取り入れよう」という社風に変わってきています。わたしたち現場の社員が、直接社長にプレゼンする機会があったり!

もちろん、それを実現するまでにはいくつかのステップがありますが(笑)。

歴史を持つ大規模な組織であれば仕方のないことですよね。歴史の壁を前に葛藤する出来事って他にどんなことがありましたか?

そうですね。例えば、わたしの世代の直感では、今の働く女性ってどんなシーンでも使いやすいシンプルなデザインを好むと思うんです。でも、長い歴史の中、過去売れた実績があるのは華やかなデザイン。

その上でどんな商品や広告を作るか、上層部と若手チームでひたすら議論になったことがありました。

歴史と新しい風、どちらを大切にするか。どちらも大切だからこそ、難しいテーマですね。髙橋さんはどう解決してきたんですか?

わたしが働く上で重要視しているのは「自分が納得できるかどうか」という軸です。だから、納得できなかったらとことん戦いながら着地点を探します(笑)。

やっぱり歴史を知る方や営業などの現場の意見もきちんと聞く、柔軟な姿勢は持っていたい。でも、一番大事なのはお客さまのためになっているかどうか。その視点を忘れずに、自分が納得できるようデータを集めたり、チームでひたすら議論したりします。

すごい……!

今携わっているルキアというブランドが、たまたま自分とドンピシャな世代や女性像をターゲットにしていることにはすごく縁を感じていますし、ありがたく思っています。

だから、わたしが「いいな」と思える腕時計でないと、ターゲットの女性たちには届けられないかなって。そんな意識を持って、壁にぶつかりながらも日々仕事に取り組んでいます!

わたしにその思いが届いたように、きっと髙橋さんの思いは商品や広告を通して多くの女性に届いていると思います。すてきな取材をありがとうございました!

※本取材は2020年10月に行いました

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