【難読】“へんに”でOK? 「偏に」の読み方
本や資料で見かけることがあるけれど、正しい読み方や意味が分からずスルーしてしまっている言葉ってありませんか?
社会人として、知らないまま恥をかくような場面には遭遇したくないですよね。
今回考えるのは「偏に」の読み方です。
へんに? 「何が? 何が“へんに”なったの?」と聞きたくなりますよね。そんな葛藤をしたら、ぜひ答えをチェックしてみてくださいね。
「偏に」の読み方は?
偏見、偏食などの言葉に使われる「偏」という漢字。一般的には、“へん”という読み方を覚えている人がほとんどでしょう。「偏」という字自体には、片寄っているといったニュアンスが含まれます。
確かに「る」の送り仮名をつけて「偏る」を“かたよる”と読むことは知っている人も多いと思いますが、「に」をつけたら? きっと多くの人がなんと読めばいいのか戸惑うはずです。
気になる読み方の正解ですが……。これ、実は“ひとえに”と読みます。
「偏に」の意味と使い方
『デジタル大辞泉』によれば、「偏に」の意味は以下のように解説されています。
ひとえ‐に〔ひとへ‐〕【▽偏に】
[副]《名詞「一重 (ひとえ) 」+格助詞「に」から》
1 ただそのことだけをするさま。いちずに。ひたすら。「御贔屓 (ごひいき) のほどを偏にお願い申し上げます」2 原因・理由・条件などが、それに尽きるさま。もっぱら。「成功は偏に君の尽力による」
つまり、唯一その理由しかない時や、ある行為や行動に専念していることを強調する意味合いで「偏に」という言葉を使います。
読み方は難しいのですが、日常生活の中で「偏に~のおかげです」など、聞いたことがある言葉なのではないでしょうか。
読めない漢字はきっとまだまだたくさん
あなたは「偏に」を正しく読むことはできましたか?
きっと世の中には、あなたが知らない言葉、漢字がまだまだたくさんあります。“かたよる”と読めばなんとなくバランス感覚を欠いていてあまりいいイメージではないのですが、“ひとえに”と読むと、とてもいい言葉に感じられませんか。
何気なく使っている言葉も、読み仮名一つで、漢字が持つイメージが大きく変わるのですね。
(ななしまもえ)
※この記事は2020年12月20日に公開されたものです