転職歴8社目! パワフルに働いて結果を残す「パワキャリ」。マイケル・コース ジャパン 宮腰リミさんの働き方
「バリキャリ」「ゆるキャリ」……女性の働き方って、本当にこの2つだけなの? 100人いれば100通りの働き方がある。一般企業で働く女性にインタビューし、会社の内側や彼女の働き方を通して、読者に新しい働き方「○○キャリ」の選択肢を贈る連載です。
取材:ゆかり/はたらくmuse
文:朝井麻由美
撮影:洞澤佐智子
編集:高橋千里/マイナビウーマン編集部
「こんな上司と仕事がしたい!」
ハンドバッグや革小物などで人気のマイケル・コース ジャパンでコミュニケーション&マーケティング ディレクターとして働いている宮腰リミさんは、会えばきっと誰もがそう思う人。
その経歴は多様性に富んでおり、現在のマイケル・コース ジャパンはなんと転職8社目! それも映画業界からIT、ジュエリー、家具、ファッションと多岐にわたります。
「私、少々飽きっぽいのかもしれません……」とサラッと笑い混じりで話す宮腰さんですが、渡り歩いてきた会社では在籍が短いながらも結果を残してきた剛腕。
そんな宮腰リミさんのインタビュー、聞き手はマイナビウーマン読者アンバサダー「はたらくmuse」のゆかりさん(@yukari.1991)です。
超パワフルな「パワキャリ」宮腰さんの働きぶりに迫ります!
アシスタント時代にクリエイティブの才能が開花




最初の仕事はとある映画会社のマーケティングのアシスタントで、これはほとんど雑用係みたいなものでしたね。
私、アメリカの高校に進学して、大学もアメリカで卒業しているんです。その後ジュエリーの専門学校に行って資格を取りました。でも、勉強してある程度満足してしまって(笑)。それで結局ジュエリーの仕事には就かず、そのタイミングで日本に帰ってきました。
しばらくアルバイト生活を続けてから、映画会社(A社)に入社することになって。その時に担当していたのがマーケティングのアシスタント業務でした。
そこで2年くらい働いて、今度は別の映画会社(B社)のクリエイティブの部署を立ち上げに行くことになったのです。


そこは、海外にある映画会社の初の日本法人で、A社時代の部長が転職して立ち上げたところだったのです。それで、クリエイティブの部署が必要だ、となり、お声がけいただきました。
A社でマーケティングのアシスタントをやっていた頃に、ちょっとしたビジュアル作成とかクリエイティブに携わる作業をしていたんです!
その時のセンスを買われ、「クリエイティブの部署を作りたいから、立ち上げに来てくれない?」と誘われて。私も新しいことをやりたいと思っていたタイミングだったから、「行きます!」って二つ返事で転職しました。
「このDVD誰が手掛けたの?」映画業界で伝説に


映画のDVDのジャケットを手掛けていました。DVDの裏表紙に映画の内容が分かるようなビジュアルだったり、キャッチコピーやあらすじだったりが書かれているでしょう? それらをディレクションしていました。
百聞は一見にしかずなので、ビジュアルからも内容を読み取れるような感じにして、キャッチコピーも考えて、あらすじの文章を書いて、文字を校正して、入稿して……。1カ月で400タイトルくらいこなしていたと思います。


そうそう。洋画の日本版タイトルを考えて、ロゴを作って、などもやっていました。ずっと残業続きで毎日0時を超えるような生活だったけど、20代後半で若かったからできたんでしょうね。あの頃の全てが糧になってるなぁと思っています。
でも、その仕事を6年もやったから、飽きちゃって(笑)。他の映画会社の人から、「これ作ったの誰!?」って噂になるくらいのDVDもたくさん手掛けたから、満足しちゃいました。




そう。でも、もう転職したい気持ちはMAXで。「転職活動をする自体が6年ぶりだから、まずは面接の練習としていろいろ受けてみましょう」と転職のリクルーターさんに言われて、受けたのが、これまた映画会社のC社。
私としては面接の練習のつもりで行く気はなかったけど、受けたそばから、その会社からのラブコールをたくさんいただいて、そんなに私を必要としてくださるならと、結局そこに入社しました。
C社ではマーケティングのプロダクトマネージャーという職種で、簡単に言うと、DVDが世に出るまでの全ての業務に携わるお仕事です。マーケティングプラン、プロモーション戦略などを考えていました。


そうですね。もうどう考えてもこの作品は売れないでしょうっていう作品もありましたけど、そもそもタイトルを変える権利はこちらにはないから、ローカルでサブタイトルを自分で付けたり、映画の内容の伝え方を工夫したり、作品Aを観たら作品Bも観たくなるような宣伝ストーリーを作って抱き合わせにしたり。
人と違うことをやるのが好きだから、新しいアイデアを出すのは向いていたと思います。
小さい頃から目立ちたがり屋で、靴ひもを左右で違う色にしたり、自分のアイデアを誰かに真似されたり、誰かを喜ばせて「すごいね、ありがとう」って言われたりするのが大好きだったから。

映画業界から“半導体”の業界へ転身! とにかく「売る」のが好き



当時はまだFacebook黎明期くらいだったかな。これからはデジタルの時代だと思って、安易な考えですけど、IT系の会社に入ればデジタル分野に強くなれると思ったのです。
いざ入ってみると、全く今まで交わらないで過ごしてきたような職人気質の人ばかりで、正直そのカルチャーショックが大きかったのを覚えてます。
でも、入ったからには爪痕は残したくて! この会社で何をしたら喜ばれるって、とにもかくにも「PCの半導体チップが買われること」かなと思い……。
それでいろいろ考えて、“痛車”って分かります? 当時オタク文化が注目されて、マンガやアニメのキャラクターが塗装された“痛車”が出てきた頃で、あれのPC版を作ったのです。“痛PC”。


めっちゃくちゃ売れました! 出したら即完売。PCの外側はもちろん、中身もオリジナルのスクリーンセーバーやボイスを入れて、キャラクターごとに4種類の痛PCを作って。
当時人気のアニメ作品とのコラボだったこともあって、そのアニメ自体が好きな人は全種類買ってくれたと思います。


全然詳しくなかったです! もちろんプロダクトを作るときに勉強はしたけど、痛PCを作ると決めた時も、当時アニメにとても詳しい同僚がいたので、今どんな作品が流行っているのかを教わるところから始めました。このプロジェクトもその同僚と取り組んだのです。
自分がそのジャンルに興味があるかないかよりも、人が喜ぶモノを世に生み出すのが好きなんですよね。もちろん、たくさん売りたいし、「このプロダクトを担当したのは誰? すごい!」って言われたい。
売れる方程式を編み出して、ムーブメントを作るのが好き。私の発明した売り方を誰かにまねされるところまで行くと最高!


そう! マーケティングができると、業界が違っても扱うアイテムが変わるだけで、やることは同じなので。
その後はファッション業界に行って、ジュエリー業界に行って、家具の会社に行って、今のマイケル・コース ジャパンに入って、8社目です。
昔の上司に「僕は転職する時に必ず違う業界に行く。そうすると新しいことを勉強できて、自分の価値が高まるから」と言われたことがずっと染み付いているのだと思います。




そうかもしれないですね。電車に乗っていても、目に入ってくるもの全てに「Why?」と思ってしまいます。もう職業病なのかもしれませんが。
例えば、駅のホームや電車内の中吊り広告、扉に貼ってある広告ステッカーなど……。「なんでこういう画にしたんだろう?」「なんで、このキャッチコピーにしたんだろう?」、コンビニに行っても薬局に行っても、「このパッケージはなぜこの色にしたんだろう」と考えてしまいます。
その中で印象に残った、いわゆる尊敬に値するポイントは、自分が作るビジュアルやキャッチコピーにも取り入れながら、最終的には自分のモノにしますね。


そうですね。元々がミーハー気質なのかもしれませんが、常にトレンドにはアンテナを張るようにしています。
「流行っている」ということは「巷で人気がある」ことの証明なので、その理由を知りたくなる。そのために、流行っているものに食いついて、結果的に自分も世間同様にどっぷりハマる場合が多いんですけどね(笑)。
それを体験することで、流行の原則・パターンが見えてくるので、仕事にも生かせるのです。なので、業界問わず、流行っているコト・モノには興味を持つようにしています。


コロナ禍でECサイトの売り上げはもちろん伸びましたが、やっぱりコロナ前の実店舗での売り上げには敵わないなと感じました。
実際にご来店していただき、商品を触ってみて、合わせてみて、そしてストアスタッフの方とお話しながらご購入していただくような経験が、デジタルの時代とはいえ、まだショッピングにおいては楽しんでいただけるのかもしれません。
そのために、まずはご来店いただけるように工夫をこらすのは、コロナの前も後も変わらずです。お店に行きたくなるような、そしてストアに並んでる商品に興味を持っていただけるようなストーリーを、考え得るあらゆる方法で届けて、お客様とのコミュニケーションを図ってます。
野心は大きく!? ゆくゆくは……








そう! 誰もが定期的に通うことになるから、需要が絶対にあると思ったの! 今は経営していた美容院は手放しましたが、いずれはまた機会があれば会社やブランドを立ち上げたいと思っています。
でも、ここまで来たら、サラリーマン人生でもう少し上の高みは見たいなと。そうなったら、やっとサラリーマンは卒業だなと思ってます。
その後は、自分の会社を作ったり、目標を同じに持ってる人たちと一緒に旅行したりして、楽しい時間を過ごしたいです!


私は仕事において「Nothing is impossible!」というマインドを大事にしています。「不可能なことはない!」という意味です。
ある業務やプロジェクトの「できない理由」を100個列挙するのは難しいけど、「これはこうすればできる!」という方法を100個列挙するのは可能なはず。
「できない」ではなく「どうすればできるか?」のマインドで挑むと、憂鬱で大変な業務も100倍楽しくなりますよ!

今回インタビューしたはたらくmuse
ゆかり(@yukari.1991)
「Love my life」がモットーのはたらくmuse一期生。普段は小売企業様に対して新規事業推進支援を、privateでは適度な運動を取り入れて健康維持しつつ、旅行やカフェ巡りを楽しんでいます♡ 今はK-POPにハマり、韓国語勉強中♪
※この記事は2020年11月12日に公開されたものです