コロナの影響で「転職のタイミング」を逃した今、やるべきこと
仕事で大成功を成し遂げたいとか、そんな大それた野望はないけど、なんとなくうまくやりたい。いつもの働き方を小さくアップデートする「お仕事ハック」を紹介します。
今回のお仕事ハックは「転職のタイミングを逃した」とのお悩みに、ライターのトイアンナさんがアドバイス。
転職のタイミングを逃した
今年に入ってから転職願望が芽生え、6月にボーナスをもらったらすぐ今の会社を辞めて転職できるように、エージェントサービスに登録して活動していました。しかしコロナの影響で、行きたい企業はどこも採用をストップし、完全にタイミングを逃してしまいました。
こんな状況で無理に転職活動を再開するのも違う気がしていますが、エージェントからは他の企業へのエントリーを催促されるばかりで、どうすればいいか分かりません。今、私がやるべきことはありますか?
ご、ご愁傷様です! としか申し上げようがないですよね……。
今年の急な新型コロナショック。転職希望者の心をバキバキに折ったのは、バブル崩壊でも、中国脅威論でもなく、まさかのウイルスでした。
その転職、どうしても今しないとダメですか?
相談文の「今年に入ってから転職願望が芽生え」と一言で片付けられている部分こそ、一番重要なパートに見えます。あなたが転職したい理由は何ですか?
それがもし、「年齢的にそろそろ転職の限界年齢だから」とか、「今の仕事に飽きたから」といった事情なら、悪いことは言いません。今は転職エージェントと良い感じの関係を結びつつも、行きたい会社ができるまで足踏みしておきましょう。
転職は、市場に大きく左右されます。もしあなたが一定の能力を持っていたとしても、2019年に行ける会社と、2020年に行ける会社はガラリと変わってしまうのです。
そして今年は、よほどのスキルを持つ手練れ以外は、転職で好転する年とはいえません。採用数が削られている上に、転職後も大きなプロジェクトが動きづらい状況だからです。
転職は「転職した後」も大事
転職は、その場の内定だけでなく「その後」も大事です。
転職後の数年は、あなたがこれからどこまで飛躍できるかを示す資料になります。ですが、不景気の時期に転職すると転職先も緊縮財政になっていることが多く、大きなプロジェクトが動きません。
「現状維持のプロジェクト」「撤退戦」も経験ではありますが、市場が伸びている時に比べてできることの規模や、裁量権は小さくなります。
そして、あなたは数年後「転職したけど、大した経験ができなかった人材」になっているリスクがあるのです。
おすすめは不景気に強い業界
ですから、転職エージェントに自分が希望する職場を提案されるまでは「ちょっと待った」をかけましょう。そして、希望職種が出てきても「その会社は不景気に強いか」を調べてから動きましょう。
不景気に強い会社とは「生活必需品」「定期購入品」のジャンルで「トップのシェアを誇る会社」です。
例えば通信、日用品、医薬品、電力・ガスなどのインフラ事業がこれに当たります。もしあなたの希望職種がこれらの業界にあったら、不景気でも転職後、活躍できる可能性は残っています。
いずれにしても、今は「待ち時」です。無理せずじっくり、良い会社に出会うまで、待てるなら待ちましょう。
・転職は本人の実力以上に市場が左右するもの。去年と今年では行ける会社がガラリと変わり得ます
・今年は新型コロナウイルスの影響で、ずばり「動かない方がいい時期」です
・どうしても転職したいなら、不景気にも強い会社を厳選しましょう
(文:トイアンナ、イラスト:黒猫まな子)
※この記事は2020年07月07日に公開されたものです