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商品開発から生まれた愛。「ORBIS」PR Nanaeさんの場合 #コスメ垢の履歴書

#コスメアカの履歴書

ひらりさ

コスメを偏愛する「コスメオタク」が増えている。中でもTwitterの「コスメ垢」は、よりディープな情報発信の場として話題。この連載では、ライターひらりささんがいま気になるTwitterコスメ垢にインタビュー。彼女たちのおすすめアイテムや美容愛、さらには人生までをも覗き見ます。

取材・文:ひらりさ、編集:高橋千里/マイナビウーマン編集部

同人サークル「劇団雌猫」所属の美容オタクライターひらりささんが、いま気になるTwitterコスメ垢の実態を探る連載「コスメ垢の履歴書」

今回は、化粧品ブランドORBISのPRを担当し、Twitterではコスメ垢としておすすめのコスメ情報を発信しているNanaeさん(@Nanae67742240)にインタビューしました。

ORBISの商品開発に携わった6年間

――思いのままにコスメやメイク情報を発信しながらも、実はORBISの現役PRであるNanaeさん。現在の個人アカウントを開設したのは、どういうきっかけだったんでしょうか。

今のアカウントを始めたのは2019年1月なのですが、その時はまだPRではなかったんです。入社して6年は商品企画部にいて、当時は「ORBIS U(オルビスユー)」というスキンケアシリーズの2代目の企画担当として、2018年10月23日に商品を無事にローンチした直後でした。

2年半以上かけて開発した「ORBIS U」をはじめ、スキンケアやメイクを何十品も開発してきましたが、手塩にかけて発売までたどり着いた一つ一つの商品にすごく愛着があって、「自分の作った商品のことを発信できる場が欲しいな」と思って、Twitterを始めました。

――商品愛がすごい!

最初はフォロワーさんもそんなに多くなく、もっとひっそりとやっていましたね。自社商品に限らず、自分のお気に入りの美容グッズやコスメを紹介していました。

そのうちだんだん商品愛を語りたい欲求が抑えられずORBISの人として認知されていきました。

――コスメはいつからお好きなんでしょうか?

意識し出したのは中学の頃ですね。ソフトボール部で活動をしていたんですが、日差しをたくさん浴びるじゃないですか。肌をきれいに守らねば……とスキンケアにこだわるようになりました。ポイントメイクに興味を持ち始めたのはその後ですね。

コスメやメイクだけでなく美容・ヘルスケア全般が好きで、ダイエットにも、昔からあれこれ手を出してきました。ORBISと出会ったきっかけも、実は化粧品というよりは、健康食品がきっかけなんです。

――意外な背景が。確かにORBISさん、健康食品や美容サプリメントを幅広く出していますもんね。

高校に上がる時期に、受験のストレスですごく体重が増えてしまったんですね。運動を頑張って何とか元に戻したのですが、大学に入ってから、食事も大事だと気付いて。

今もゆる〜く糖質制限をしています。こだわってる時期は、ずっとサラダチキンとゆで卵とアボカドばかり食べてます(笑)。

――おうちご飯のツイートもいつも楽しく見ています! どのツイートもとっても元気がもらえるなと思っているのですが、発信の仕方で気を付けていることはありますか?

アイテムを紹介する際に、その商品が何かだけでなく、どういう風に使ってるか、どんな想いがあって生まれた商品なのかまで140文字に収まるように心掛けていますね。文字だけだとどうしてもイメージが湧きにくいかなと思って、画像を絶対付けるようにもしています。

――アカウントを運営していてうれしいのはどんな時ですか?

「このツイートを見て買いました」って引用リツイートやコメントをいただけると、やはりうれしいですね。

DMで直接言ってくれる方も多いんですよ。例えばORBIS Uの化粧水の「とろぱしゃ」感など、こだわった部分が分かってもらえている反応があるのもうれしいです。

自社商品の評判は、自分のツイートへの反応に限らず、毎日Twitterで検索しています(笑)。そうやって検索していると、「洗顔後どうしても突っ張っちゃう」と言っている人の使い方が、公式で勧めている使用量・使用法ではないのにも気付くことがあって。

――化粧品の説明って最初は一応読むんですけど、だんだん適当になって、何となくの使い方になっていくこと、あるあるですね……。

会社としても本当はもっとお客様にお伝えする機会があるといいんですよね。なので、正しい使用量・使用法、アレンジの仕方なども、意識してTwitterで発信するようにしています。

「洗顔料をかなり多めに出してあまり泡立てないまま肌にこすりつけてしまっている」方が意外といるので、「実は(洗顔料を出す時の長さは)1cmでいいんですよ。洗う前に手と顔をしっかり濡らして、レモン1つ分の大きさになるよう、しっかり泡立ててくださいね」と改めて目安や使い方をお伝えしたり。

――商品愛があるからこそ、できる発信ですね。

私に限らず、商品を企画している人たちって、本当にとても愛情を持って、一つ一つの商品を世に送り出しているんですよね。その愛を伝えたい、というのはいつもあります。「こんな気持ちで商品を作ってます」というツイートに反響があると、それもうれしいです。

スキンケアだけじゃない。ORBIS独自のカラーコスメ

――Twitterで投稿されているカラーメイクの着画もすてきだと思ってるんですが、組み合わせは自分で考えているんですか?

そうですね。ORBISのカラーアイテムは、パーソナルカラーに応じて選べるようになってるんですが、その中で私のパーソナルカラーである「イエローベース春」のアイテムを中心に、自分で組み合わせてみています。

パーソナルカラーは、ORBISアプリの「パーソナルAIメイクアドバイザー」という機能で診断できるので、まだ自分のパーソナルカラーを知らない方は試してみていただきたいです。

私は自分で勝手にブルベだと思っていたのですが、こちらの診断機能を監修した先生に見てもらったら「どこからどう見てもイエベの春タイプ」と言われて、コスメの選び方が変わりました(笑)。

――私もイエベ春なのでありがたい情報!

商品発表会で美容系インフルエンサーさんと関わらせていただくことも多いので、そうした方のツイートを参考に「私もこれやってみよう!」とメイクすることもあります。

――インフルエンサーさんとのコラボが生まれるのもすてきですね! このあたりでメイクポーチを見せていただいてもいいでしょうか?

はい。こちらです〜。

上段左から
・ORBIS グロウスキンコンパクト
・ORBIS ルージュネス シフォンマット ダスティフィグ
・ORBIS イルミラッシュマスカラ
・NONIO マウススプレー ピュアフルーティミント
下段左から
・ORBIS ツイングラデーションアイカラー シュガーストーム
・ORBIS ツイングラデーションアイカラー オレンジプラリネ

――やはりORBISのアイテムが多いですね。朝はメイクにどれくらい時間をかけてるんですか?

うるおいがちゃんと入っていないとメイクが崩れやすいので、忙しくても化粧水を肌に入れ込むよう、しっかり時間をかけています。20分くらいですかね。

スキンケアをしている間にお湯を沸かして、白湯を飲んでから下地を塗る……くらいだとちょうどいいです。あと、こまめにメイクの上からORBIS Uの化粧水も付けて保湿を心掛けていますね。

――会社に、服装やメイクの規定はあるんですか?

服装規定はかなり自由ですね。ORBISでは「SMART AGING」という提供価値を軸にその人らしさを引き出したいという想いで事業を展開しているのですが、「自分らしい服装でいる方が人は何倍も力を発揮できる」という考えのもと、本社社員の服装は原則自由になっています。なので私も、自由な色使いでメイクしています。

例えば、このツイングラデーションアイカラーは、上下で挟み込んだり、横グラデーションに塗ってみたり、色を混ぜて使ったり……と、気分に応じて使い方を変えられて、すごく愛用しています。今持ち歩いているのは3月にSSコレクションとして発売したシュガーストームと、オレンジプラリネです。

――名前がもうかわいい。コンパクトなのに1つのアイテムで2色楽しめるのがいいですね。

2色というと、こちらのグロウスキンコンパクトも使いやすくて。ベースメイクシリーズで2月に新発売したチークベースとハイライトのセットなのですが、ハイライトにグリーンパールが入っていて。

緑と赤は捕色関係にあるので、頬の高いところにハイライトを乗せて、レッドパールの入ったチークベースをすぐ近くに重ねると血色感がきれいに出ます。裏ワザですが、私はアイカラーベースとしても使っています。

――分かりやすい説明で、すぐ欲しくなってしまいました……。

オンラインメイク、マスクメイクのポイント

――最近は在宅勤務で、今日のようにオンラインでのコミュニケーションが増えたと思いますが、使うアイテムに変化は出ていますか?

そうですね。口紅ははっきりした色の方が画面越しに映えるなと分かってきて、今もそうしています。ルージュネス シフォンマットというSSコレクション限定品のダスティフィグというカラーです。

あと、マスクをよく着けるようになったので、ファンデーションは顔全体ではなく部分的に付けるようになりましたね。顔全体にはラベンダーの色味で透明感が出るスムースキープベースUVを塗って、マスクでこすれない部分や、クマとかシミにだけウォータリーグロウリキッドファンデーションを置くようにしています。

――自社商品に限らず、コスメや美容アイテムを選ぶ時は、何を重視して買っていますか?

単純にはやっているものや話題なものに手を出すのではなく、「自分が今、解消したい悩みは何か?」をしっかり理解して、それにフィットするものを選ぶのが大事だと思っています。「小顔になりたい」とか「桃尻になりたい」とか。SNSで調べて、雑誌も読んで、最終的には周囲にいる詳しい人の意見も聞いて、決めます。

――今、一番興味があるのはどんなトピックですか?

やっぱり「ボディメイク」ですね。映画『バーレスク』に出てくる主人公のポジティブに自分の夢を追うマインドやきれいに引き締まった美しいスタイルがとても好きで。社会人になってからボディメイクも兼ねてバーレスクダンスを習っていたので、その頃を思い出しながら今は家でダンス動画を見て、毎日いろんなダンスを踊って運動不足を解消しています!

最近は、YouTubeにある「HAND CLAP」ダンスの動画とか(笑)。1周すると汗だくだくですね。でもやはり、ちゃんと踊った日は体が軽いです!

あと、「マッサージ」にも力を入れてますね。ヘッドマッサージ器を買いました! 足が4つくらい付いていて、うにうに〜って回るやつです(笑)。顔のたるみは頭皮からくると聞いて、夜のスキンケアと同じくらいマッサージに時間をかけるようになりました。

――最後に、コスメや美容にハマって、人生変わりましたか?

変わったと思います。コスメや美容に関しては、友達が「ななに聞いてみたい」って質問してくれるのがうれしいですね。フォロワーさんからお肌や就活の相談をいただくのも、信頼してもらえているんだなと励みになります。

自分という人間にとって、こうしてみんなに信頼される要素としての「美容」が本当に大きなものだと思っているので、おばあちゃんになっても孫に信頼されるような美容好きでいたいです!

コスメ垢「Nanae」さんの履歴書

※写真のコスメはすべて本人私物です

『だから私はメイクする』漫画:シバタヒカリ、原案:劇団雌猫

『浪費図鑑』の劇団雌猫が贈る話題書をコミック化!

メイク道を爆進するうちにあだ名が「マリー・アントワネット」になった女、“推しネイル?にハマって猛練習する女、仕事場での“アドバイス?にうんざりしている女など、メイクを通して見えてくる、「社会」や「自意識」と戦う女たちの悲喜こもごも。

「自分がどうありたいか」と向き合う、共感必至のオムニバス・ストーリー!

※この記事は2020年07月04日に公開されたものです

ひらりさ

1989年生まれ、東京都出身。ライター・編集者。女性・お金・BLなどに関わるインタビュー記事やコラムを手掛けるほか、オタク女性4人によるサークル「劇団雌猫」のメンバーとしても活動。主な編著書に『浪費図鑑』(小学館)、『だから私はメイクする』(柏書房)など。

ブログ:It all depends on the liver.
Twitter:@sarirahira

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