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「カリスマ性」の意味と正体。カリスマ性のある人の特徴とは

仁科友里

「カリスマ性」の正体

さて、こうやって見てみると、カリスマ経営者、カリスマモデルといった具合に、カリスマという言葉は職業にプラスされることに気づきます。

これはなぜかというと、カリスマという称号は、動かすお金が大きい人に与えられるものだからです。

ということは、カリスマと呼ばれている人たちは生まれつき備わった才能よりも、自分を見せる自己プロデュースの才能や、時代の空気を読むのに長けている人のことを指すのかもしれません。

カリスマ性がある人の共通点

「新しいもの」を提供できる

カリスマと呼ばれる人たちに共通するのは、それまでになかった「新しいもの」を提供していること。

たとえば、ユニクロが登場したとき、「安い分、品質やデザインはいまいちだろう」と思う人もいたでしょう。しかし、ユニクロはアーティストとコラボするなど、「安くて使い捨てる服」ではなく「安くてイケてる服」へとうまくイメージを移行させていきます。

CMにも女優・藤原紀香を起用するなど、幅広い層へアピールしていきました。今では女性誌でユニクロを使ったコーディネートを取り上げることは、もはや当たり前となっています。常識を知り、常識を破るのがカリスマの戦略なのかもしれません。

いつも輝いていられるとは限らない

カリスマは時代の波に乗れるかがポイントになりますが、時代は常に動き続けています。当然、カリスマとて、いつも輝いていられるとは限りません。常に全盛期を更新することは難しいでしょう。

また、注目されるがゆえに、足をひっぱりたい人が出てくるものなのかもしれません。カリスマ美容師として名を馳せた美容師の中には、美容師資格を持たない人がいることも発覚しました。

前出のマーサ・スチュワートは離婚を経験し、主婦とはいえなくなってしまいます。さらに娘に「料理は全然せず、冷蔵庫の中はいつも空っぽ」「子どもが嫌いで、ハロウィンの時は居留守を使っていた」など暴露本を出されてしまいまいました。

数人の家族のために料理を作ることと、ビジネスとしてより多くの人に受け入れられるものを作る能力は全く別物ですので、私はこの事実に驚きませんが、イメージという点でいえば、あまりよろしくはないでしょう。

その他にもマーサはインサイダー取引の疑いで逮捕されるなど、人生は波乱続き。センスある幸福な主婦がカリスマ化したというイメージからは大きくかけ離れ、セールスも低下してしまいました。

「カリスマ性がある」ことだけが成功ではない

みなさんは『セブンルール』(関西テレビ系)という番組をご存じでしょうか。様々な分野で働く女性に密着して、彼女たちのセブンルールを掘り下げていく番組ですが、この番組に出る女性は、必ずしもカリスマ(経済的効果が大きい)とは限りません。

1日1000個売れるおにぎりを作る女性や、県庁職員から漁師になった女性、フィギュアスケートの羽生結弦選手の衣装を作るデザイナーなど、通常あまりスポットの当たらない職種の女性に密着しています。紆余曲折を経て、現在の地位を築いた彼女たちは、しっかりと自分の仕事を全うしています。

カリスマを目指すもよし、『セブンルール』のように地道に行くもよし。自分が向く方向の働き方を選択してほしいと思います。

(仁科友里)

※画像はイメージです

参考記事はこちら▼

あなたの「カリスマ度」を診断です。

※この記事は2019年12月24日に公開されたものです

仁科友里 (コラムニスト)

1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。OL生活を綴ったブログが注目を集め、2006年に『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。『サイゾーウーマン』『週刊女性』『週刊ポスト』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む女性たちの相談にも答えている。
Twitterアカウント @_nishinayuri

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