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彼の気になる存在に。自分の印象を深めるアイライナーとパルファム

前田紀至子

好きな人に想いを伝えるとき。仕事の大事なプレゼンのとき。このコスメでメイクをすれば、少しだけ運命が変わるかもしれない。美容ライターの前田紀至子さんが、働く女性たちの背中を押してあげるデパートコスメを、毎回異なるテーマでご紹介。

「このあとのデートのために」「仕事をがんばった自分へのご褒美」「たまったストレスを発散したい」

その場所にいるすべての人に共通しているのは、キレイになりたいという気持ち。背中を押してくれたり、奮い立たせてくれたり。

いつものポーチやコスメボックスに加えることで、少しだけ運命が変わるようなコスメをテーマに合わせて紹介していきたいと思います。

今回のテーマは、「自分の印象をぐっと深めるコスメ」

カラーシック アイライナー(レディ オブ ザ レイク)/アディクション

気になる人を見つめるのには勇気がいる。秘めたる想いが露わになってしまうかもしれないし、想いを拒絶されないとも限らない。

だからこそ、少しでも爪痕を残すべく、見つめたときのまなざしを鮮烈にできればどんなにいいだろう。

目が合った瞬間、2人の時を止めてしまうような、とろけそうに熱を帯びた色っぽい目元。

実はそれに必要なのは、「メイクアップ」という存在が前面に出るアイシャドウやマスカラではなく、密やかに、かつ雰囲気を大きく左右するアイライナーではないだろうか。

しかも、「いかにも描いています!」 というものではなく、残り香のようにニュアンスが感じられるものがいい。そうなると御誂え向きなのは、アディクションのカラーシック アイライナー。

中でもおすすめは07番のレディ オブ ザ レイク。ボルドーのようなバーガンディーのような赤とごく控えめに煌めくパールは、恋という視点でコスメを選ぶなら外せないし、スルスルと伸びるそれをまぶたのキワに引けば、まさに「口ほどに物を言う」目元が完成する。

王道は上まぶたの目尻に少し跳ねあげるように引くのがおすすめだけれど、下まぶたに使うのも手で、ちょっとドギマギするほどコケティッシュな瞳になる。

繊細な極細の芯幅とライナーの反対側についているチップがまた優秀だからこそ、このアイライナーでおまじないのように丁寧に目元を作り込めば、ドラマティックな印象作りに一役買ってくれるはず。

ローズ&キュイール/フレデリック マル

どんなシチュエーションにも馴染む、誰にも嫌われない香りもいいけれど、もしも恋愛に振り切って香りを選ぶとしたら?

それならきっと、とびきり艶やかで、相手の所有欲をくすぐるような香りがいい。

それも、「難しいかもしれないけれど、なんとか自分のものにしてみせる」と思わせずにはいられないような、魅惑的なのに品性のある、恋い焦がれずにはいられない、この香り。

自らを「香りの編集者」と位置づけて、世界の名だたる調香師12人とともに、制限を設けず、洗練の極みであるパルファムを作り続けるフレデリック・マル。

その最新作が、もはや伝説ともいえる調香師、ジャン=クロード・エレナ氏による、ローズ&キュイール。

「薔薇と革」と名づけられたそのパルファムは、肌に乗せた瞬間、淡くみずみずしいピーチ、そして柑橘のような爽やかさとしびれをもたらすティムットペッパーが匂い立つ。そうしているとブルボンゼラニウムの薔薇よりも薔薇らしい甘美な味わいが夢のように広がっていく。

吹き抜ける風のような心地よさに酔いしれていると、不意にしびれを感じ、気づけば甘やかな誘惑に翻弄されている。この香水は、まるで究極の恋の形。

決して一筋縄ではいかない香りではあるかもしれないけれど、天国と地獄を一緒に味わうことが恋の醍醐味だとしたら、これ以上の香りは、きっとない。

 

たとえほんのわずかだとしても、運命を変えてくれる存在になるかもしれないコスメたち。もしも気になったなら、ぜひ一度デパートに赴いて、カウンターで試してみて。

(文・撮影:前田紀至子)

※この記事は2019年10月03日に公開されたものです

前田紀至子

新潮社『nicola』専属モデル、光文社『JJ』ライターを経て、美容やファッション、旅を中心にエッセイやコラムを寄稿。モットーは愉快な人生。

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