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彼女と話すと、ドキドキする。新木優子が愛される理由 #Lifeview

あこがれの人、がんばってる人、共感できる人。それと、ただ単純に好きだなって思える人。そんな誰かの決断が、自分の決断をあと押ししてくれることってある。20~30代のマイナビウーマン読者と同世代の編集部が「今話を聞いてみたい!」と思う人物に会って、その人の生き方を切り取るインタビュー連載【Lifeview(ライフビュー)】。

「あ、ちょっと待って。こっちのほうがキレイに録音できるかも」

「マイナビ presents 第26回 東京ガールズコレクション 2018 SPRING/SUMMER」の取材現場。インタビューをはじめようとした刹那、彼女のドキッとするほどに長くて美しい指先がこちらへ伸びてきた。ニコリとやさしく微笑んだその人は、そのまま私の手元にあるボイスレコーダーの向きをくるっと変える。

同性ながら、これはズルいと思った。出会って1分、彼女の絶妙な空気感に早くもノックアウトされた私。先に言っておく。今から書くこの記事は、きっととびきりのファンレターみたいな文章になっちゃうはずだ。

たくさんの人ができる仕事じゃないって、わかってた。

目の前に現れたのは、どこまでも凜としていて聡明な話し方をする女性。立ち居振る舞いはこれでもかというほどにきれいで、女性目線でも惚れ惚れする。そして、時折見せるマスキュリンな表情にぐっと心を掴まれた。

「小学生のとき、休みの日に『原宿へ行きたい』と言って、連れて行ってもらったんです。そうしたら、今の事務所の人に声をかけられてそれはもうびっくりしました。最初、怪しい人なのかもって疑っちゃったくらい(笑)。それくらい驚いたのを覚えてる」

彼女は選ばれるべくして、この舞台裏にいる人間なのだろう。そんなこちらの確信とは裏腹に、当時を振り返って「芸能界に入ることなんて、考えたこともなかった」と漏らすから意外だ。では、なぜこの世界に足を踏み入れることを決めたのか。

「たくさんの人ができる仕事じゃないって、なんとなくわかってたから。せっかくチャンスをもらったのならやってみたいという思いが心の底にあったんです」

進学を選んだからこそ、仕事への思いが強くなった。

2つのことを同時に追いかけるって、すごく難しい。あくまでこれは私の場合だけど、仕事をがんばりたいときはそれ以外どうでもいいやってなっちゃうし、逆にプライベートが楽しいと思える時期は仕事が手につかない。人間のキャパは決まっているのだと、つくづく思う。

目の前の彼女も、2つのことの両立に悩んだ時期があったと言う。

「仕事と大学の両立は大変でしたね。だって、大学って行くだけでいいわけじゃないから。テストがあって、ちゃんと結果を残さないといけない。それなのに仕事の都合で大学へ行けなかったり、テストの勉強もままならなかったりなんてこともよくありました。そんなときは友だちの力を借りていました」

在学中は、数々のドラマや映画に引っ張りだこ。2014年には、雑誌『non-no』の専属モデルにも大抜擢された。大学に通いながら過ごした4年間で、仕事は大きく変遷期を迎えたはずだ。言葉で“大変”と言うのは簡単だけれど、そこに詰まっているのはきっとたくさんの感情と出来事。「それでも両立してよかったですか?」と尋ねれば、懐かしそうに話す彼女の目尻がやさしく下がった。

「それはもう。よかったと感じる瞬間しかないですよ。大学で出会った友だちとは、これからもずっと一緒にいるんだと思う。それだけでも、私の財産だなって」

そして2つの道を選んで生まれた、仕事に対する思いの変化も教えてくれた。

「進学を選んだからこそ、仕事への思いが一層強くなったんです。大学へ行くのか、社会人として働くのか、みんなが進路を悩む時期は私にとっても人生の大きな分かれ道だった。このタイミングで将来を考えたときに『学生を続けたいけど、仕事も諦めたくない』って気持ちを認識するようになったんです。何をやりたいのか、どんな女優になりたいのか、どんなモデルになりたいのか。当時の私は、それがまだわからない状態でした。進学を選んだのは、無我夢中で進むよりも勉強をベースに置いたほうが、自分のやりたいことをちゃんと見つけていける気がしたから」

自らエネルギーを発せられる人になりたい。

2018年冬クールのドラマのなかでも、とにかく異彩を放っていたドラマ『トドメの接吻』(日本テレビ系)。新木優子演じる社長令嬢・美尊がとにかくかわいくて、毎週日曜日の夜はテレビの前で釘づけになっていた。

人気と実力を兼ね備えた注目の若手役者たちが、まるで奇跡のように集まった撮影現場。そこでの経験は、どこか大人びた雰囲気を帯びる彼女に大きな刺激を与えた。

「『トドメの接吻』は、やっぱり出演者のみんなのエネルギーがすごかったですね。そこには若さもあった。私、気づかないうちにどこか落ち着いてきちゃった部分があって(笑)。でも、同世代のみんなとの共演を通して、楽しいことは『楽しい』ってちゃんと表に出していいことを知ったんです。そんな気持ちをポジティブに変換して、お芝居の表現へ変えていく。それは、あの現場で覚えたこと」

なかでも印象的だったのは、うらやむほどに活躍する同世代の姿。

「みんなの演技を見て素敵だなと思うとともに、うらやましいと思うこともありました。だって(山﨑)賢人くんは私より年下なのに、たくさんの作品の中で主役を張っている。もちろん、それは彼が努力をして築き上げてきた環境で。彼だったからこそ生まれた空気感からは、学ぶことがたくさんありました。私もエネルギーを自分から発せられるような女優になりたい」

それは、まるで女友だちと話しているかのような不思議な空間。その言葉に余分な飾りはなく、思っていることがまっすぐに並べられていく。カメラの前ではとびきりクールで、ぐっと息を呑む艶っぽい表情を見せるのに。直接向き合って話せば、思わずこちらも本音を語ってしまうような距離感と笑顔に心を惹きつけられた。そして、なぜかちょっぴりドキドキした。

きっとたくさんの人に愛されているんだろう。『トドメの接吻』の現場で同世代の俳優が作る空気感に羨望するほど圧倒されたと言うけれど、彼女が生み出す空気感もなかなかのものだと思う。

明日は少し欲張りに仕事と向き合って、同期の働きぶりから何かを吸収して。そうやってちょっとがんばって、新木優子みたいな素敵な女の子になれたらってワクワクする。そんなことを考える取材の帰り道って最高だ。

(取材・文:井田愛莉寿、撮影:前田立)

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