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【精神科医監修】好きな人に素直になれない! 反動形成行動の原因と克服法

ゆうきゆう

よく見られる「反動形成」具体例3つ

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続いて「反動形成」をもっとよく理解するための具体例を紹介します。ゆうきゆう先生に、「反動形成」が現れがちなシーンを挙げてもらいました。

(1)恋愛シーンで

比較的よく起こるのは好きな相手に意地悪をしたり、相手が嫌がるようなことをする・喧嘩になってしまうような言動を取ってしまうといったことです。また、話しかけられたのに無視をする・そっけない態度を取る・興味のなさそうな態度を取る・相手と接しそうになると避けてしまう、といったことも反動形成にあたります。

自分の気持ちを表現するのが恥ずかしかったり、なんらかの理由で相手を好きだという気持ちを認めたくない時、相手に気持ちが伝わると関係が終わってしまうといった恐怖を抱えているときなどに起こりやすくなります。

(2)親子シーンで

極端な例で言うと、虐待を受けて育った子どもが親を慕う・親に尽くすと言った行動には反動形成がかかわっていることがあります。反動形成は“自分の心を守ろうとする”ための行動だと先ほどお伝えしましたが、親と離れることもできず、逃れることもできず、その環境(虐待を受ける)に身を置かなければならないケースでは「親を慕う」ことで自分の心の安定を図ろうとすることがあります。

また、親や子ども・兄弟を嫌っていても「それを周りに知られたくない」「そんな自分はダメだ」と思っている場合、相手を極端に甘やかしたり尽くしたり優しくしたりといったことも、少なくありません。逆に親(兄弟・家族)のことは好きだけど「もういい大人だから甘えたりするのは恥ずかしい」「べたべたしていると思われたくない」「連絡が来るとマザコンだと思われる」からと、極端に冷たく振る舞うケースもあります。

(3)人間関係シーンで

職場の人間関係やプライベートな友人との関係でも、「相手のことが嫌いだけどそれが相手や周りにバレると自分の立場が悪くなる」といった気持ちから相手に親切にしたり優しくしたりといった行動に出ることが少なくありません。嫌いな上司や先輩にお世辞を言ったり過度な尊敬を示すといったこともそれにあたります。

親子関係でもよく見られるのですが、特に利害関係のある相手や近しい存在・環境的に離れられない相手だと嫌っていることを知られると大きな不利益が生じるために、自分を守ろうとする気持ちがとても強くなり、極端な言動を取りやすくなります。気持ちを抑圧しすぎるあまり、実は「一番仲のいい友達(だと自分でも思っていた相手)が一番嫌いな人だった」なんてこともあるのです。

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