【マネーレッスン】「クレジットカード」の意外な落とし穴 浪費家は使うべきじゃない!?
将来を考えるとき、お金の悩みはついてまわるもの。結婚・出産、転職など、ライフイベントによってマネープランの見直しは必須。だけど、何から手をつければいいのかわからない! そんな働く女子のお悩みを、FP風呂内亜矢先生に相談。知っておきたいお金のキホンや無理なく実践できるテクニックをマスターして♪
◆今回のお悩み
相談者:けいこさん
「なかなかお金が貯まらず、最近は自転車操業で、将来が不安です。クレジットカードをつい使ってしまい、引き落とし金額を見て驚くことがあります。ポイントが貯まることを諦めて、カード自体持たないほうがいいのでしょうか」
クレジットカードの思わぬ落とし穴
編集部 けいこさんは買い物ではほぼクレジットカードを使っているようです。そのせいか、つい使いすぎてしまい、引き落とし金額を見て驚くことがあるのだとか。カード自体持たないほうがいいのではないかとも思っているようですが、けいこさんは現金で買い物をしたほうがいいのでしょうか?
風呂内亜矢(以下、風呂内) そうですね。引き落とし金額を把握できていない彼女のようなタイプは、カードを持つのをやめたほうがいいかもしれません。なぜなら、クレジットカードで支払うと、実際に商品を購入した日と決済、さらに口座から引き落とされるタイミングにタイムラグが生じてしまい、家計の管理がしづらくなってしまうためです。家計をしっかり管理できていれば、引き落とし金額を見て、驚くようなことはないはずです。
また、おそらく彼女は、「現金なら買わないのに、カードだと買ってしまう」ということが頻繁に起こっているのではないかと思います。実は、アメリカの脳科学者による実験で、クレジットカードを使うと消費が約2割増しになるというデータがあります。彼女はまさにそのタイプではないでしょうか。
編集部 つまり、家計が管理できておらず、かつ消費が増えている結果、けいこさんは自転車操業に陥っているわけですね。使いすぎてしまう以外にも、たとえば分割払いはしないほうがいいなど、クレジットカードを使う際に注意しておきたい点はありますか?
風呂内 分割払いをすることで利息や手数料がかかってしまうと、その分、損ではありますが、それよりも気をつけたいのは「リボ払い」(事前に指定した一定額を毎月返済していく支払い方法)です。最近では利用することに注意が必要なことを知っている方も増えてきましたが、リボ払いは利息も高く、かつそのほとんどが“借金”として見なされます。毎月の返済額がほぼ一定のため、カード払いを続けるうちに、いつまでも返済が終わらない可能性も。もしリボ払いを利用しているようでしたら、まずはそれを完済するようにしましょう。
編集部 リボ払い=借金なんですね! それを知らずに気軽に利用している人は多そうです。ほかにも支払い面で気をつけておきたいことはありますか?
風呂内 支払いの延滞はNGです。万が一、引き落としができなかった場合、クレジットカード会社から電話やハガキで督促の連絡が来ます。そのとき、すぐに対応すれば、おおむね延滞の履歴は残らないと言われていますが、延滞が続くと、信用情報に履歴が残ってしまうことも。そうなると、新たにクレジットカードがつくれなくなったり、各種ローンが組みにくくなったりしてしまいます。
編集部 クレジットカードはうまく付き合わないと、本当に怖いですね。
●クレジットカードの思わぬ落とし穴
・購入した日と決済、口座から引き落としのタイムラグで家計管理がしづらくなる
・現金なら買わないのにカードだと買ってしまう(消費が約2割増しになる)
・リボ払い=借金である
・支払いを延滞し、さらに督促の連絡に対しすぐに対応しなければ、信用情報に履歴が残る(新たにクレジットカードを作ったり、各種ローンが組めなくなったりする)
★けいこさんプロフィール
医療・福祉関連企業で専門職の正社員として働く、社会人10年目以上の33歳。手取り年収約400万円、手取り月収約18万円。現在の自分名義の貯蓄額は200~50万円未満。毎月の貯蓄額は設定せず、月々の家計やボーナスの中から余った分を貯蓄に回しているが、最近は自転車操業のため、なかなか貯蓄ができていない。さらに買い物では、ポイントを貯めるためにほぼクレジットカードを使っているが、つい使いすぎてしまい、引き落とし金額に驚くことも。そのせいで、ときどき貯蓄に手をつけてしまう。持っているクレジットカードは3枚で、頻繁に使っているのは1枚のみ。残りは、銀行系クレジットカードと百貨店系クレジットカードで、百貨店系は近々解約する予定。
(ヨダヒロコ/六識)