【マネーレッスン】いざというとき怖い、「契約社員」女子が心がけておくべきお金のポイント
将来を考えるとき、お金の悩みはついてまわるもの。結婚・出産、転職など、ライフイベントによってマネープランの見直しは必須。だけど、何から手をつければいいのかわからない! そんな働く女子のお悩みを、FP風呂内亜矢先生に相談。知っておきたいお金のキホンや無理なく実践できるテクニックをマスターして♪
◆今回のお悩み
相談者:ここあさん
「新卒のとき就職活動に失敗し、転職を数回経験しています。現在、契約社員として働いていますが、ギリギリまで節約していても貯金が貯まらず、将来が不安です。解決策を教えてください」
編集部 ここあさんは現在、契約社員として働いており、将来に不安があるようです。一般的に、「正社員」と「契約社員」にはどんなちがいがありますか?
風呂内亜矢(以下、風呂内) 社会保険に関しては、フルタイムの契約社員であれば正社員と立場は変わりませんが、契約社員には「退職金」が出ません。また、ボーナスもほぼありません。それから、交通費が自己負担になっているケースも多いですね。ここあさんも交通費が6,000円とのことですので、おそらく通勤代を自分で捻出しているのでしょう。
編集部 つまり契約社員は、月々の給与のみで生活のすべてをまかなわなければいけないわけですね。ここあさんは手取り月収が約15万円ですが、契約社員は給与自体も正社員より低く設定されているものなのでしょうか。
風呂内 一般的には低い傾向がありますね。一方で、残業代は契約社員のほうが出やすいという面も。正社員だと、見込み残業になっていたり、会社に気を遣って申告しづらいという声も聞きますが、契約社員であればドライに残業をつけられるメリットはあります。
編集部 金銭面以外にも正社員とちがう部分はありますか?
風呂内 あくまで“契約”ですから、雇用がずっと続かない可能性は正社員よりも高いですね。
編集部 それは、結婚を考えていないここあさんが将来を心配する大きな要因のひとつかもしれません。彼女のように、契約社員の人が「おひとりさま」になる場合、備えておくべきことはありますか?
風呂内 病気やケガで働けなくなったときの収入を補償してくれる民間保険もありますが、正社員と同様に社会保険に加入できる契約社員の方には、あまりオススメしていません。やはり、大前提は「貯蓄」でしょうね。
編集部 たしかにその通りです。しかし彼女はひとり暮らしもしていて、ギリギリまで節約している状態です。何かほかに手はないのでしょうか。
風呂内 おひとりさまを覚悟しているなら、改めて正社員をめざすことも考えたほうがいいでしょう。職種にこだわりがなく、「正社員になれるなら何でもいい」くらいのスタンスでいれば、何かしら見つかるはずです。また狙いたい業種があるなら、それに有利な資格を取得するのもいいでしょう。
もうひとつ、帰る実家があるならば、Uターンすることも選択肢に入れてはいかがでしょうか。彼女は家賃や光熱費もギリギリまで抑えていますが、合計で3万9,000円と家計の負担になっているのも事実。実家に住めば家賃や光熱費が浮き、その分を貯蓄に回せます。また、移り住んだ人への住まいや仕事などの支援制度を設けている自治体を調べて、気に入った場所であればIターンもアリだと思いますよ。
編集部 なるほど。いずれにしろ、今の状況からは脱却すべきなのですね。彼女がお金を貯められないのは、低収入だからというのもありますが、プロフィールにもあるように、敏感肌をケアするための「医療費」や「化粧品代」が大きく影響しているかと思います。もし、これらの出費を少しでも減らせるような見直しポイントがあれば、ぜひ教えてください。
>次ページ:ここあさんの家計を圧迫する「医療費」の見直しポイントは?
◆ここあさんプロフィール
社会人9年目の32歳。数回の転職を経て、現在はサービス関連企業に事務職の契約社員として勤務。埼玉県でひとり暮らしをしており、結婚願望はなし。手取り年収約180万円、手取り月収約15万円。「食事は一週間分をまとめて作る」「休日には図書館などの公共施設で読書などをして過ごし電気代を浮かす」など、ギリギリまで節約。さらに毎月1万円を貯金用口座に移したり、不要品をネットオークションに出して得た利益を貯蓄に回したりしているにもかかわらず、現在の自分名義の貯蓄額は10万円未満。その最大の原因は、医療費+化粧品代。敏感肌のため、皮膚科の処方箋薬や専用の化粧品などに毎月3万6,000円ほどかかっている現状。医療費が予想以上にかかった際は、貯蓄に手をつけてしまうことも。
(ヨダヒロコ/六識)