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歴女必見!? 歴史的ストーリーを語れる会場、教えます!(和の会場編)

マイナビウエディング編集長として、これまで数多くの結婚式場に足を運んできました。いくつもの素敵な会場を目にするなかで、脳裏に浮かんだのが「神は細部に宿る」という有名建築家が残した言葉。ウエディングも同じだと常々感じます。上質な会場には、細部にまでこだわりが貫かれているもの。そんなウエディングの「細部に宿る上質」を紹介する本コラム。今回は、連綿と受け継がれた伝統と歴史を持つ、希少価値の高い会場に迫ります。

戦国時代を代表する?おしどり夫婦?ゆかりの建物

なぜ、その会場をなぜ選んだのか。その理由はもちろん人によってさまざま。ただ、「きっとこの会場を選んだ方は、今の自分と同じような感動を味わったのだろうな」と共感する場所があります。それは教科書に出てくるような歴史的背景をもつ会場です。そこに佇むだけで、その建物が建てられた当時に思いを馳せられるって、なかなかない感動だと。特に印象深い会場は何軒かあるのですが、今回は和の会場をふたつご紹介します。

まず、ひとつめが「東京大神宮マツヤサロン」の「神路の間」です。東京大神宮の客殿でもあるこちらの会場は、加賀百万石、旧前田侯邸の大名屋敷を移築したもの。前田藩といって思いつくのが藩祖である前田利家とその妻・まつ。NHKの大河ドラマにもなりましたよね。激動の戦国時代に夫婦が手を取り合い、加賀百万石を築いたことで知られています。その利家とまつによって繁栄を遂げた前田家ゆかりの建物の一室で披露宴を行える。とっても素敵なことだと思います。
何度も訪れていますが「神路の間」へと続く扉を開けると、毎回、不思議と空気が一変する感覚を得ます。凜としていながらも心地よく温かい空気の感触。どこかで、利家とまつ夫婦が見守ってくれている、そんな想像をめぐらせてしまいます。

建物は明治時代のもの。重厚な木造建築は風格があり、貴重な掛け軸やアンティークのシャンデリアなど気品を感じさせる調度品が目を和ませてくれます。縁結びの神社である東京大神宮とおしどり夫婦として知られる利家とまつが築いた前田家の大名屋敷。結婚式の場としてはこの上ない組み合わせです。
ちなみに、前田侯邸の門は現在、どこにあると思いますか? 正解は?東京大学! 東大の赤門がそれなのです。東京大学の本郷キャンパスの敷地はかつて加賀藩前田家の大名屋敷があった場所なのです。遠方からのゲストに東京観光に役立つプチ情報としてお伝えするのもいいですよね。

近代日本の幕開けを見守った由緒ある会場が現存!

もうひとつのオススメ会場が「明治記念館」の「金鶏の間」。こちらは明治21年に明治憲法草案審議のための御前会議が開かれた歴史的舞台なのです。近代日本の幕開けを飾った場所で披露宴ができるなんて、そうないことですよね。会場中央でひと際存在感を放つ黒漆塗りの大鏡が付いたマントルピースや菊紋をあしらった釘かくしなど、空間もインテリアもほぼ当時のまま。

そして、なんと言っても見どころは会場名にもなっている?金鶏?。壁面に描かれた金鶏と牡丹は国内有数の壁画師が伝統的な工法によって施されたもの。庭園を臨む窓の上に描かれているため、美しい日本庭園と優雅に舞う金鶏が一体となり視界に広がるのは正に計算された美。まるで幻想的な絵画を見るようです。明治14年に赤坂仮御所のご会食所として建造された建物は、庭園につながる階段やゆったりとした外廊下など優雅な趣が随所に。和装はもちろん、ドレスも美しく映える本物が織り成す空間美が晴れの日を彩ってくれます。

今回ご紹介したふたつの会場は、いずれも明治に建てられた貴重な建物。それは「なぜここをウエディングの場所に選んだの?」と聞かれて、その建物の由来にまで話が及ぶ意味ある場所とも言えます。正に大人の花嫁だからこそ備える教養がなせる選択なのではないでしょうか。オススメです!

※この記事は2015年04月13日に公開されたものです

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