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【女の嘆き】自己愛MAXなSNS投稿は勘弁! でも閲覧をやめられない私、どうしたらいい?

三吉野愛子

「あの子っていいなぁ! 私なんて……」「今、私ってどう見えてるんだろう」など、他人と比較して自己評価が下がったり、同性・異性の目に自分がどう映っているかを気にしすぎたりすること、ありますよね。心理コーディネーター・三吉野愛子が、そんな複雑な女ゴコロを解説し、嘆きの処方箋を出します。自分らしく輝いて生きるヒントをチェックして!

<今回の嘆き>
SNSで素敵な暮らしぶりを賞賛し合う空気が苦手です。プロ並みの料理やお菓子作りの腕前、彼氏や夫からプレゼントされた品々やサプライズ演出、キッズモデルなみにかわいい子どもの写真、おしゃれなホームパーティの様子……。どう見ても「いいね」としか言いようがないのですが、反発を覚える自分がいます。それなら閲覧をやめればいいのに、嫉妬まじりに投稿をチェックしては嫌な気分を引きずってしまいます。この屈折した習慣、どうにかならないでしょうか。

家庭的なスキルや美意識の高さ、そしてパートナーから愛されている証などは女性にとっては勲章のようなもの。勲章はひっそり隠し持っていてはつまらないので、人目に触れるところに飾って多くの人から賞賛を得たい、そして自分の価値や幸福を確認したいと思うのが人情。なかには自慢話ばかりでなく凹んだ話や失敗談を投稿し、誰かになぐさめてもらい味方になってもらうことで、欠けた自尊心の復旧をはかるという手法をとる人もいます。自慢話を披露するタイプより、こういった甘えん坊タイプのほうが苦手という人もいるでしょう。いずれにせよ、「私を見て!! 私にかまって!!」という自分が大好きすぎる人々を見て複雑な気持ちになる点では共通しています。

急速に普及した各種SNSは、自己愛MAXな人々の欲求を満たすには最適な自己発信ツール。もちろん別の目的で利用している人もいるでしょうが、投稿が“誰かに見てもらえることが前提”である以上、他者からの承認を期待していることは確かです。生活に浸透してしまったSNSに支配されることなくスマートに使いこなすためには、どうしたらいいのでしょうか。

<女の嘆きへの処方箋>
●その1 役立つ情報が満載の“人類共通データベース”だと思う
誰かの投稿を見るたびに、「また自慢話!」「また自虐ネタ!」と振りまわされてばかりだと、SNSは単なる時間泥棒のツールと化します。また、他者の投稿に批判的になりすぎると、自分が投稿するときも読み手にどう思われるかを気にしすぎて自由な自己発信ができなくなります。そんなときは、いっそのこと発想を大逆転させましょう。

たとえば、SNSとは自己愛MAXな人々の自己満足の舞台なんかではなく、世界中の役に立つ情報が満載の公開データベースだと考えてみる。そういう視点に立つと、自分の役に立ちそうな記事なら読めばいいし、そうでなければ読み流せばいい。また、自分が投稿するときに迷ったら、「どこかの誰かの役に立つかも」という思いで投稿すればいい。そんなふうにシンプルに行動できるようになります。

●その2 “承認”に対する生理的拒否感を見直してみる
人を素直に承認するのが苦手な人は、自分自身が誰かに承認されるという体験が不足しているかも。自分に厳しい人がそうなりやすく、甘えたい気持ちを我慢するのが普通になっているため、気やすく誰かにかまってもらおうとする甘えん坊を見ると内心穏やかではありません。SNS上で誰かの反応を期待して自己発信をする人にイライラするのも、根っこは同じではないでしょうか。

そもそも人は他者からの関心がなければ生きられない存在であり、他者からの承認によって自尊心が育まれていくもの。誰かに褒められ、いたわられ、慰められてうれしく思うからこそ、自分を大切に思う気持ちも生まれ、次は誰かに同じことをしてあげたいという気持ちにもなるのです。承認は、単なる社交辞令や相手を甘やかすという面だけはなく、お互いを認め合い助け合う相互扶助コミュニケーションという面もあるのです。そう思うと、承認を求めたり与えたりすることへの抵抗が少なくなるのでは?

●その3 SNSを脱退するという選択肢を持つ
究極の解決策ですが、SNSをやめるという選択肢もあります。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)とは、コミュニティ形式の会員制サービスのこと。そもそも自分の意思で入会したり脱退したりできるものなので、そのコミュニティやサービスが自分の価値観と相容れないと思うのなら、つまりSNSから受ける恩恵よりも精神的苦痛のほうが勝ってしまうのならば、潔く脱退するというのも賢い方法です。「なんとなくみんながやっているから」という理由でSNSをやるのではなく、「自分は何のためにSNSを利用するのか」という目的をしっかり持つことが大事です。

※画像は本文と関係ありません

(心理コーディネーター:三吉野愛子)

※この記事は2015年03月25日に公開されたものです

三吉野愛子

1978年、福岡県生まれ。2001年、東京学芸大学教育学部を卒業し、教育系広告代理店に勤務しながら心理カウンセリングを学ぶ。2005年より心理カウンセラーとして活動するかたわら、TV、ラジオ、雑誌の企画監修などを手がける。著書に『恋愛ダメ子の診療所』(日経ウーマン選書)。現在、東京を拠点に、現在、心理カウンセラーとして活動中。

●三吉野愛子カウンセリングオフィス ブログ
http://blog.goo.ne.jp/dearlife_2015

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