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自宅に「お墓」を建てちゃダメって本当?

狭い日本で深刻化しているのが「お墓不足」。遺族の負担を減らそうと気づかうあまり「お墓はいらない」「葬式もしなくて良い」なんて話を耳にするが、そんなことをしたら遺族が大変なめにあうのはご存じだろうか?

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残念ながら他界したあとも、死亡届から火葬埋葬許可など、守らなければならない法律が数多くあり、これに従わないと死体遺棄(!)として罪に問われることもある。自宅の庭にお墓を建てるのはOKだが、肝心のお骨を納めるのはNGだし、思い出の地に「散骨してくれ」的な話も要注意で、許可なくおこなうと遺骨遺棄罪に問われる。

日本で故人を弔うには法律の知識が必要なのだ。

お葬式は法律だらけ

正月早々縁起でもない話だが、冥途(めいど)の旅の一里塚とも言われるように、残念ながら誰もがいつかは天寿をまっとうする。映画ではないが、ある日突然お葬式からお墓の手配を任せられる局面もあるので、お葬式がらみの日本の法律を知っておいても損ではないだろう。

お葬式に関連する法律は、
・刑法
・墓地、埋葬等に関する法律(通称・墓埋法)
・戸籍法

の3つがあり、まずは市区町村に死亡届を出し、火葬埋葬許可証をもらうことから始まる。ただし墓埋(ぼまい)法・3条によって「死後24時間は火葬も埋葬もしてはいけない」と定められているので、気が焦っても、届け出や許可証を急ぐ必要はない。

その後は火葬だが、これも都道府県知事が許可した火葬場でしかおこなうことができない。以前は土葬、つまりそのまま埋葬することも可能だったが、現在は地域/条件が限られる。いくら故人の希望だとしても、火葬しない/許可されていない地域で土葬すると、刑法・190条によって「死体遺棄(いき)罪」に問われるので要注意だ。

火葬がすんだらお墓にお骨を納める「埋葬」をおこなうが、これも火葬場と同様に許可された墓地以外ではできない。つまり、自宅の庭にお墓を建てるのは問題ないが、そこは「許可された墓地」ではないので、お骨を納めると同じく刑法・190条で「遺骨遺棄(いき)罪」となってしまう。

ただしお骨を自宅で保管するのはOKなので、「庭に墓を建てたが、お骨は納めていません」は問題ない。なんともフシギな法律だが、ところ構わず勝手に埋葬するのを禁止するのが目的と考えるべきだろう。

散骨は高等テクニック

これら一連の手続きに儀式的な要素を加えたものが、一般的に「葬儀」「葬式」と呼ばれ、届け出/許可/火葬/埋葬が合法的におこなわれさえすれば、あとは任意となり、する/しないは個々の判断に任せられる。極端な例だが、お坊さんも登場せず、お経もあげてもらわないプランを選択しても、法律上は全く問題ない。

埋葬せずに、山や海にお骨をまく「散骨」や「散灰」はどうなるのか? これは現時点ではグレーゾーンに当たり、YesともNoとも表現できない。たしかに墓埋(ぼまい)法・4条では「墓地以外の場所に埋葬してはいけない」旨が記されているものの、散骨=埋葬とは言い切れないからだ。

東京都福祉保健局のwebによると、散骨については「墓埋法で禁止しているわけではない」「今後の動向を見守る」とされ、現時点では違法とは言い切れない。ただし、条例で散骨を禁止している自治体もあるので、事前に念入りに確認しておく必要がある。

自信が持てなければ、専門業者に任せたほうが無難だろう。

まとめ

・ひとが亡くなったらまず死亡届を出し、火葬埋葬許可書をもらう必要がある
・都道府県知事が許可した場所でなければ、火葬も埋葬もできない
・自宅にお墓を建てるのはOKだが、お骨を埋葬すると違法
・散骨はかなりグレーなので、専門家に任せるのがベター

※この記事は2015年01月16日に公開されたものです

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