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ぬるくなったジュースを「甘ったるい」と思うのはどうして?

冷蔵庫でキンキンに冷やしたジュースは、程よい甘さで美味しいのに……時間が経過してぬるくなると、なぜか甘ったるく感じてしまう! あなたはこんな経験をしたことはありませんか? ジュースそのものは変わらないはずなのに、どうしてこんな風に感じるのでしょうか。

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その秘密に迫ります。

味を感じるのは、どこ?

人間は、食べ物や飲み物の味を舌で判断しています。舌は「舌体」と呼ばれる部位と、その根元となる「舌根」という部位で構成されていますが、味を感じるのは、主にこの「舌体」という部分。ここにあるボツボツの突起部分「茸状乳頭」「有郭乳頭」「葉状乳頭」には、人が味を感じる味細胞の集合体、「味蕾(みらい)」が多数存在しています。

この味蕾に食べ物や飲み物から刺激が加わると、そこから脳の味覚中枢に情報が送られ、「甘い」や「苦い」といった味を感じるのです。ちなみに、この「味蕾」、人の舌には10,000個ほど存在すると言われています。

味蕾の秘密

「甘い」という情報も、この「味蕾」に成分が吸着することで判断されていると考えられます。そして実は、この「味蕾」の反応は温度によって変わるものなのです。温度が上がれば上がるほど、「味蕾」は「甘い」という情報を伝達しやすくなります。

もし食べ物や飲み物の温度が10度上がれば、甘味を感じるセンサーは2倍働きやすくなると言われています。通常冷蔵庫の設定温度は1~5度に設定されていますから、よく冷えたジュースの温度もこれくらいだと考えられます。

人がジュースを「ぬるい」と感じる温度には個人差がありますが、室温ほどだと考えると、10度以上の差が生まれることも多いでしょう。「2倍甘く感じているのだ」と思うと、その甘ったるさにも納得できるはずです。

実際の甘さとは……

「ジュースは甘いもの」だということは、多くの方が知っていること。しかし実際に、「本当の甘さ」を体感する機会は多くはありません。キンキンに冷えたジュースでも甘味を感じるということは、それ以上の甘味料がそこに入っているということです。

一度、わざとジュースをぬるくして飲んでみてください。これまで、どれだけ甘い飲料をゴクゴク飲んでいたのかを実感できることでしょう。

味覚と温度には、実は深い関係があります。料理も飲み物も、適切な温度で楽しむことが大切なのですね。ただ時には、わざと温度による補正効果をなくして、「真実の味」を見つめることも必要かもしれません。

※この記事は2014年12月13日に公開されたものです

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