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雑学 生活

何百年もずっと消えない台風がある

近年は地球温暖化の影響を受けて台風が大型化する傾向にあり、それに伴って被害もますます拡大しています。

そんな日は、むやみに外に出ないで台風のことを少し調べてみませんか?

【台風の東側(右)の風・雨がひどいワケとは】

■台風の語源はギリシア神話にある?

学生時代に「源氏物語」などの古典文学を勉強した人は憶えているかもしれませんが、日本ではかつて台風のことを、野原の草を吹き分けるほどの強い風という意味で「野分(のわき)」と呼んでいました。

その後、明治時代の末期には「颱風(たいふう)」と呼ばれるようになり、さらに第二次世界大戦以降は、「颱」の字の代わりに「台」の字が使われて、「台風」となりました。

その語源には諸説あり、中国福建省や台湾で使われていた「大風」に由来する説、アラビア語で嵐を意味する「tufan」から転じた説のほか、ギリシア神話に登場する風の神「typhon(ティフォン)」から来ているという説もあります。

なお、語源が同じであることから、英語でも台風のことを「typhoon(タイフーン)」と書きます。

■ 台風はどうやって発達するのか

ところで、台風はどのようにして生まれ、発達していくのでしょうか。

台風は、熱帯地方で発生した低気圧が発達したものです。この地方は気温が高いため、海水が多く蒸発して水蒸気となります。水蒸気が上空へとのぼっていくと、今後は周りの冷たい空気に冷やされて雲へと変わりますが、そのときに「潜熱」と呼ばれる大量の熱エネルギーを放出します。

潜熱は周りの空気を暖め、それが上昇することで、強い上昇気流が生まれます。空気が上昇してしまうと、その部分の空気は薄くなるとともに、気圧も下がっていくことで、やがて熱帯低気圧が生まれます。空気の濃度と気圧との関係については、富士山のような山を思い浮かべると分かりやすいかもしれませんが、空気の薄いところというのは気圧が低くなりますよね。

さらに、空気には全体の濃度を均一にしようとする性質があるため、空気の流れは、濃い方から薄い方、つまり気圧の高い方から低い方へ対して生まれます。その結果、低気圧は気圧の高い外側から気圧の低い中心方向に向かって強い風が吹きこんでいます。

海水温が27℃を超える熱帯地方では、大量の水蒸気が上空へと立ちのぼり、エネルギーが供給され続けることで、低気圧がどんどん発達し、10分間の平均最大風速が17.2m/秒を超えると台風と呼ばれるわけです。

■ 台風は右側と左側どっちが強い?

台風は円形をしていますが、実は進行方向の右側と左側とでその強さは異なります。その理由は台風の構造にあります。

台風は地球の自転の影響を受けて、反時計回りの向きで強い風が中心部へと吹き込みます。そのため、台風の右側では、台風自身の風の力に加えて、進行方向に向かって吹く風の力がプラスされ、より強い風が吹くことになります。

したがって、台風の進行方向の右側にあたる場合には、いっそうの注意が必要になってくるのです。

また、風は渦状に吹き込んでいますので、台風の右側(東側や南側)にあたる地域では、東風から始まり南風→西風へと変化します。一方、左側(西側や北側)にあたる地域では、東風から始まり北風→西風へと変化していくことになることから、風の動きによって台風のおおよその位置をとらえることもできます。

■ 想像を絶する木星の台風

1934年の「室戸台風」、1945年の「枕崎台風」、そして1959年の「伊勢湾台風」。これが、日本における昭和以降の3大台風と呼ばれており、甚大な被害も出ています。

このように、地球上の台風も脅威ではありますが、通常1~2週間程度も経てば消滅してしまいます。しかし驚くべきことに、地球以外の惑星を見てみると何百年も消えない台風というのも存在します。

その代表例が、木星にある「大赤斑(だいせきはん)」です。大赤斑を地球から眺めると、まるで木星の目玉のように見えますが、その正体は巨大な台風のようなもので、発生してから少なくとも300年は経過していると考えられています。

その大きさはかつて、一番長いところで幅40,000km(地球3個分以上)もありました。でも、ここ数十年の間に急激に勢力を弱めて縮小を続けており、現在では16,000km程度まで小さくなっています。
まぁ、それでも地球1個がすっぽりと飲み込まれてしまうほどのスケールですけどね…。

■ まとめ

このように地球の外に目を向けてみると、そこには木星の大赤斑のような、私たちの想像を絶するレベルの台風がきっとたくさん存在していることでしょう。

それと比べればはるかに小さいはずの地球の台風でさえ、その圧倒的な規模と破壊力で、日本に上陸するたびに毎回大きな被害をもたらしています。家や道路が簡単に流されていく映像を見ると、自然災害の脅威と、それを前にしたときの人間の無力さというのを感じずにはいられませんね。

(文/TERA)

●著者プロフィール
小さい頃から自然科学に関心があり、それが高じて科学館の展示の解説員を務めた経験も持つ。現在は、天文に関するアプリケーションの作成や、科学系を中心としたコラムを執筆している。

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