ベーキングソーダで、みかんの皮がむけるって本当?「簡単にできる」
掃除や消臭に便利な重曹(じゅうそう)。薄めてうがい薬にしたり入浴剤にも使え、「ベーキングソーダ」の名で料理用に使われるほどポピュラーな薬品には、不思議な性質があるのをご存じだろうか。
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重曹に酸を混ぜたり、熱いところに振りかけると大量の二酸化炭素を放ち、消火器の役目を果たす。お湯に混ぜるとアルカリ性になり、みかんのうす皮を溶かすほどのパワーを発揮するので、家庭でも缶みかんのような「皮なし」みかんを簡単に作れるのだ。
重曹で火を消す
重曹(NaHCO3)の正式名称は炭酸水素ナトリウムで、ナトリウム、水素、炭素、酸素から成り立っている。当て字で重炭酸曹達(そうだ)と記されていたのが、短縮されて「重曹」と呼ばれるようになった。弱アルカリ性のため油汚れを落とす洗剤として使われ、酸や熱を加えると二酸化炭素を発生するため、料理用の「ふくらし粉」としても古くから使われている。
どちらも中身は同じだが、
・重曹 … 家庭用/清掃用
・ベーキングソーダ … 料理用
の名で販売されるのが一般的だ。
料理用にはベーキングパウダーも存在するが、ソーダとの違いはなにか? どちらもケーキなどを膨らませるのに用いられるが、
・ベーキングソーダ = 重曹
・ベーキングパウダー = 重曹+酸
で、多くの二酸化炭素を発生させるために、パウダーには酸が加えられているのが違いだ。
この性質を利用して作られたのは、なんと「消火器」だった。1900年代の消火器には、重曹とビン入りの酸が納められ、火事が起きると転倒させるかハンドル操作でビンを割る。すると酸と重曹を混ざり、二酸化炭素が吹き出されて火を消すのだ。
「お酢」と混ぜても同じ効果が得られるので、どちらも台所に常備しておくと良いだろう。
重曹を火に直接かけるだけでも消火作用がある。270℃ほどに加熱されると、
・炭酸ナトリウム
・二酸化炭素
・水
に分解され、火を消すための要素が揃う。炭酸ナトリウムは入浴剤にも用いられるほど毒性の弱い成分なので、重曹は安全な消火剤と呼べるのだ。
みかんの「うす皮」がきれいに溶ける
重曹はデザート作りにも役立つ。みかんの「うす皮」を溶かし、缶みかんのような裸の状態にできるのだ。用意するのは、
・なべ
・水(500ml)
・重曹(5ml・小さじ1)
で、なべを火にかけて重曹を溶かした水をふっ騰させる。その後、皮をむいたみかんを入れてゆでるだけだ。みかんは房(ふさ)に分けても良いし、丸ごとでも構わない。白い筋はなるべく取り除いておいたほうが、仕上がりがきれいになる。
工場では塩酸と水酸化ナトリウムを使って溶かすようだが、取り扱いも難しいし、家庭では手に入りにくい。対して重曹なら、多少しみ込んでも害にはならないので、子どもでも安全に扱うことができる。夏の自由研究を兼ねて、デザートを作ってみるのも一興だろう。
まとめ
・ベーキングソーダは重曹、ベーキングパウダーは重曹+酸
・重曹に酸を加えると、二酸化炭素を発生させる
・加熱すると水も発生させるので、消火器に利用できる
・アルカリ性なので、みかんの「うす皮」を溶かすことができる
房に分かれていない、丸ごと「缶みかん」を作ったらおもしろそうだ。
実験のあとは、もちろんおいしく食べられるので、科学嫌いの子どもにチャレンジしてもらいたい。
(関口 寿/ガリレオワークス)
※この記事は2014年08月16日に公開されたものです