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地域によってこんなに違う! ちょっと変わった「お盆の風習」・3選

日本の代表的な行事の1つであるお盆。「お盆休みは実家に帰ってのんびり」という方も多いのではないでしょうか。でも、いざお盆休みをとろうとしたら、他の人と時期が違っていて「あれ?」と思ったことがある人はいませんか? どうやら、お盆の時期や習慣は地域によって異なるよう。同じ日本なのになぜ? 今回はそんなお盆にまつわる豆知識を紹介します!

■  お盆の時期は地域によって違う!?

全国的なお盆休みといえば8月というイメージが定着していますが、元々お盆の中心となる日は、旧暦の7月15日でした。ところが、明治時代に暦が旧暦から新暦に移行したため、日本には3つのお盆の時期が存在するようになったのです。

◎  7月盆(7月15日頃が中心)

主な地域:東京、横浜、東北など

旧暦から新暦に切り替わった後、もともとは旧暦の「7月15日」に行っていたお盆を、新暦「7月15日」に変更。それ以来、新暦に合わせてお盆を過ごすようになりました。

◎  8月盆(8月15日頃が中心)

主な地域:北海道・新潟・長野 関東南部・関西地方など

全国で最も多いのが8月盆。8月の方が旧暦のお盆の時期に近いため8月盆にした地域もあれば、新暦の7月だと農家の繁栄期にあたるため8月にずらした地域もあるようです。

◎旧盆(旧暦の7月15日頃が中心)

主な地域:関東北部 中国 四国 九州 南西諸島 など

新暦に変わった後も、旧暦に合わせてお盆を行っている地域もあります。そのため、新暦となった今ではお盆の時期が毎年異なります。なんと、9月にお盆をする年もあるそうですよ。

■  地域によってこんなに違う! お盆の過ごし方

先祖を迎えて供養するというのが一般的なお盆の認識ですが、供養の仕方は日本全国同じというわけではなさそうです。今回は地方にまつわる、ちょっと変わったお盆の風習を紹介します!

◎  お盆は花火で賑やかに! 〜長崎県〜

長崎県のお盆の風物詩は、お供え物などを載せた精霊舟を海に流して先祖をあの世へと送る「精霊流し」。各家庭の精霊船が波止場までの道を練り歩き、それを花火や爆竹でお見送りをするのが習わしだそうです。その時市内は耳栓が必要になるほど騒がしくなります。ちなみに長崎県では、なんとお盆の日に、墓の前で花火(!?)をする風習もあるのだとか。こんなに賑やかに見送られたら先祖の魂も楽しい気分であの世へ帰れそうですね。

 ◎  ちょっと変わった盆踊り〜広島県〜

瀬戸内海に浮かぶ広島の離島、大崎上島のとある町ではお盆の日にちょっと変わった盆踊りをするそうです。新盆を迎えた人の遺影を背負って踊るのがその土地の習わしで、遺影は遺族の方々が順番に背負います。お盆は本来、死者を供養する行事。家族の遺影と一緒に踊る盆踊りは、まさに「供養のための祭り」という感じがしますね。

◎お盆の日に食べる餅〜山梨県〜

 皆さんはお盆の日に食べるものといえば、何を想像しますか? 岡山県では「安倍川餅」を食べる風習があるそうです。安倍川餅は元々、静岡発祥の菓子。静岡では焼いた餅を柔らかくして砂糖入りのきなこをまぶしたものを安倍川餅と言いますが、山梨では四角いお餅にきなこと糖蜜をかけたものを安倍川餅と言うそうです。お供え物ひとつをとっても地域によって色々と差があるようです。

◎  ろうそくの炎で供養〜岩手県〜

岩手県北部の地域では家族が亡くなってから3年間、お盆の日は49本のロウソクに火を灯します。ロウソクは横に並べるのではなく49本を3段、4段に分けて立てる台があるらしく、火を灯している間は親戚や近所の人たちが拝みに来るそうです。皆で集まってロウソクの灯りを囲んだら、自然と故人の思い出話に花が咲きそうです。 

 ◎  あの世で使うお金を用意〜沖縄県〜

旧暦に合わせて行われる沖縄のお盆は、先祖をあの世へと送る3日目の晩に、あの世のお金と言われている「ウチカビ」を燃やすのが特徴。黄土色で本物のお札よりやや大きめのうちかびは、燃やせば燃やすほど先祖があの世で使える額が増えるそうです。働かなくとも子孫たちがお金を送ってくれるなんて、ちょっとうらやましいですね。 

地方に伝わるお盆の風習は様々ですが、先祖を供養するという目的は同じ。お盆は実家でゴロゴロ過ごすのが醍醐味! なんて人もいるかもしれませんが、たまには亡くなったご先祖様に思いを馳せてみるのもいいかもしれません。

(松原麻依/清談社)

※この記事は2014年08月11日に公開されたものです

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