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歴史上の天才の暗黒面のお話「ニュートン:錬金術師」

天才と呼ばれる人には、その輝かしい業績とは裏腹な、とても人間くさい一面があるようです。今回は天才の知られざる面のお話で、アルベルト・アインシュタインとアイザック・ニュートンについて、日本最強のデバンカー・皆神龍太郎先生に伺いました。

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アインシュタインの長女はどこへ消えた!?

皆神先生 20世紀を代表する天才といえば、誰もが最初に「アルベルト・アインシュタイン」を挙げるのではないでしょうか。世紀の天才で一種の聖人のようにも思われていますよね。

――「特殊相対性理論」「一般相対性理論」は有名ですね。

皆神先生 最初の奥さん、ミレーバ・マリッチさんとの間に、長女、長男、次男をもうけたとされています。実はこのうち結婚前に生まれた長女がどこへ行ったのか分からないのです。

――どういうことですか?

皆神先生 アインシュタインとミレーバさんとの手紙のやりとりが残っているのですが、その中に「長女が生まれた」といった文面があるのに、その娘さんがどうなったのか消息不明なのです。

――長男、次男は分かっているのですか?

皆神先生 はい。アインシュタインはミレーバさんと1903年に結婚し、1904年に長男ハンスが、1910年に次男エデュアルド生まれています。しかし、1902年には長女が生まれているはずなのです。

長男は学者になりましたが、アインシュタインとはとても仲が悪かったそうです。また、アインシュタインとは全く違う分野に進みました。専門は土木工学です。次男はお気の毒ですが、後に精神を病んで若くして死亡しました。

――長女は行方不明ですか?

皆神先生 そうなんですよ。上記の書簡でしか存在が分かりません。その年に死亡したのではないか、あるいはどこかに養女に出されたのではないか、といった推測がなされていますが真実は分かりません。アインシュタインが彼女に会ったかどうかすら不明なんです。

もし養女に出されていたら、名字も変わったでしょうし、追跡調査するのは無理かもしれませんね。

――なんだか奥さんもお気の毒ですね。

皆神先生 ミレーバさんはチューリッヒ連邦工科大学の学生のときにアインシュタインと知り合っています。1919年には結局離婚してしまうのですがね。

――離婚するんですね。

皆神先生 ここでアインシュタインらしいエピソードがあるんですよ。「ノーベル賞を取るから、その賞金を手切れ金として渡すので離婚してくれ」という話をしたそうです。「ノーベル賞を絶対取る」からと自分で宣言して、それを離婚の手切れ金にしたのは、世界でただ一人、アインシュタインだけでしょう。

――しかも動機がなんだか……。

皆神先生 アインシュタインは女癖の悪い人だったという話がありまして。天才にはありがちですが、どこか傾いたところがあったのでしょうね。

ニュートンの本業は「錬金術」!?

皆神先生 次は、17-18世紀を生きた天才、アイザック・ニュートンを取り上げてみましょう。

――ニュートンといえば、リンゴが落ちるところを見て「万有引力の法則」を発見したというエピソードが有名ですよね。

皆神先生 ニュートンの大きな業績である「万有引力の法則」や微分積分法の確立は、なんと25歳までに行われています。

――すごいですねえ。

皆神先生 1687年に、古典物理学の基礎となる『プリンキピア』を、1704年には『オプティクス(光学)』を刊行しています。ただし、ニュートンが彼の生涯をかけて一生懸命やっていたのは、実は別のことだったのです。

それは「錬金術」です。

――金を変成しようとする「錬金術」ですか?

皆神先生 はい。その人が一生のうちに一番時間を費やした仕事をもって、その人の「専門」と見なすとしたら、ニュートンは間違いなく「錬金術師」です。彼が生涯、錬金術にのめり込んでいたというのは、最近の研究でやっと分かってきたことなのですが。

――なぜニュートンは錬金術にのめり込んだのでしょうか。

皆神先生 彼は「発酵」「腐敗」といった現象にも興味を持っていたようです。彼の中では、物の変化や運動の一形態として、力学などと同じような興味の対象だったのではないでしょうか。

生物の成長や発酵といった現象にも万有引力のように物体同士の相互に働く普遍的な力、そのようなものが何かあるとしたら、それは何だろう、という興味が強く彼を後押ししたのではないかと考えられています。

もちろん化学の基礎もない時代で、原子周期表がメンデレーエフによって提唱されるのは、ニュートンから200年近くも後になってからですから、ニュートンの努力と研究はそのまま無駄になってしまうわけなのですが。

――現在の後知恵で批判するのは簡単ですが、当時はマジだったんでしょうね。

皆神先生 はい。ニュートンは大天才でしたが、やはりこういう傾いたところがあったのです。天才というのは、素晴らしい才能を与えられてこの世にやってくるわけですが、なんだか少しおかしな点もあってもそれで当然だと思ったほうがいいでしょうね。

それを偉人だから、天才だからと隠してしまうよりも、明らかにした方がその人の人間性をうかがい知れて、良いように思います。人間くさい天才の方が、より親近感がわくのではないでしょうか。大天才もしょせん、人間なんですから。

――ありがとうございました。

⇒皆神龍太郎先生の新刊『あなたの知らない都市伝説の真実:だまされるな!あのウワサの真相はこれだ!』
http://urx.nu/9ULD

(高橋モータース@dcp)

※この記事は2014年07月21日に公開されたものです

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