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雑学 海外旅行

北欧少数民族サーミ人の民族衣装がかわいすぎる!伝統的な手作りの小物もキュート

ノルウェーのナショナルデーのパレードは民族衣装で

「サーミ人」という言葉を聞いたことがありますか? サーミ人とは、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアにまたがる地域に住む少数民族です。

トナカイの放牧をしながら、これら4ヶ国の国境を越えて行き来してきた遊牧民で、この地域をサーミ人の土地を意味する「サーメランド」と呼びます。定住し、農業や漁業で生計を立てるようになったサーミ人もいます。

サーミ人の人口は5万~8万人くらいと言われていますが、現在ではそのほとんどが、会社員や公務員などとして、他のノルウェー人、スウェーデン人、フィンランド人、ロシア人と同じ生活をしています。サーミ人の言語はサーミ語ですが、このサーミ語を母国語としているのは全サーミ人のうち3分の1程度と言われています。

ノルウェーには、約4万人のサーミ人が住んでおり、サーミ語を母国語とする人も約1万5千人います。特に、ノルウェー最北に位置するフィンマルク県では、サーミ語は公用語のひとつとして重要なポジションにあります。公共施設や道路標識などには、ノルウェー語とともにサーミ語も使われています。

■サーミ人の民族衣装 コフテ

このサーミ人の民族衣装が、とにかくかわいいんです! カラフルな色合いとふんだんに使われたフリル、アクセントになる刺繍テープと、かわいい要素がたくさんつまっています。ノルウェーでは、サーミ人の民族衣装は「コフテ」と呼ばれており、地域によってデザインが少しずつ異なります。

ノルウェーにおけるサーミ人文化の中心地ともいえるカウトケイノでは、赤と青がメインカラー。女性は、青いプリーツがたっぷり入ったワンピースで、襟元、袖口、裾は赤を基調とした刺繍テープで彩られています。

男性は、同じデザインのシャツに、トナカイの皮で作られたパンツを合わせます。男女とも、足元にはトナカイの皮や毛皮でできた靴を履き、刺繍テープで彩られた帽子や、トランプのジョーカーのような帽子をかぶります。

ノルウェー・カウトケイノのコフテ(写真:Johan Wildhagen – Visitnorway.com)

カウトケイノから少し内陸に入ったところにあるカラショークには、サーミ議会が設置されています。カラショークのコフテは、カウトケイノのものと同じく青と赤が基調になっていますが、裾や袖口が刺繍テープではなく赤一色となります。

ノルウェー・カラショークのコフテ(写真:Johan Wildhagen – Visitnorway.com)

カウトケイノやカラショークのあるフィンマルク県の南にあるトロムス県のコフテは、色合いが少しシックになり、幾何学模様が特徴的です。

ノルウェー・トロムスのコフテ(写真:Gunn Isaksen/www.nordnorge.com/Lyngen)

トナカイの皮や毛皮でできた靴は、先がとがって反り返った面白い形をしています。これは、昔、スキーのビンディングがなかった時代にスキーをひっかけるために使った名残です。

スカッラと呼ばれるサーミの靴(写真:Trym Ivar Bergsmo_www.nordnorge.com)

■サーミ人の手工芸 ドゥオジ

サーミ人は、独特の手工芸技術を持っています。これは、昔から行われているトナカイの放牧や、川や海での漁に深く根付いた伝統の技術です。その技術を駆使して作られた「ドゥオジ」は、サーミ語で手工芸品という意味。装飾品から日常雑貨まで多岐にわたって制作されています。

トナカイを材料としてつくるものとしては、毛皮や皮で作るバッグ類、角や骨で作るナイフの鞘やアクセサリーなどがあります。サーミ独特の象形文字のような記号があしらわれたドゥオジは、手作りならではの温かみがあふれています。

トナカイの角で作られたナイフの柄と鞘

カラフルな織りテープや刺繍、また編み物は、サーメランドの厳しい気候とは対照的に、カラフルな色を多用した独特な色彩が印象的です。

美しい手作りのゆりかごで眠るサーミの赤ちゃん(写真:Joern Tomter/www.nordnorge.com/Karasjok)

このようなドゥオジの技術も、時代を経るとともに継承者が少なくなってしまいました。カウトケイノにあるサーミ高校では、こういった伝統を守るために、ドゥオジコースを設けています。

■ネットで買えるドゥオジ

最近では、サーミ人の伝統的なモチーフやデザインを現代的にアレンジした作品も多く生み出されています。学校でドゥオジの技術を学んだ若者や、趣味が高じて作品を販売するようになった人たちが集まっているのが、webサイト「Muzet」です。(http://www.muzetshop.com/)

Muzetは、サーミの人たちが作った手作り品を販売するマーケットサイトです。サーミ人の伝統や技術を守りつつ、サーミ人以外の人たちにもその素晴らしさを知ってもらいたいという思いから立ち上げられました。

Muzetの、サーミ文化の保持と発展に果たす役割が期待されている

最近では、サーミ人のデザイナーやスタイリストなども全国的に有名になり、サーミの文化が注目を浴びています。あふれる色彩とぬくもりが、サーミの手工芸品の特徴です。

(文・御供理恵)

■著者プロフィール

御供理恵(みともりえ) 東京学芸大学大学院心理学講座修了。ノルウェー人の夫の転勤に伴い、オランダ、ルーマニア、韓国と引越しを重ねる。2010年からは北極圏の町、ノルウェー・アルタ在住。難民受け入れセンターでソーシャルワーカーとして働きながら、ライターとして雑誌・インターネット・テレビなどを通じ、日本に向けてノルウェーから情報発信している。

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