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長澤まさみ、「誰かががんばって変わる姿を見ると心を動かされます。それがある意味、恋心かな」

都会育ちのお気楽男子が徐々にたくましく成長していく様を描いた『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』(2014年5月10日公開)は、『ウォーターボーイズ』(01)『スウィングガールズ』(04)などの矢口史靖監督の最新作。染谷将太さんが演じる主人公・勇気は、ふと手にしたパンフレットの表紙の美女にひと目惚れして、彼女に会いたい一心で研修参加を決意しますが、新しい挑戦へのきっかけとなる美女・直紀を長澤まさみさんが演じています。

(C)2014「WOOD JOB!~神去なあなあ日常~」製作委員会

「矢口さんの作品っぽい、かわいらしくてシュールな笑いもありつつ、子どもからおばあちゃんまで、老若男女それぞれのキャラクターの個性があって。いろんな世代の人に楽しんでもらえる作品だと思います」と言う長澤さん。おしゃれにまるで興味なさそうな直紀については「昔の失恋で心に傷を負って、男っぽく振る舞うことで自分を保っているような危うさもある弱い女の人だと思うんです。正義感にあふれていて、自分にも他人にも厳しくて。ただ、人に対する厳しさの中にすごく愛情深いところがあって、女の懐の深さややさしさを象徴するようなキャラクターだと思いました」と語ります。

生まれ育った村に住む直紀は、チャランポランな年下男子・勇気に厳しく接するけれど、次第に惹かれ合っていきます。「でも、恋愛っぽい恋愛じゃない。染谷君とも『どこでお互い好きになったんだろうね?』なんて話していました(笑)。ただ、直紀自身も自分が変わるきっかけを探していたんだと思うんです。そんなとき、誰かががんばって変わっていく姿を見ると心を動かされますよね。勇気の成長していく姿に、直紀自身も新しい気持ちが芽生えていったんだろう、それがある意味、恋心なのかなと解釈しました」と長澤さん。

(C)2014「WOOD JOB!~神去なあなあ日常~」製作委員会

長澤さんは中学生になってすぐに親元を離れて上京、デビューしました。訳もわからないまま好奇心で飛び込んだ世界で居場所を見つけた点では、勇気のキャラクターとも重なるのでは?

「そうですね。私の場合はまわりに同世代で同じ夢を追いかける子がたくさんいて、勇気づけられました。新たな一歩を踏み出すときって、自分だけが悲劇のヒロインみたいな気持になりがちです。人生で初めてのことだからそう思うのは当たり前だし、それは経験として持っていい感情だと思うけど、そんなとき、私はまわりを見ることで苦しいのは自分だけじゃないことに気づけたし、その人たちの純粋な気持ちを知ることで、ずいぶん救われました」

何かに踏み出すときのきっかけは「興味本位。勇気と同じ、ちょっと不純な動機です(笑)」。近年は台湾の連続ドラマ「ショコラ」に主演、『レッドクリフ』などの巨匠、ジョン・ウー監督の最新作への出演など、海外にも活躍の場を広げています。

「台湾のドラマに出演したことでジョン・ウーさんの作品に出られることになって。ひとつのきっかけから次のチャンスをつかむことができたのは自分の中で成長だったと思います」

好奇心も強いし、自分のやりたいものは明確にあるという長澤さん。「してきた仕事がその人を作ると思うから、自分が選ぶ仕事もその点を大事にしています。映画に登場する男たちの、ひとつのことに打ち込む姿もすごく尊敬できます。自分がやりたいことのために一生懸命になっている姿って、女性から見たらかっこよくもあり、微笑ましくもあり。私はそういう人を応援したいと思っちゃうタイプなので、彼らを支えている女性たちの姿にもすごく共感しました。何事も打ち込むというか、続けるということが大事なんだと感じますね」と言います。

初めてのことに挑戦するのに戸惑いや不安はあって当然。でも、それは自分だけじゃなくてまわりも同じ思いであると気づけば、自信も持てるようになるはず。すぐに結果を求めず、じっくりと向き合うことが、新しい何かに取り組むうえでもっとも大切なのかもしれません。

●『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』
http://www.woodjob.jp/
2014年5月10日全国東宝系ロードショー

(C)2014「WOOD JOB!~神去なあなあ日常~」製作委員会

(冨永由紀)

※この記事は2014年05月09日に公開されたものです

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