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NISAって実際もうかるの?「小リスク・小リターン向け」

今年1月からスタートしたNISA。20.315%もの税金が非課税となるので、投資でもうけたい人には有り難い制度だ。

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NISAは得なことばかりなのか?利益に税金がかからないのは確かだが、投資金額に制限があり、銘柄ごとに清算するシステムであることは意外に知られていない。

少額投資非課税制度の名の通りビギナー向けで、一獲千金を目指す人には不向きなシステムだ。

メリットも制限も大

株や投資で得た利益には税金がかかり、従来は利益の10.147%、2014年からは20.315%が課税される。つまり10万円もうけても、その時点で20,315円は税金として引かれ、さらに売買の手数料がかかるので、大量の株を売買するか、大幅に値上がりしないと利益を出しにくい。

そこで登場したのが少額投資非課税制度で、略称NISA(ニーサ)と呼ばれるこの制度では文字通り非課税なため、小規模な取引でも利益を得る可能性が高い。

NISAで非課税になる要素を抜粋すると、

・対象 … 株や投資信託の利益や配当金

・投資枠 … 毎年100万円まで(最大500万円まで拡大される)

・期間 … 5年間

で、毎年100万円ずつ株を買い続けることもできるし、購入した株を5年後に売却しても非課税となる。

メリットも大きいが制限も多く、毎年100万円までの投資枠は、年ごとに区切られ、翌年に持ち越すことはできない。今年は80万円しか使わなかったので残り20万円を翌年に繰り越し、はNGなのだ。

また、購入した株を売却しても、投資枠は戻らない。例えば30万円分の株を買った場合、残りの投資枠が70万円となるのは当然だが、購入した株を売却しても投資枠は70万円のままで、100万円に回復するわけではない。

つまり「購入総額100万円までは非課税」と解釈すべきだろう。

この2点を誤解していると非課税の恩恵にはあずかれない。NISAなのに税金をひかれた!なんてトラブルが起きないよう注意しよう。

お会計は別々に

NISAは利益が出ればメリットが大きいものの、損した場合のデメリットも大きい。他の銘柄と合計して清算することも、損を翌年以降に繰り越すこともできないのだ。

複数の銘柄を購入し、

・銘柄A … 20万円の利益

・銘柄B … 30万円の損益

となった場合、従来方式では合算して「10万円の損」と計算され、20万円の利益にも課税されない。対してNISAは銘柄ごとに清算する仕組みなので、損と得の両方が発生することになる。利益が出ても非課税だから問題ないのでは?

と思うかも知れないが、

・銘柄A … (従来方式)20万円の利益

・銘柄B … (NISA)30万円の損益

のパターンでは、トータルではマイナスになっても、銘柄Aには課税される仕組みなので、手広く投資するには不向きと言えよう。

また、損益を翌年に持ち越すことができないのもNISAの弱点だ。従来方式では、損益は3年間繰り越しできるので、

・1年目 … マイナス100万円

・2年目 … プラス40万円(累計でマイナス60万円)

・3年目 … プラス40万円(累計でマイナス20万円)

・4年目 … プラス40万円(累計でプラス20万円)

の場合、2/3年目は完全に非課税、4年目も課税対象は20万円だけだ。もとより利益に課税されないNISAだけなら関係のない話だが、100万円以上の投資を考えているひとは事前に考慮すべきだろう。

まとめ

・非課税となるのは投資額100万円まで

・NISAは、銘柄ごとの精算なので、トータルで損をしたとしても利益が出た銘柄には課税される

・株を売却しても、投資枠は戻らない

・従来方式と合わせて清算できない

20%もの税金がかからないのは魅力的だが、制限も多い。そもそも最初は投資枠が100万円なので、驚異的に値上がりしない限り、NISAだけで生計を立てるのは難しい。

「少額」の名の通り、初めて投資にチャレンジするひと、小リスク/小リターンが望ましいひとならメリットを活かせるだろう。

(関口 寿/ガリレオワークス)

※この記事は2014年01月17日に公開されたものです

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