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集団が間違った判断をしやすい理由―組織の団結力が高いほどミスが大きくなりやすい

企業とは、複数の従業員が組織体を構成して同じ目的に向かって行動する集団です。そこで、組織体としての利用的なあり方を模索する企業のリーダーのために、集団思考法と行動原理について以下に紹介しましょう。

【彼が一人の時と集団の時で言動が違うのはどうして?「一人=ライバルモード」「集団=仲間モード」】

企業としての組織運営の難しさ

企業の成長のために役立つ集団行動のノウハウを記述した書籍が書店には数多く並んでおり、その中のいくつかはベストセラーとなることもよくあります。このことは、企業の管理職にとっては、組織運営がいかに難しいかを物語っているようです。

近年は、女性の管理職も多くなり、女性が女性の部下を指導する場合や、あるいは男性社員を部下に持った場合の注意点などを解説したノウハウ本もよく売れているようです。

ジャニスの「集団思考」を知ること

性別を問わず、企業のリーダーに求められるスキルは、的確な状況判断能力です。そしてそのスキルは、多様な分野の成功例と失敗例に学ぶことができます。米国の心理学者ジャニスが研究した「集団思考」では、ある集団が構造的な欠陥を抱えたまま組織行動することによって、重大なミスが発生するとされています。

そして、組織の団結力が高いほどミスが大きくなりやすく、戦争やスポーツなどの刺激が多い状況では特にこのような集団思考に陥りやすいとも指摘されています。ジャニスは、その実例として米国の軍隊組織における軍事的失敗例を挙げていますが、これはもちろん戦前日本の軍隊組織についてもあてはまります。

エリート集団だから陥る失敗

企業の経営者は、業績向上のためには、能力のあるエリート集団を組織化したがる傾向があり、そのリーダーには、よりカリスマ性の高い人物を登用することを望みます。カリスマリーダーのもとに、有能な社員たちがそれぞれの能力をフルに発揮することが、企業としての目標達成には最良の方法であるとの認識があるようです。

しかしながら、経営者や組織のリーダーは、ジャニスの集団思考を常に念頭に置いて行動し、エリート集団だからこそ陥る落とし穴に十分注意せねばならないのです。

※この記事は2013年12月04日に公開されたものです

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