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合格できそうもない大学に記念受験する人の心理「達成欲求」「失敗回避欲求」

人間の行動には、必ずなんらかの「動機」が存在します。しかしながら、ときには傍目から見ると、ある人物の行動の動機が全く理解できないという場合もあります。そのような行動をする人の心理状態がどのようなものなのかを、ご紹介いたします。

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大学を「記念受験」する高校生の心理

動機が理解できない行動パターンとしてよく実例に挙げられるのが、とても合格できそうにもない大学を「記念受験」する高校生の心理状態です。

心理学で人間の行動を分析すると、その行動様式には「達成欲求」と「失敗回避欲求」の2つのパターンがあるとされています。身の丈に合わない大学を「記念」と称して受験する高校生は、果たしてどちらの欲求が強いのでしょうか?

目的の難易度と欲求との相関関係

人間が、ある目的を達成する際には、「達成した自分」と「失敗した自分」のイメージの両者が頭に浮かびます。そして、その両者は目的の難易度と相関関係にあります。

すなわち、難易度が高ければ「やる気」を高くして達成欲求を強くする必要がありますが、同時に達成する可能性が低くなることでミスを防ごうとする「失敗回避欲求」も高くなるという構図です。
そして、難易度が低い目的では両者ともに低くなるというわけです。

目的達成のための行動様式実験

この心理的背景を表す実験では「輪投げゲーム」がよく用いられます。輪投げでは、達成意欲が強い人ほど、ターゲットの中間地点を狙い、着実に点数を重ねる努力をします。ところが、達成意欲の弱い人は、近くで点数が低いターゲットか、あるいは最も遠くて高得点のターゲットを狙います。

これは、無難に点を取るという考えと同時に、失敗した際に言い訳ができるという心理状態が働くためです。

どちらのタイプが企業の求める人材なのかは言うまでもないでしょう。企業で部下を指導する立場のリーダーは、自分の部下に備わっている「達成欲求」と「失敗回避欲求」の両者のバランスがどうなっているのかをよく見極めて指導する必要があるということが、これらの心理分析で理解できます。

※この記事は2013年12月04日に公開されたものです

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