お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

「終わりよければ、全て良し」は心理学的には正しい?「正しい:最後の印象が強く残る」

仕事でミスをしたときなどに、上司から「ミスしたあとのフォローが大事だよ」というアドバイスをもらった人は多いと思います。「終わりよければ、全て良し」という思考法が成功への大原則ともいわれています。この思考法を心理学的に分析してみましょう。

【“インスパ”から“落語”まで! 働く女子の「夜活」事情】

最後の印象が強く残る

不快な感じる出来事があっても、最後に楽しいことがあれば、その楽しさの方が優先的に記憶に残るという性質が人間にはあるといわれています。つまり、「終わりよければ全て良し」という一種のプラス思考です。日本人には、この思考法が性に合っているようで、忠臣蔵などの時代劇では、全編通じて辛酸(しんさん)を舐め耐えに耐えた主人公が、最後に悪者を格好よく退治してハッピーエンドというストーリーが好まれています。

ピーク・エンドの法則とは?

心理学では、これらの思考法を「ピーク・エンドの法則」と呼んでおり、人々が過去を振り返る際に、さまざまな出来事の「絶頂期」と「終末期」との記憶を主体に述懐するという規則性をいいます。あらゆる事象には、良い事と悪い事が混在しており、それらの全てが記憶から消えるわけではなく、ただ個人の印象が最も強く残るのが喜びの絶頂であり、ハッピーエンドの事実ということになり、決して全体の喜怒哀楽を比較して定量化することはないということです。

人間には、物事を常に良い方向に考えていくという性質が備わっており、これは仕事関連だけでなく、男女間の恋愛に関してもプラスに機能しているようです。

恋愛とピーク・エンド的思考

初恋が成就したという経験を持つ人は男女ともに少ないでしょう。つまり、どんな人でも失恋を経験しているはずなのですが、その体験をマイナスにとらえている人はあまりいないと思われます。むしろ、苦いながらも楽しい思い出として記憶し、恋愛の失敗を経験値として、次の恋愛に生かすことを考える人が大半です。

失恋をよい経験として生かすことで「終わりよければ全て良し」という状況が生まれるわけです。失恋について、いつまでもくよくよ悩んでいる人は、この「ピーク・エンドの法則」がうまく機能していないタイプだともいえるでしょう。

※この記事は2013年12月04日に公開されたものです

SHARE