【心理セラピーで悩み解決】「Q.自分のミスを許せない」⇒「A.期待に応えようとしなくていい」
東京・千石駅にあるスピリチュアルサロン「」のセラピスト、橋津和枝さんが、毎回読者のお悩みにお応えします。今回は、仕事関係に悩みを持つというKさんの悩みを聞いていただきました。
◆今回のお悩み
「仕事でミスをした自分を責め続けてしまう私」
ここ半年の間に仕事量が増え出し、忙しい日々を送っている中、お客さまにまで迷惑のかかるミスをしてしまいました。周囲の人はやさしく励ましてくれますが、自分を責め続けてしまいます。
(30代/Kさん/人材派遣)
今回お会いしたKさんは、穏やかでやさしい雰囲気の中に知性を感じさせる、30代の女性。
さて、そんなKさんですが、お話を聞くうちに、仕事でおこしてしまったミスだけではなく、プライベートでも自分がミスをしたときに「人からどう見られているのか」ということが日ごろから気になっていると言います。また、常に間ちがえてはいけない、完璧でなくてはいけないという思いがあり、人に自分のダメな部分を見せてはいないかという心配もあるようです。
なるほど……。ミスをする自分を責め続けてしまうのは、言い換えれば“ミスをする自分を人に見せたくない、ダメな部分を見せてはいけない”という風に考えてしまうんですね。ミスをすることは誰にでもあるとか、失敗は成功の母であるとは言われていても、なかなか気持ちが切り替えられないという場合、それは自分自身が気づいていない潜在的な思考が強く働いているんです。潜在的な思考とは、幼少期から積み重ねてきた考え方の“クセ”のようなものですが、このクセが無意識に働いてしまうことで、Kさんのような状態になってしまいます。
◆期待に応えなければいけない私
Kさんは、なぜそんなにミスをする自分を人に見せたくないのでしょうか? 少しずつ記憶をさかのぼってみると……小学校時代、一生懸命に勉強しているにもかかわらず、成績が上がらなかったこと、中学受験に失敗してしまったこと、そして母親とのことを話しはじめました。
このとき、特に叱られたわけではないけれど、母親ががっかりしているとKさんは感じ、「もっとがんばって期待に応えなければいけない、もっとがんばってお母さんを喜ばせたい」と強く思った、幼き“Kちゃん”が見えてきました。
Kさんはここで、「失敗をしてはいけない。人の期待に応えられる私でなければならない」という思考を持ったのですね。
ですから、仕事でのミスもKさんにとってあってはならないことであり、「ミスをする⇒期待に応えられない私⇒許せない⇒責め続ける」という図式になってしまうのでしょう。そんな自分に気づいたKさんの瞳からは、涙があふれ出します。ミスをしないようにがんばること、ミスをした自分を責めることを止められないまま、ずっと苦しんできたKさんでした。
◆私らしくあること
そこでKさんのお悩みを解決するため「失敗してはいけない、人の期待に応えなければいけない」という思考をもう少し掘り下げてみます。Kさんが「期待に応えなければいけない」という思考を持ったのは、母親をがっかりさせたくない、喜ばせたいという思いからでした。
そこで、私はKさんに「Kさんが母親の期待に応えられなかったと感じたときに、いつもお母様はがっかりしていましたか? 認めてくれたときはなかったですか?」と問いかけました。
するとKさんは、「決まりかけていた結婚を破談にしたとき、結婚しなかった自分を母親は心から認めてくれた」というできごとを思い出しました。「あなたが決めたのだからそれでよかったと思う」と言ってくれたそう。Kさんは、このことを思い出してから「母親はいつもよい子の私を期待していたわけではない」と考えられるようになってきました。そして、「もう私は人の期待に応える生き方じゃなく、私らしくいればいい」という思考がめばえました。今後は「ミスをする自分を責めなくて大丈夫」という考え方にシフトしていくことでしょう。
◆今回のまとめ
幼少期の自分が作り出した思考というのは、よくも悪くもとても深く根づいています。ですが、心の奥深くに潜んでいるため、自分ではなかなか気づくことができないのです。今回のKさんは、なぜミスをする自分を許せずに責め続けてしまうのか? その思考の根に気づき、ありのままの自分の姿を見せてもいいと思えるようになりました。今後、ミスをすること、失敗することを恐れなくなったKさんの可能性は大きく広がり、Kさん本来の能力や魅力が輝き出すことでしょう。
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(橋津和枝/Orange Room)
※この記事は2013年10月31日に公開されたものです