価格差2.4倍以上! 今話題の「九条ねぎ」と「白ねぎ」を食べ比べてみた
今メディアを騒がしている阪急阪神ホテルズの問題。「芝海老料理」には「バナメイ海老」、「九条ねぎのロティ」には「青ねぎ、白ねぎ」などが使用されていたとか。前回は「レッドキャビア」と代用された「トビコ(=トビウオの卵)」の食べ比べをしてみましたが、今回は「九条ねぎ」と最も一般的な「白ねぎ」を食べ比べてみたいと思います! さて「白ねぎ」で「九条ねぎ」の高級感は出せるでしょうか!?
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まず食材についてのおさらいです。「九条ねぎ」とは伝統的な京野菜のひとつで、主に関西中心で愛される青ねぎの一種です。古くから京都市の九条地区周辺が産地であったことから、その名がつきました。一方「白ねぎ」は、普通「根深ねぎ」をさします。関西が青ねぎ中心であることに比して、関東では「ねぎ」といえば白ねぎとなります。成長に合わせて盛り土をし、陽光を遮断して栽培するので白い部分が多くなります。
果たして九条ねぎの味は白ねぎでも再現できるのか……、早速食べ比べてみましょう!
一見して違う見た目がカットすると……
まず外見ですが…全然違いますね。上が九条ねぎで、下が白ねぎです。太さや色、全体的なフォルムも一目瞭然の違いです。
しかし、ここでクイズです! 次の写真を見てください。どちらが九条ねぎで、どちらが白ねぎなのか、わかりますか? 結構難しいですよね。
正解は上が白ねぎで、下が九条ねぎです。実は似ている部分をカットすると、意外にもこれだけ似ていることがわかります。面白いですね! 白ねぎの他に普通の青ねぎを混同して使用すれば、見た目はかなり近い感じで九条ねぎを再現可能かもしれませんね。
価格差は約2.4倍以上
九条ねぎは私が在住する関東地方では、普通スーパーマーケットに常備されることはありません。やはり都内百貨店などに出向かない限り、入手は難しいでしょう。白ねぎは欠かせない食材ですので、旬である冬以外の季節も通年どこでも手に入ります。それぞれ一束の購入価格は、九条ねぎが238円、白ねぎが99円でしたので、価格差は約2.4倍。グラムで換算するとその差はもっと広がりそうです。やはり九条ねぎは高級食材ですね。
まずは生で食べ比べてみました!
小口切りにして、生のまま食べ比べてみました。まず九条ねぎですが、繊維が軟らかくてシャキシャキ感が強く、甘みが強いです。長ねぎ特有のエグみもほとんどありません。最近、九条ねぎをたっぷりのせたラーメンを提供するお店なども見かけますが、なるほど生のままたっぷり食べても美味しいことがうなずけます。サラダにしても美味しいかも!
続いて白ねぎですが、うーん、辛い! 食べなれた私ですら、この辛さと続くエグみの強さは結構厳しいです。でも、おそばの薬味などにはこの辛さ、エグさがつゆの風味と相まって、美味しいんですよね。逆に九条ねぎをせいろそばなどの薬味にしたら、物足りない感じがしそうです。
はんなり系とトロ甘系
では料理です。「ロティ」とはオーブンで蒸し焼きした料理をさす言葉ですが、今回はフライパンに油をひかずにベーコンを敷き、加熱して脂質を溶け出させてから、ねぎを加えてふたをして蒸し焼きにしてみました。ポットロースト風ですが、ロティとほぼ同じ感じに仕上げています。味付けは軽く塩こしょうのみです(もちろん別々のフライパンで調理しています!)。
まず九条ねぎですが、うーん、美味しい~。生でも美味しかった甘い風味がさらに強まり、シャキシャキの食感も生きていて、ベーコンとの絡みも抜群です。とても上品なお味で、さすが高級な京野菜……そうそう、「はんなり」という言葉そのもののお味です!
続いて白ねぎ。おっと、これも美味しい! 生食のときの辛さ、エグさは完全に消え去り、濃厚な甘味が溶け出してきます。トロりとした舌触りもよいですねえ。まったくタイプは異なりますが、どちらも甲乙つけがたい美味でした!
まとめ
これから寒い日が増えるにつれて、長ねぎの美味しい季節がやってきます。青ねぎ、白ねぎともに品種改良が進み、九条ねぎなどの名品逸品が目白押し。日本人が愛する伝統野菜長ねぎをぜひ味わってみてください。
(西益屋ハイジ/サイドランチ)
※この記事は2013年10月28日に公開されたものです