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人間力を高めるには、「シェイクスピア」を読むのが近道なワケ

「できるリーダーはなぜ『リア王』にはまるのか」~100冊のビジネス書よりシェイクスピア~ 青春出版社

●人間力を高めるためになぜ「シェイクスピア」か?
ビジネス成功の秘訣は、西洋・東洋、過去・現代を問わず“人間力”が鍵になる。これは誰も疑わないところ。シェイクスピア作品はいずれも、“人間”を深く理解するために有効。リーダーシップ、人を動かすコツ、決断のタイミングなど、さまざま。これらはビジネス成功、あるいは人生を豊かにするコツ。

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●ビジネス成功者だったシェイクスピア
ウィリアム・シェイクスピア(1564-1616)は、ロンドンからほど近いストラットフォード・アポン・エイヴォンに生まれました。父は皮手袋や羊毛を扱っていた商人で成功していましたが、当時のカトリックへの締め付けなどにより家計が苦しくなりました。

そうしたことからシェイクスピアはグラマー・スクールを中退してロンドンで職探しに。そこで出会ったのが劇団でした。馬の世話から役者、そして徐々に戯曲の作家として有名になります。最後は劇団の共同オーナーになって、稼いだ金でストラットフォード・アポン・エイヴォンの土地の多くを持つようになり、演劇界を引退しました。彼は温厚な人であったとのことです。

●シェイクスピアは劇作家・詩人として英国を代表する存在
彼は劇作家として37作品を残し、詩人としても高く評価されました。英国を代表する文化人でした。誰もが知る作品として、『ハムレット』、『リア王』、『ジュリアス・シーザー』、『真夏の夜の夢』、『ヴェニスの商人』などがあります。レパートリーも広く、歴史劇、喜劇、悲劇、ロマンス劇といったジャンルの作品を残しました。

●人を知るにはシェイクスピア悲劇、喜劇が最高
シェイクスピアが書いた戯曲はすべて日本語に翻訳されています。その中で、筆者が特にお薦めするのは悲劇と喜劇です。シェイクスピア悲劇の最高峰といえば『リア王』と『ハムレット』。この二つの作品には、人間の悩み、苦しみといったことがドラマチックに描かれています。

『リア王』には、娘たちとの人間関係に悩み苦しむ父親の姿、そして自分の感情をコントロールできずに運命が変わってしまう様などがダイナミックに描かれています。『ハムレット』には、自分の使命を悟り、残りの人生を父王の復讐にささげながらも、決断と逡巡を繰り返す苦しさが主人公ハムレットを通じて描かれています。

喜劇の代表作といえば『ヴェニスの商人』。当時のヴェニスの住人とヴェニスで歓迎されていないユダヤ人との葛藤を描いています。ユダヤ人の金貸しシャイロックはシェイクスピアが本格的に創造した人物として有名で、人肉裁判や箱選びといった要素がヒッチコックばりの、スリルとサスペンスを醸し出します。この作品の中でシェイクスピアは、異なる立場の人たちが争いながら、同じ社会で暮らしていく難しさを描いています。

詳しくは以下、拙著【「できるリーダーはなぜ『リア王』にはまるのか」~100冊のビジネス書よりシェイクスピア~ 青春出版社 第1章】に詳しく書きました。まずはビジネスパーソンのシェイクスピア入門書としてお読みいただければ幸いです。

(文:深山敏郎/(株)ミヤマコンサルティンググループ/コミュニケーションズ・スペシャリスト)

著者プロフィール
著書:【「できるリーダーはなぜ『リア王』にはまるのか」~100冊のビジネス書よりシェイクスピア~ 青春出版社】。コミュニケーション改善の請負人として、高級ホテル、外食チェーン、外車ディーラー、IT企業など、20年で延べ4万人あまりを直接指導。http://www.miyamacg.com/ お問合せ先:info@miyamacg.com

※この記事は2013年10月15日に公開されたものです

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