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『ジュリアス・シーザー』のリーダーシップ「ブルータス、お前もか。ならばシーザーは死ぬ」

●ジュリアス・シーザーのリーダーシップ
シェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』は世界中の教科書にアントニアスのセリフが引用されるなど有名。シェイクスピアの書いた戯曲をより深く味わうには、コツがあった。

【他人と親しくしたい「親和欲求」が高い人はリーダーに向いている?向いてない?】

●『ジュリアス・シーザー』の原典となった、プルタークの『英雄伝』
シェイクスピアが『ジュリアス・シーザー』を書く際にもっとも参考にしたと言われているのは、プルタークの『英雄伝』という伝記で、「ブルータス、お前もか。ならばシーザーは死ぬ」といったセリフもこの中から引用したと言われています。

シェイクスピアが描くシーザー像は、非常に人間的で、欠点も多く描かれています。しかし、プルタークの『英雄伝』によると、シーザーは若い頃から多くの苦難を乗り越えて、ローマの再興を考え、ビジョンを構築し、その道半ばで倒れるのです。

シーザーは、自らの身体が弱かったにもかかわらず、植民地において軍務や政務に精力的でした。数々の成功は、ローマに多くの利益をもたらしたのです。

●シーザーのビジョンは、次の世代に引き継がれた
ジュリアス・シーザーは、自分の子供のようにかわいがっていたブルータスや、その一派によって暗殺されてしまいます。彼の遺言には、養子であり、後継者に指名したオクタヴィアス・シーザーに宛てた熱い思いが込められていました。シーザーは、ローマの共和制が制度疲労しており、国家再建のためには法秩序を再構築する必要があると思っていました。

オクタヴィアス・シーザーは、ジュリアス・シーザーの暗殺後、アントニアスとともに、シーザーを暗殺した首謀者であるブルータス=キャシアス軍を打ち破ります。その後、若いオクタヴィアス・シーザーは10年以上の年月をかけて、また、命を賭けてこの制度改革をしていきます。彼は後に、初代ローマ皇帝アウグストゥスと呼ばれるようになります。このように、ジュリアス・シーザーのヴィジョンは、めいの息子で養子のオクタヴィアス・シーザーに引き継がれるのです。

詳しくは以下、拙著【「できるリーダーはなぜ『リア王』にはまるのか」~100冊のビジネス書よりシェイクスピア~ 青春出版社 第1章】に詳しく書きました。もしお読みいただければ光栄です。

(文:深山敏郎/(株)ミヤマコンサルティンググループ/コミュニケーションズ・スペシャリスト)

著者プロフィール
著書:【「できるリーダーはなぜ『リア王』にはまるのか」~100冊のビジネス書よりシェイクスピア~ 青春出版社】。コミュニケーション改善の請負人として、高級ホテル、外食チェーン、外車ディーラー、IT企業など、20年で延べ4万人あまりを直接指導。http://www.miyamacg.com/ お問合せ先:info@miyamacg.com

※この記事は2013年10月15日に公開されたものです

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