罰則が死刑しかない罪も!法律の面白い話
法律に記載されている条文は難しいものばかり、というわけではありません。わりに生活に近しいもの、業務に関したもの、「えっ、こんな法律があるの!」と驚かされるものなど、読んでみるとけっこう面白いものです。そんな、法律に関する面白い話を集めてみました。
【弁護士がジャッジ「ネットで店批判をすると罪になる?」】
罰則は死刑のみ!
罰則規定が「死刑」しかない法律があります。それは刑法の第81条に規定されている「外患誘致罪」です。条文はこうなっています。
[外患誘致]
外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する。
有罪になってしまうと死刑が確定なのです。
客を宿泊させる義務! ただし……
旅館業法というのがありまして、これはホテルなどの旅館業を営む業者が守るべき法律なのですが、その中の第5条に面白い規定があります。
第5条(宿泊させる義務)
営業者は、左の各号の一に該当する場合を除いては、宿泊を拒んではならない。
第1号
宿泊しようとする者が伝染病の疾病にかかっていると明らかに認められるとき。
第2号
宿泊しようとする者がとばく、その他の違法行為又は風紀を乱す行為をする虞(おそれ)があると認められるとき。
第3号
宿泊施設に余裕がないときその他都道府県が条例で定める事由があるとき。
基本的に「泊めてくださーい」とやってきたお客さんを拒んではいけないわけですが、上記の1、2、3号に当てはまる場合にはその限りではない、と。
第2号の「その他の違法行為又は風紀を乱す行為をする虞(おそれ)があると認められるとき」が微妙だなと思いませんか? 例えばデリバリーな風俗産業はどうなるのでしょうか? デリヘルなどを呼びそうな客は断れるのでしょうか?
もし断れるとしても、フロントで「お客様はデリヘルを利用されますか?」とは聞けないですよね。
これも軽犯罪なの!?
軽犯罪法は、「軽微な秩序違反行為に対して拘留や科料の形」を定めたものです。割と身近な犯罪に関して定められているのですが、第1条には、「以下に該当する者は、これを拘留又は科料に処する」として、その対象となる者を34号にわたって規定しているのですが……。
第1条
第4号
生計の途がないのに、働く能力がありながら職業に就く意思を有せず、且つ、一定の住居を持たない者で諸方をうろついた者
第1条第4号に上記のような文が! 寅さんとかは気を付けないといけないかもしれません。住居が実家になっていれば大丈夫なのかもしれませんが。
また第16条には以下のような文が……。
第16条
虚構の犯罪又は災害の事実を公務員に申し出た者
これもいけないのです。
また23号には……。
第23号
正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者
「のぞきはいけません!」ということなのですが、法律で規定しようとするとこういう文になるのですね。
いかがだったでしょうか。法律の条文を読んでみると意外な面白さが見つかったりしますよ。
(高橋モータース@dcp)
※この記事は2013年09月11日に公開されたものです