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渡辺・渡邉・渡邊はどれが正解? 間違いやすい人名表記のマナー

ワタナベさん(渡辺・渡邉・渡邊)やサイトウさん(斉藤・齊藤・齋藤)など、同じ名前でも人によって表記が異なる場合があります。

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ビジネスメールではどのように表記すればよいのでしょうか? また、電話などで名前を聞いた場合、表記がわからないときにはカタカナ表記がいいといわれますが、それは本当に正しいのでしょうか。

そこで、ビジネスメールマナー講師の原美保子先生に、人名表記について相談してみました。

●パソコンで変換してすぐに出てくるものを使う

――サイトウさんのように、漢字の種類が異なる場合があります。その場合は、どの表記を使えばよいのでしょうか?

「年賀状や手紙など宛名を手書きする場合は、いただいている名刺の漢字を使ってください。メールの場合は、相手がメールの署名で使っているものに順ずる形でよいでしょう」

――高橋さん(→髙橋)、山崎さん(→山﨑)のような機種依存文字だと、文字化けが怖いのですが、その場合はどうしたらよいですか?

「パソコンで変換をして、最初に出てくる簡単なもの、つまり、『髙橋』さんでしたら『高橋』さんでいかがでしょうか? 珍しい苗字の方は、過去に文字化けの経験をされていることも多いので、意外に慣れているものです。

とはいえ、文字化けはやはり気持ちよいものではないですよね。一般的に使われている漢字を使用するのが無難です。そして、気になるようでしたら、『文字化けしても失礼かと思い、一般的な漢字を使用させていただきました』とひと言添えるとよいと思います」

●迷ったら、ひと言添えることでカバー

――相手のお名前の漢字がわからないときは、カタカナ表記でもよいのでしょうか?

「大丈夫です。そして、その場合も、ひと言『お名前の漢字がわからないので、カタカナ表記にて失礼いたしました』と添えればよいでしょう」

――ひと言を添えれば、安心ですよね。

「はい。私がメールマナーの研修で必ず伝えることがあります。それは、『メールは万能ではない』『メールに依存しすぎない』『メールに時間をかけない』ということです。

そもそも、メールは正式な文書ではないことがほとんどですから、表記にこだわりすぎて悩むよりも、一行添えるなど『別の解決方法』を考えて早く先に進みましょう。

メールは、便利なコミュニケーションツールですが、頼りすぎないこと。そして、メールで何でも解決できると思わないことです」

――そう考えると、名前表記も気にしすぎる必要はないということになりますね。

「そうなんです。メールそのものには生産性がないので、ビジネスにおいてはメールに時間をかけすぎないことも大切だと考えています。ひと言添えるだけなら、時間もかかりません。コミュニケーションの達人は、そんなにメールにはこだわらないものだと思いますよ。ただし、ビジネスパーソンとしてのマナーと気遣いはお忘れなく」

●当事者も、実は面倒がっている?

ちなみに、実際に、いくつも漢字表記がある方はどう考えているのでしょうか。

渡邉さんに聞いたところ、「自分でも面倒なので、公的な書類以外は簡単なほう(渡辺)を使っています。どちらで書かれても何とも思いませんが、『渡邊』と書かれると、ちょっと嫌です」とのこと。

一方、山﨑さんは、「名刺にも、山崎と書いているので、私が山﨑だとは知らない方がほとんどだと思います。相手に気を使われるのも嫌ですし、自分もラクなほうがよいです」とのことでした。

相手の大切なお名前だけに、失礼な漢字表記はしたくないもの。念のためのひと言を添えるように心がけたいと思いました。原先生、渡邉さん、山﨑さん、どうもありがとうございました。

取材協力:メールマナー講師 原美保子先生
ブログ「めざせ!恥をかかないビジネスメール」 http://ameblo.jp/hara-mihoko/
有限会社コボリ http://www.covori.com/

(文・OFFICE-SANGA 臼村さおり)

※この記事は2013年08月11日に公開されたものです

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