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パック飲料の素朴な疑問「濃縮還元や成分無調整って?」「炭酸のパック飲料はある?」

果汁飲料の紙パックに表示されている「濃縮還元」や牛乳の「成分無調整」って一体どういうことなのでしょうか? 今回は、紙パック飲料について、素朴な疑問たちを解決します!

どこかで自慢できるかもしれない飲料のアレコレ

果汁飲料の「濃縮還元果汁」って何?

リンゴジュースやオレンジジュースなどの紙パック飲料のパッケージに表示されている、「濃縮還元果汁」という文字。この濃縮還元果汁とは、

・絞った果汁を加熱・冷凍・ろ過して水分を飛ばして濃縮・殺菌し、加工する際に水を加えて元の濃度に戻した果汁のことです。一度濃縮して元の濃度に還元するから「濃縮還元」ですね。この濃縮還元は、遠方から果汁を輸送する際のコストの削減やスペースの節約を図るために非常に有効なため、多くの飲料で使われています。

ちなみに、濃縮還元果汁の反対は「ストレート果汁」です。これは絞った果汁を濃縮せず、そのまま殺菌したものです。殺菌しているので本当の意味でのストレートかは微妙ですが(笑)。ストレートと濃縮還元では味わいが違うこともあるので、どちらがいいかというより、好みの問題かもしれません。

牛乳の「成分無調整」って何?

牛乳パックに表示されている「成分無調整」というのは、そのまま「製造過程で成分を調整していない牛乳」のことです。日本乳業協会のホームページによると、この表示は法的に決められたものではなく、メーカーが牛乳の特徴を示す言葉として、自主的につけているものなんだそうです。また、一般的に市販されている牛乳は基本的にどれも「成分無調整」なのだとか。

また、牛乳から一部の水分や乳脂肪分、ミネラルを除いたものを「成分調整牛乳」といいます。この成分調整牛乳のうち、乳脂肪分が1.5%以下のものが低脂肪牛乳です。低脂肪牛乳は乳脂肪分の数値によってさらに二つに別れています。まず、乳脂肪分が0.5%以上1.5%以下のものが「種類別低脂肪牛乳」、0.5%未満のものを「種類別無脂肪牛乳」と呼びます。いわゆるローファットミルクというものですね。

炭酸のパック飲料がないのはなぜ?

コンビニなどに行くと、非常に数多くの種類が並んでいるパック飲料ですが、炭酸飲料がないのは皆さんお気付きでしょうか? 炭酸飲料は人気ですし、パック飲料でもあればいいのにと思う人もいるかもしれませんが、紙パックの炭酸飲料というのは実は作るのが非常に難しいものなのです。

なぜ難しいのかというと、ずばり「炭酸の圧力に耐えられない」からなんです。炭酸飲料を小さな容器に詰めると、容器の内部にものすごい圧力(内圧)がかかります。これに紙パックが耐えられません。仮に製造段階でうまくパックできても、輸送時のちょっとした衝撃で圧力がかかると紙パックが変形する可能性があります。

もし内圧に耐えることのできる紙パックができれば、紙パックの炭酸飲料も登場するかもしれませんが、コストなどを考えると無理に作るものではないようですね。

牛乳パックの開け口にある「へこみ」って何なの?

牛乳パックの開け口に「U字型」のへこみが付いているのを見たことがありませんか? これは「切り欠き」といって、目の不自由な人でも触っただけで牛乳だと分かるような目印です。

この「切り欠き」は「ユニバーサルデザイン」といって、

1.どんな人でも公平に使えること
2.使う上で自由度が高いこと
3.使い方が簡単で、すぐに分かること
4.必要な情報がすぐに分かること
5.うっかりミスが危険につながらないこと
6.身体への負担がかかりづらいこと(弱い力でも使えること)
7.接近や利用するための十分な大きさと空間を確保すること

といった七つの原則に基づいてデザインされています。牛乳パックだけでなく、交通機関のIC乗車カードなどにも取り入れられています。

パック飲料を愛飲していても、どういうものか知らないという人が意外と多いと思います。知らない、という人にぜひひけらかしてみてください(笑)。

(貫井康徳@dcp)

※この記事は2013年07月09日に公開されたものです

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