婦人科での検診のうち、年齢に応じて各自治体から無料クーポンが配られている子宮頸がん、乳がんのがん検診でも、検診受診率は3~4割。主な欧米諸国と比較しても、日本女性の検診受診率の低さが目立ちます。
また、婦人科でできる検診にはがん検診だけでなく、卵巣や子宮の状態を確認するための様々な検査があります。万が一の病気や、将来に備えてカラダの状態などを確認できる婦人科検診は、女性のライフステージを考える上で欠かせない一方、「婦人科に行くことに抵抗がある」「かかりつけの婦人科がない」といった女性の声が多く、検診の受診率も低いのが現状です(マイナビウーマン読者への婦人科に関する調査より)。婦人科検診を受けたことのない方もある方も、今回ここで一般的な婦人科検診の流れをシミュレーションし、検診にまつわる不安や疑問を解決しちゃいましょう!
※マイナビウーマン調べ(2013年11月にWebアンケート。有効回答数300件)
聖順会 ジュノ・ヴェスタクリニック八田 院長。日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医、日本マタニティフィットネス協会認定インストラクター。思春期保健相談から一般不妊治療、妊婦健診、更年期相談、ホルモン治療など女性の一生にわたる広い領域の診療を行っている。
婦人科というと、妊娠判定やカラダに不調や異常があった時にかかる場所というイメージを持っている女性が多いのですが、本来は「病気がないかをチェックする場所」=婦人科でもあります。そのため、医師としては婦人科検診や月経痛の相談などから、もっと気軽に婦人科を受診してもらいたいと思っています。
仕事や日常生活に支障が出るほどの月経痛がある方は月経困難症であるケースも多く、放っておいたら実は子宮内膜症を患っていた……という可能性も。婦人科検診によって子宮内膜症などの診断もできますし、将来に備えて定期的に婦人科を受診することが、女性にとっての大きな安心につながります。
※医療用語では「生理」を「月経」と言います。ここでは「生理」と「月経」の二つの言葉を使っていますが、どちらも同じ意味で採用しています。
女性のカラダをトータルに診察し、ケアしてくれるのが婦人科です。「婦人科検診ってどんなことをするの?」「痛いのはイヤ……」など、不安のある初めての方もご心配なく!安心して検診を受けられるように、ここで一緒に一般的な婦人科検診をシミュレーションしてみましょう!
婦人科が見つかったら、電話などで検診の内容や費用を確認して予約をします。
検診前や当日は、以下のことをチェックしてみましょう。
受付で検診の流れを確認し、問診票に記入した後、医師の問診があります。
問診票や問診では、生理周期、生理の日数、最終生理日、初経年齢、性体験の有無、妊娠や出産歴、アレルギーの有無、服用中の薬の有無、自覚症状の有無などについて聞かれることが多いでしょう。
内診では、内診台に座り、手袋をつけた医師が腟内に指を入れて子宮の向きや位置、動き、圧迫による痛み、癒着の有無などを調べます。腹部にしこりがないかなども手で触って確かめます。なるべく力まずにリラックスしましょう。
※性交渉の経験のない方は、肛門からの診察も可能です。希望や状況を医師にしっかり伝えましょう。
また、カラダの状態や症状に応じて検査を組み合わせるなど、総合的に調べていきます。
※病院・医院によって実施可能な検診・検査が異なります。受診先の病院・医院に相談してみましょう。
検査終了後は、検査の結果を聞きに行く(受け取る)日の確認や、次回の予約などをして帰りましょう。
年1回程度の定期的な婦人科検診は、女性のライフプランや将来を考える上でとても大切です。検診をきっかけに信頼できるかかりつけ医を見つけ、定期的に婦人科に通うようになるとさらに安心できるでしょう。問診を丁寧に行ってくれるか、疑問や不安に的確に答えてくれるか、気軽に相談に乗ってくれるかなど、自分と相性の良い医師が見つかるまでは、いくつかの婦人科を訪ねてみても良いと思います。
また、気になる症状がある方は、「いつから」「どんな症状があるか」などをメモにまとめておき、医師との問診時にしっかりと伝えるようにしましょう。「伝えたいことが言えなかった」「言うのを忘れた……」といったことも防げますし、どんな小さな不安や疑問も伝えてもらうことで、医師もより正確な診療を行いやすくなります。
提供:持田製薬株式会社