一軒家を数人でシェアしたい！ これって大家さんはOKしてくれるの？
友達数人で一つの物件に住みたい場合、シェアハウスとして募集している物件なら入居はOKですよね。では、シェアハウスとして募集していない一軒家や広めのマンション物件を数人でシェアしたいと思った場合、不動産業者や大家さんはOKしてくれるんでしょうか？ 不動産業者に聞いてみました。
OKかNGかは大家さん次第だが……
――シェアハウスとして募集が行われていない物件に、数人でシェアしたいと申し出た場合、業者や大家さんはOKしてくれるのでしょうか？
シェアハウスとして入居者を募集していない物件だと、基本的には「NG」です。許可されることはまずないでしょう。
――それはなぜでしょうか？
まず「お金」の面で敬遠されます。入居者全員で家賃をシェアするわけですが、入居者のうちの一人でも家賃が払えなくなるとそこで滞ってしまいますよね。例えば4人で住む場合は、そういった家賃の支払いに関するリスクが単純に4倍になるわけですよ。住居者のうちの誰かが肩代わりするなど方法はありますけど、まずそういった事態になるのを避けたいですからね。
――それなら最初から入居させない……と。
そうです。それにシェアを希望する段階で、入居者の収入面を信用しない業者や大家さんもいます。それなりに収入に余裕があるなら、多くの人は普通に部屋を借りますから。
――なるほど。では、主に金銭面が問題となってNGとなるのですね。
そこが一番大きいと思います。シェアハウスの「家賃のトラブル」は多いですからね。それを知っているだけに、わざわざリスクを背負う必要はありません。ほかにも、深夜の騒音や劣化が早まるといった問題、また入居者の全体像がつかみにくいといったことも挙げられます。
――入居者の全体像とは？
例えば、父親・母親・子供1人の一般的な3人家族の場合、行動の予測といいますか、どのように物件が使用されるのか把握しやすいですし、どんなふうに劣化するのかも分かりやすいです。しかし、若い男性が複数人入居する場合、予測しづらい部分があります。勝手に同居していたり入居者が知らない間に増えていたりすることもありますから。
――入居者全員の身上書などを大家さんに提出するなどすればもしかしたらOKが出るかもしれませんか？
そこまでするなら普通にシェアハウスとして出ている物件を借りた方がいいですよ(笑)。
どうすればOKがもらえるのか？
――基本的にはまずOKされることのない一般物件のシェアですが、少しでもOKしてもらう可能性を上げるにはどうすればいいですか？
大手の不動産業者が仲介している場合はまずOKが出ないでしょう。街の不動産業者や直接大家さんに交渉に行けるような物件だと、もしかしたらOKが出るかもしれません。
――本丸を攻めるわけですね。交渉する際はどんなことに気を付けるといいですか？
そうですね。実際にOKをもらった例ですが、一軒家を4人でシェアする際、リーダーとなる人が支払いや生活のルールを決めて、それをまとめたものを大家さんに提出して交渉をしました。その後、入居者全員であいさつに行き、許可がもらえたそうです。
――ようするに「誠意」を見せたわけですね。
そこの大家さんが非常に寛容であったのもありましたけどね。ここまでしても断られることももちろんあります。ですので、先ほどもいいましたけど、そこまでするなら最初からシェアハウスを借りればいいと思いますけどね。
よっぽど気に入った物件でない限りは、最初からシェアハウスとして募集している物件を借りるのがいいようですね。「どうしてもこの物件でシェア生活がしたい！」という場合は、少しでも大家さんに気に入ってもらえるよう誠意を持って交渉するようにしましょう。
(貫井康徳＠dcp)
