セクハラ、妊娠、そして……。不倫相手との山あり谷ありの関係の行く末は?
恋愛はときに、人を惑わせるもの。そして、オトナの恋愛はときに、大きなトラブルに発展してしまうことも……。電話恋愛相談サービス「ANSWERS」のカウンセラーに、本当にあったオトナの恋愛トラブルを教えてもらいました。「もし自分が巻き込まれたときにどうすれば?」――プロ直伝のアドバイスも紹介します。
相談者2:33歳独身女性・ゆりさん(仮名)
今回は、山あり谷ありでも困難を乗り越えて頑張って行こうと決意した矢先、急に不倫相手に裏切られた女性のご相談です。
相談者は、33歳独身女性のゆりさん。会社の上司(59歳)との不倫関係は7年で、始まりから印象があまり良くないものでした。
遅くまで残業していたゆりさんに声をかけてきた上司は、あろうことか急におしりを触ってきたそう……(普通にセクハラ)。嫌な顔をしたり怒ったりして社内で噂になることで、この上司から嫌がらせをされることが怖く、笑って誤魔化していたところ、どんどんエスカレートして体の関係を持ってしまったとのこと。
正直、嫌悪感を感じる始まり方ですが、お付き合いを続けるうちにゆりさんも彼に恋愛感情を抱くようになり、いつしか仲良く過ごすようになったそうです。
さらに驚くことに、二人の関係が始まった当時はその彼の奥さんが別部署で働いており、奥さんは先輩としてゆりさんを可愛がっていたとのこと。奥さんも働く同じ職場で二人は秘密の恋を進行させていたということになります。
3年前に奥さんが退職したことで開放感を感じたのか、上司はますますゆりさんに熱を上げ、ほぼほぼ毎日のようにゆりさんの家に入り浸るようになったそうです。とは言っても、ずっと不倫関係でいたいとは思っていないゆりさんは、彼に離婚の意思なども聞いており、それに対して彼はいつも「離婚はほぼ決まっているようなもの。ただ少し時間がかかっているだけ。もう少しだから待っていて欲しい」と言っていたそうです。
ゆりさんの側で彼は奥さんへの不満ばかり。
「もう年老いていておばあさんにしか見えない」
「自宅で口を利くのも嫌」
「家でも顔を合わせない動線で動いてる」
「顔も見たくない。ただの同居人」
「家政婦だと思って割り切ってる」
ゆりさんはこの言葉を信じ、準備が整えば離婚するのも時間の問題だろうと思っていたそうです。
そんな中、ゆりさんの妊娠が発覚。ゆりさんはご自身の年齢も考慮し、産むのであればこのタイミングだと判断し、シングルマザーになることも覚悟で母親になることを決意。万が一別れることになったとしても構わないと意を決して彼にも報告。
彼の反応は「とても喜んでいた」とのこと。そこからは、より具体的に離婚に向けた計画や、子育てを考えて引っ越し先のことなども話し合っていたそうです。ゆりさんは、過去に自分を可愛がってくれていた奥さんへの罪悪感もあったそうですが、許して貰おうとも考えておらず恨まれても憎まれても致し方ない。それも覚悟で彼と一緒に乗り越えていこうと決心していたそうでした。
彼も子どものおもちゃや洋服などを早々に用意し、心から楽しみにしている様子も窺えたそうです。できれば奥さんにこの事実は知られることなくあくまでも夫婦間の問題として離婚は進めていくと言っていた彼でしたが、ゆりさんとのメッセージのやり取りの消し忘れから奥さんに不倫関係が発覚。ゆりさんは奥さんに呼び出されたそうです。
ゆりさんは彼と一緒に奥さんに謝罪し、「一緒になりたい」ことを伝えようと奥さんの呼び出しに応じ、彼の自宅を訪問することに。奥さんから連絡があり、訪問するまでの日数はわずか3日。この3日間は彼とは一切連絡がつかなかったそうですが、彼の言葉を信じ、疑うことなく訪問したそうですが……。
当日、ゆりさんは彼と奥さんが並ぶ正面に座らされ、奥さんから不倫関係についての問いに対して、既婚者であると知っていながら交際していた事実を認め、彼と一緒になりたいと伝えたそうです。その後、彼も同調してくれると思っていたものの、まったく意図していなかった言葉が……。
彼の言い分は「自分は家族が大事であり、ゆりさんとは遊びだった」「別れを告げるタイミングが見つからず、ズルズルと関係を続けていた」「子どもに関しても自分の子どもではない可能性もあり、認知するつもりもない」という驚きの発言。さらに奥さんからも、自分たち夫婦関係は良好で二人で一緒にデートに出掛けることも多い。老後どうしていくかなど具体的な計画もあり、離婚することは絶対にないと断言されたそうです。
話し合い中、彼はゆりさんの目を一度も見ることはなく、奥さんの発言に同意だと言わんばかりに頷いており、裏切られる結果となってしまったそうです。
カウンセラーのアドバイス
最初にご相談を受けた時のゆりさんはパニック状態で、何より落ち着かせることが優先でした。そして、彼の発言の中で「本心だったこと」「その場しのぎの発言の可能性があること」を整理し、ゆりさんに少しずつ事実を受け止めてもらう作業を行いました。
それ以降、彼とは一切連絡が取れず、彼もいきなり仕事を全て在宅にしてしまい会ってもいないそうです。ゆりさんの意向を尊重するスタンスでお子さんのこともどうするか相談しましたが、産みたいというお気持ちは変わらないとのことで、現在出産に備えてメンタルケア・フォローを定期的に行っている状況です。ゆりさんは近々会社も辞めるそうで、実家でのサポートを受けるとのこと。
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いきなり目の前で裏切られてしまったショックはまだまだ癒えそうにはありません。今後は母親としての強さを身につけながら、気丈に過ごして欲しいと思います。
(文:水沢翔子)