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「いってこい」の意味とは? 使い方と例文も紹介

にほんご倶楽部

「A社の商談はうまくいったけどB社はダメだったからいってこいだな」……こんなセリフを聞いたことはありますか? このように、ビジネスで使われる「いってこい」にはどのような意味があるのでしょうか。解説します。

「いってこい」は、金融業界や経理をはじめ、さまざまなビジネスシーンで使われます。とはいえ、特に若い世代にとってはあまりなじみがない言葉かもしれません。

そこで本記事では「いってこい」の意味や使い方、類語を紹介します。

「いってこい」の意味

「いってこい」と聞くと、「『行く』の命令形かな?」と思う人はいるかもしれません。しかし、実は「いってこい」には次のような意味があります。

いって‐こい【行って来い/▽往って来い】
1 博打 (ばくち) や相場取引などで、損得を繰り返して、結局、差引勘定に変わりがないこと。「最終レースが当たったから―だ」
2 歌舞伎の演出で、ある場面から別の場面に替わり、またもとの場面に戻ること。普通は回り舞台によって行う。
3 相撲で、いなすこと。
(『デジタル大辞泉』小学館)

ビジネスにおける「いってこい」の意味は、1の「損得を繰り返して、結局、差引勘定に変わりがないこと」。つまり「プラスマイナスゼロ」ということです。

「いってこい」の使い方(例文つき)

ビジネスにおける「いってこい」は、収支がプラスマイナスゼロになるような場面で使えます。下記の例文を参考に、使い方を押さえましょう。

・「A社から新規受注を取れたが、B社の商談が破談になったから、結局いってこいだ」

・「期末は目標+αで着地する見込みだったが、目標を上乗せされたのでいってこいで終わりそうだ」

・「今期は売り上げが20%増加する見込みだが、期初の予定より経費がかさんでいる。最終的な収益はいってこいになりそうだ」

「いってこい」の類語

「いってこい」は、そこまでメジャーとはいえないフレーズです。「いってこい」と同じニュアンスでより伝わりやすい類語も知っておくと便利でしょう。例えば、以下のような言葉が挙げられます。

(1)「トントン」

「いってこい」の類語として、「トントン」が挙げられます。「トントン」の意味は、2つのものがほとんど同じであるさまです。

「トントン」はビジネスシーンだけではなく日常会話でもよく使われ、「収支はトントンになりそうだ」「2人の力量はトントンだ」などと表現できます。

(2)「プラマイゼロ」

「プラマイゼロ」とは、「プラスマイナスゼロ」を短縮した言葉です。

「今月の売上着地は前月と比べてプラマイゼロだったよ」は、「今月の売上着地は増えたり減ったりして前月と同じになった」ということを指します。

(3)「相殺」

「相殺」も「いってこい」の類語の1つです。「相殺」には「差し引いて損得がゼロになること」という意味があります。

正式なビジネスの場や取引先とのメールなどでは、「いってこい」や「プラマイゼロ」よりも「相殺」を用いる方が良いでしょう。

「いってこい」は「損得がゼロになること」を表す言葉

「いってこい」は、「損得がゼロになること」「チャラになること」を意味する言葉。金融業界や経理をはじめとしてビジネスシーンで使われることがあるため、意味を知っておくと戸惑わずに済むはずです。

とはいえ、人によっては「いってこい」の意味を知らない場合もあります。そのような時は「プラマイゼロ」「トントン」「相殺」などの類語に言い換えましょう。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

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