お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

夜に口笛を吹いてはいけないって本当? 理由や言い伝えを解説

LIB_zine

「夜に口笛を吹くと蛇が出る」なんて言われたことはありませんか? 実は日本には、「夜に口笛を吹いてはいけない」という言い伝えがあるのです。この記事では、夜に口笛を吹いてはいけないといわれる理由を解説します。

「夜に口笛を拭いてはいけない」という言い伝えを聞いたことがあるでしょうか。日本では夜に口笛を吹くことがタブー視されていて、「蛇が出る」や「人さらいが来る」などといわれてきました。

しかし、なぜ夜に口笛を吹いてはいけないといわれるようになったのか、その理由を詳しく知っている方は少ないかもしれません。

この記事では、夜に口笛を吹いてはいけない理由や、吹くと一体何が起こるのかについて、詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてください。

夜に口笛を吹いてはいけない理由とは

そもそもなぜ「夜に口笛を吹いてはいけない」といわれてきたのでしょうか? それは、口笛には霊的なパワーがあり、夜間に吹くと悪い霊を引き寄せてしまうと考えられていたからです。

古来より、笛や琴などの楽器の音には、神聖な神や精霊を呼ぶ力があると考えられてきました。そのため、今でも神社の神事では、たいていこれらの楽器が奏でられます。口笛も笛や琴に似た音色が出るため、神聖なものを呼び寄せる力があるといわれるのです。

しかし、夜間は神聖な存在が活動をやめ、代わりに鬼や悪霊などの邪悪な存在が動き始めると信じられていました。その結果、夜に口笛を吹くと悪い霊を引き寄せてしまうと考えられていたのです。

そのため、子どもたちが夜に口笛を吹くことをやめさせるべく、「口笛を吹くと悪いことが起こる」などと、大人が口をすっぱくして言い聞かせていたわけですね。

夜に口笛を吹くと何が起こる?

夜に口笛を吹いてしまうと、悪い霊を引き寄せてしまいます。そのことを表すため、昔の人は「夜に口笛を吹くと○○が起こる」と、さまざまな表現で警告をしてきました。

ここでは、特に代表的な6つの言い伝えを紹介していきます。

(1)蛇が出る

「夜に口笛を吹くと蛇が出る」というのは、全国的にも特に有名な言い伝えです。このように言われる由来には大きく2つの説が存在します。

1つ目は、蛇が笛の音色に誘われて動き出すとされていたから。インドの蛇使いが笛を使って大蛇を操るように、口笛に誘われて蛇がやってくるとイメージされていたようです。

2つ目が、「邪」が「蛇」と取り違えられるようになったから。邪悪なものを指して「邪(じゃ)が出る」と言い伝えていたものが、いつの間にか「蛇(じゃ)が出る」と誤って伝わったという説です。

(2)泥棒が来る

「夜に口笛を吹くと泥棒が出る」というのも、多くの地域で知られる言い伝えです。一説によると、昔は電話などの通信手段がなかったため、泥棒たちが口笛を使って情報をやりとりしていたといわれています。

そのため、夜に口笛を吹いてしまうと、「この家は狙い目だ」といった合図だと誤認され、泥棒が家に侵入してしまうと考えられていました。

(3)人さらいが来る

「夜に口笛を吹くと人さらいが来る」も、よく聞かれる言い伝えです。この場合も理由は泥棒と同じで、昔の人さらいは口笛を頼りに情報交換をしていたとされています。

実際、ドイツの昔話にある「ハーメルンの笛吹き男」でも、街にいる子どもたちを笛の音でさらっていってしまうので、真実味のある警告として多用されていたようです。

(4)親が死ぬ

一部の地域では、「夜に口笛を吹くと親が死ぬ」と子どもに言って聞かせるところもあるようです。

先述のように、夜に吹く口笛は悪霊など悪いものを呼び寄せてしまいます。その結果、家に不幸が訪れると考えられ、その象徴として「親が死ぬ」という言い方がされていたようです。

「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」という言い伝えもあるので、親に関する不幸を警告することは、特に効果が高かったのかもしれません。

(5)ミミズが口を舐める

少し変わったものでは、「夜に口笛を吹くとミミズが口を舐める」という言い伝えもあります。ミミズが苦手な人にとっては、想像もしたくない構図ですね。

この説の明確な由来は不明ですが、おそらく蛇とミミズの形状が似ていることから派生したものと考えられます。

蛇がめったに出ない地域では、かえってミミズを引き合いに出す方が、現実味のある警告として高い効果があったのでしょう。

(6)嵐が起こる

口笛は神聖な神や精霊を呼び出す力があるため、海で漁師が口笛を吹くと、よい風が吹いてきたり、嵐が巻き起こったりするという俗説があります。これが一部地域で形を変え、「夜に口笛を吹くと嵐が起こる」という言い伝えになっているようです。

いずれの言い伝えにも共通しているのは、「口笛を吹くと何かよくないことが起こる」といいうもの。この「よくないこと」が家庭や地域で異なっていたために、このようにいろいろな言い方で現代まで伝えられてきたのだと考えられます。

夜に吹く口笛に注意!

口笛には神聖なものから邪悪なものまで、人ならざる何かを呼び出してしまう力があると信じられてきました。そのため、悪い霊などがひしめく夜間に口笛を吹かないよう、「蛇が出る」や「人さらいが来る」などと、さまざまな言い伝えでタブー視されてきたのです。

これらを迷信だと言い切ってしまうのは簡単ですが、長く言い伝えられてきたからには、化学で解明できないスピリチュアルな意味が込められている可能性もあります。

夜に口笛を吹くことで、目に見えない邪悪なものを呼び寄せてしまうかもしれないので、くれぐれもご注意を。

(LIB_zine)

※画像はイメージです

SHARE