「妥協」の意味とは? 由来や使い方も解説(例文つき)
「妥協することも必要だ」など、「妥協」という言葉を見聞きする機会は多いもの。しかし言葉の意味を説明するとなると、困ってしまう人もいるのでは? この記事では、「妥協」の意味や由来、使い方を解説します。併せて類義語も紹介するので参考にしてください。
「妥協」という言葉は、日常生活のさまざまなシーンで使われます。
しかし、意味をしっかり理解できていない人もいるかもしれません。また、使い方や言い換え表現に迷う場面もあるでしょう。
そこでこの記事では、「妥協」の意味や由来、使い方を例文つきで解説します。また、類義語も紹介するので参考にしてください。
「妥協」の意味や由来とは?
まずは「妥協」という言葉の意味と由来を確認しましょう。
意味は「対立した際に譲り合って解決すること」
「妥協」という言葉は、辞書によると以下のような意味を持ちます。
だ‐きょう〔‐ケフ〕【妥協】
[名](スル)対立した事柄について、双方が譲り合って一致点を見いだし、おだやかに解決すること。「―の余地がない」「安易に―する」「―案」
(『デジタル大辞泉』小学館)
つまり妥協とは、「異なる意見や欲求などが対立した時に、両方が譲り合えるポイントを見つけて解決すること」を指す言葉です。
由来は「穏やかに調子を合わせる」
「妥協」の「妥」という漢字には、以下のような意味があります。
だ【妥】
[常用漢字] [音]ダ(慣)おだやかに落ち着く。事がおさまる。「妥協・妥結・妥当」
[名のり]やす
(『大辞泉』小学館)
また、「協」という感じには以下の意味があります。
きょう【協】
[音]キョウ(ケフ)(漢)[学習漢字]4年
1 力を合わせる。「協会・協賛・協同・協力」
2 調子を合わせる。「協調/妥協・不協和音」
3 相談する。話し合って物事をまとめる。「協議・協商・協定・協約」
[名のり]かな・かのう・やす
(『大辞泉』小学館)
これらの2つが合わさって、「穏やかに調子を合わせて事を収める」という意味の「妥協」という言葉になったと考えられます。
「妥協」の使い方(例文つき)
妥協の意味を確認したところで、今度は使い方の例を見ていきましょう。
(1)自分の理想通りではない物を買う時
完全に理想通りの物が見つからず、代わりにある程度希望を満たせる物を買う時に、「妥協」が使えます。
例文
・「ソファ選びを妥協してしまって後悔している」
・「本当は最新型のスマートフォンが欲しかったが、入荷まで時間がかかると言われたので妥協して旧型のものを買った」
(2)対立する意見に折り合いをつける時
相手と意見が対立した時、折り合いをつけるためにお互いが納得できるラインを提示して歩み寄る場面でも、「妥協」が使えます。
例文
・「なかなか商談がまとまらず、最後は妥協する形でなんとか合意した」
(3)必要に迫られて不本意な方法を受け入れる時
本当は避けたい気持ちがありつつ、必要に迫られて不本意な方法を受け入れる時にも「妥協」が使えます。
例文
・「早く仕事を終わらせるには、この妥協策を受け入れるしかない」
「妥協」の類義語(例文つき)
ここからは、「妥協」の類義語を、例文と共に紹介します。
(1)「譲歩(じょうほ)」
「譲歩」は、「自分の意見や主張を押し通さずに、相手の考えを優先させること」という意味の言葉です。
「妥協」は双方が歩み寄ることを表すのに対し、「譲歩」は自分が相手の意向に従うことを意味します。
例文
・「今回の商談を成立させるには、取引先に譲歩するしか方法がなかった」
(2)「歩み寄る」
「歩み寄る」には、「物理的に歩いて近づく」という意味もありますが、「意見が異なる時に譲り合って妥協点を探す」という意味もあります。
例文
・「価値観が違う2人が一緒になるのだから、結婚生活には歩み寄りが必要だ」
(3)「折り合いをつける」
「折り合いをつける」という言葉は、「ある事柄について対立している両者が譲り合って解決する」という意味を持ちます。
例文
・「難しい交渉だったが、なんとか折り合いをつけて合意に至った」
「妥協」とは「譲り合って解決すること」
妥協とは、「意見などが対立した際に、お互いが譲り合って解決すること」という意味です。
自分がこだわりを持っていることについて妥協すると後悔する場合もありますが、人とうまく付き合っていくには妥協が必要な場面もあります。
「歩み寄る」という類義語があるように、妥協して意見をすり合わせることは、人との心理的な距離を縮めることにもつながるのかもしれません。
(#にほんご倶楽部)
関連する診断をチェック!
※画像はイメージです