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メラビアンの法則とは。第一印象を操作する心理テクニック

広瀬絵美

メラビアンの法則とは、ビジネスや恋愛などの場面で第一印象を良くするのに効果的な心理テクニックです。今回は、臨床心理士の広瀬絵美さんに、メラビアンの法則の具体例や活用方法を解説してもらいます。

心理学を使うと、仕事や恋愛のレベルがぐっと上がることがあります。というのも、仕事も恋愛も結局のところ、人と人とのコミュニケーションで成り立っているからです。

特に、「メラビアンの法則」は、初対面の相手に与える第一印象を大きく操作するものです。

今回は、メラビアンの法則とは何か、どのように活用するべきかを解説します。この法則を理解して、あなたの魅力をレベルUPさせましょう!

「メラビアンの法則」とは?

 

まずは、「メラビアンの法則」について分かりやすく解説していきます。

「メラビアンの法則」ってどういう意味?

「メラビアンの法則」とは、感情や態度に関する研究を行っていたアメリカの心理学者、アルバート・メラビアンが提唱したもの。

メラビアンの研究により、相手の印象を決める要素として、言葉よりも、表情や態度の方が重要視されることが分かりました。

今日では、その研究結果が「メラビアンの法則」と呼ばれ、ビジネスシーンやコミュニケーションセミナーで使われるようになったのです。

第一印象を決定づける3Vの法則(7-38-55ルール)

例えば、怒ったような顔や声で「素晴らしいね」と褒めるというように、言葉と態度に矛盾があった場合、表情・声色・言葉のうち、どの情報が最も参考にされるかを計測しました。

その結果、「言葉を7%、声色を38%、表情を55%」参考にしていることが分かり、人間は言葉よりも相手の表情や態度を重視すると結論づけたのです。

この法則は、言語(Vocal)・聴覚(Voice)、視覚(Visual)の頭文字から「3Vの法則」と呼ばれるようになりました。

情報 情報がもたらす影響
言語情報(言葉、会話の内容) 7%
聴覚情報(声のトーンや大きさ) 38%
視覚情報(表情や視線、しぐさ) 55%

先ほどのメラビアンの実験によれば、怒っている顔や声の人と会話をしている時、どんなプラスなことを言われてもマイナスの印象として受け取られるということが分かります。

ここでのポイントは、「相手の本心が分からない状況」であるということ。つまり、初対面や、それに近い状況など、相手の本心を読みにくい状況だと、3Vの法則が働きやすくなります。

メラビアンの法則の使い方と具体例

メラビアンの法則の具体例は、現代の私たちの生活の中にも存在しています。身近な事例と共に、メラビアンの法則をどのように活用すべきかを見ていきましょう。

メラビアンの法則の具体例【ビジネス編】

まずは、ビジネスシーンでのメラビアンの法則の使い方と、具体例をご紹介します。

商談

明るい表情ではっきりと「本当におすすめです」と言う

商談で重要なシチュエーションは、契約を決断してもらう時ですよね。商談相手との関係性がまだできていない時(=本心が分からない状況、まさにメラビアンの法則の発動条件です)、視覚情報と聴覚情報は非常に重要になってきます。

この場合、「本当におすすめです」という言語情報は7%しか伝わらないのに対して、「明るい表情で、はっきりと」という非言語情報は、93%も相手の印象に残ります。

逆に言うと、緊張して汗だく、か細い声では「本当におすすめです」と言われても、自信なさげな印象だけが先行してしまうのです。

商談を成功させるには、明るい表情やハキハキとした話し方がとても重要になってきます。たとえ緊張してうまく話せなくても、明るく振る舞うことで相手の信頼を獲得しやすくなりますよ。

面接

「職種未経験ですが、御社に貢献する自信があります」と、笑顔でアピールする

面接官とあなたが初対面の場合、ここでも非言語情報がとても重要になってきます。

面接という緊張する場面で、「職種未経験」だと不安になってしまうこともありますよね。ですがそんな時こそ、自分の内面をアピールして自信ありげに振る舞うことが大切。

不安に感じている点を伝える時に、自信なさげな態度を取ると、よりネガティブな印象が相手に残りやすくなります。

面接官に好印象を与えるためにも、面接では、普段以上に声の大きさやトーン、姿勢、服装などに留意しましょう。

接客

お客様の目を見て、笑顔で「いらっしゃいませ」と言う

銀行の受付や飲食店など、初対面の人と日常的にやり取りをする方にとって、表情や態度といった非言語情報はとても重要です。

例に挙げた「いらっしゃいませ」という言葉。忙しいとつい流れ作業のように済ませてしまいがち。

ですが、お客様に「気持ちの良い接客だな」と思わせるためには、表情や声色を意識することが大切。

つまり、何か作業をしていてもいったん手を止めて、お客様に笑顔で目を合わせるとより好印象になりますよ。

メラビアンの法則の具体例【恋愛編】

続いて、恋愛で使えるメラビアンの法則の具体例を解説します。気になる人に好印象を与えるためにも、ぜひこの法則を活用してみてくださいね。

デート

笑顔で「想像よりさらにお美しいですね」と言う

最近はマッチングアプリでマッチし、初回デートで初対面……というシチュエーションを経験する方もたくさんいますよね。

まさにここでは「中身<外身」が物を言います。「どんな人なんだろう」という不安が大きい状況で、視覚情報・聴覚情報を軽視するのはNG。

「お美しいですね」「すてきですね」といった褒め言葉こそ、恥ずかしがらずに相手の目を見て伝えてあげましょう。

逆に言うと、目を合わせようともせずに棒読みで伝えると、どんなすてきな褒め言葉もマイナスとして受け取られてしまう可能性があります。

告白

真剣な表情で「付き合ってください」と告白する

女性は告白への返事を考える際、男性がどれだけ真剣に自分と付き合いたいと思っているのか、本気度を重視します。

冗談を言っているような声のトーンや、緊張感のない表情で告白されると、本気度が低いと解釈されてしまう可能性があるでしょう。

告白の成功率を上げるためにも、恥ずかしがらずに相手の目をきちんと見て、真剣に伝えることが大切です。

メラビアンの法則がもたらすメリット

メラビアンの法則は、うまく使えばビジネスや恋愛をより有利に進めることにつながります。

この法則がどのようなメリットをもたらすのか、見ていきましょう。

(1)第一印象をUPさせられる

メラビアンの法則は、特に初対面で効果を発揮しやすいことがご理解いただけたと思います。

つまりこの法則を意識すれば、ある程度第一印象を操作することが可能。例えば面接が成功するか自信がなくても、「自信ありげな声や態度」を意識することで、面接官に好印象を与えられるのです。

自分を魅力的な人に見せるために、視覚や聴覚から与える情報を意識してみてください。

(2)コミュニケーションが円滑になる

「口下手なので、相手に嫌われるのでは……」と悩む方も多いですが、実は何を話すかよりも、どう話すかの方が重要です。

この点について意識すると、言いたいことをうまく伝えられなかったとしても、笑顔や明るい声色を意識すれば、円滑なコミュニケーションを取ることができます。

(3)相手の本心が分かりやすくなる

メラビアンの法則は、自分が相手に与える印象だけに使えるものではありません。相手の表情や態度から、逆に相手の本心を探る時にも役立ちます。

言葉とは裏腹な気持ちを理解することで、相手をより深く理解することにつながるでしょう。

メラビアンの法則の間違った活用法

メラビアンの法則は、どんな状況でも通じる魔法の法則ではありません。あくまでも、出会って間もない「この人の本音、分からないなあ」という状況で有効なのだと理解しておきましょう。

お互いをよく理解してくると、見た目よりも中身が重視されるようになります。スウェット姿で寝ぐせがついた恋人も、あなたにとっては変わらず魅力的なのではないでしょうか?

お互いによく知った相手に対しては「外身」だけで好印象を与えることは難しくなってくるのです。

つまり、見た目だけにこだわるのではなく、仕事でも恋愛でも、結局は言葉で正確に説明し、納得感や安心感を得てもらうことが必要不可欠だということです。

人は見た目が9割! だけど、その効果は一時的

メラビアンの法則は非常に効果的です。髪型やメイクを変えたり、ダイエットに成功したりすると一気にモテるようになった! など、非言語情報は人の心理に大きな影響を与えます。

しかし、それだけでずっと愛されるのは至難の業。時間が経った時に飽きられないよう、中身の充実が欠かせません。

初対面で相手に与えた良い印象を壊さないように、努力をやめないことが大切ですよ。

(広瀬絵美)

※画像はイメージです

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