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愛想笑いをする心理って? メリット・デメリットや疲れた時の対処法

高見綾(心理カウンセラー)

愛想笑いとは、「人の機嫌を取るための笑い」という意味。人間関係の潤滑油にもなり得ますが、愛想笑いしかできない人は「疲れた」と感じることもありますよね。心理カウンセラーの高見綾さんに、愛想笑いをする心理や疲れた時の対処法を教えてもらいました。

仕事でもプライベートでも、愛想笑いをすることってありますよね。

周りに気を使い過ぎて疲れてしまったという人もいるのではないでしょうか?

今回は、愛想笑いをする心理やそのメリット・デメリットについて解説します。

愛想笑いに疲れてしまった時のために、どうしたら愛想笑いをせずにいられるのか、心構えのコツについてもお伝えします。

「愛想笑い」ってどういうもの?

まずは、「愛想笑い」とはどういう意味なのか、言葉の意味も含めて改めて確認しましょう。

愛想笑い
人の機嫌を取るための笑い。おせじわらい。
(『デジタル大辞泉』小学館)

つまり「愛想笑い」とは、自分が楽しいか楽しくないかに関わらず、相手の気分を悪くさせないために作る笑顔のことです。

愛想笑いをすると、自分を感じ良く見せることができますし、相手を気遣うことで関係性を良くすることができますので、コミュニケーションの一環として愛想笑いをする人は多いです。

特に仕事上では、必要とされる場面もたくさんあるはずです。

愛想笑いをする心理

なぜ愛想笑いをしてしまうのでしょうか?

ここでは、愛想笑いをする心理を解説します。

(1)円満な空気を保つため

周りに気を使うタイプの人は、波風立てず穏便に済ませたいという気持ちが強いです。

そのため、「周りが笑っているから、自分も一緒に笑ってみる」など、場の空気を円満に保つために愛想笑いをします。

そこには、「みんなに合わせて笑っておけば、場が和むから無難だ」という気持ちが隠れています。

(2)反応の仕方に困るから

なんと言って反応したら良いか分からない時に、とっさに出る無難な反応が愛想笑いであることもあります。

例えば、興味のない会話が続いている時に、「ははは」と笑っておけば、やり過ごすことができます。

会話の流れを止めずにいられる点もメリットとして大きいです。そうしておけば、相手を傷付けずに済みますよね。

(3)悪く思われたくないから

特に、人目を気にするタイプの人は、「嫌われたくない」と思うあまり愛想笑いをします。

たとえ会話が面白くなかったとしても、余計な口を挟んで相手の気分を害したくないと思うので、黙ってニコニコ笑顔を作ります。

相手が仕事上の関係者の場合、悪印象を持たれてしまうと業務に支障が出てしまうので、普段そこまで人目を気にしないタイプであっても、円滑な関係性を作るために愛想笑いをする人は多いのではないでしょうか。

(4)好意や良い評価を得たいから

少しでも良い評価を得たくて、愛想笑いをすることもあります。

ニコニコと笑顔でいることで印象が良くなることを知っているので、あわよくば好意を抱いてほしいという気持ちがあります。

人の評価を気にするタイプの人は、こうした心理で愛想笑いをすることが多いです。

(5)相手に気持ち良く話してもらいたいから

「うんうん、それで?」と適度に相づちを打ちながら、自然な愛想笑いで話を聞ける人がいます。

これは、「気持ち良く話をしてもらい、喜んでほしい」という心理からきています。相手のことを思いやった優しい理由ですね。

愛想笑いすることのメリット

次に、愛想笑いすることで得られるメリットを紹介します。

(1)周りに与える印象が良くなる

愛想の良い人は、圧倒的に印象が良くなります。

愛想笑いをすることで、相手の気分を良くすることができますし、「もっと話したい」「安心感がある」と思ってもらえることもあるはずです。すると、自分から声を掛けなくても相手の方から寄って来てくれるでしょう。

(2)人間関係がスムーズになる

愛想笑いをすることで、コミュニケーションがスムーズに進みます。

特に仕事上は、愛想笑いは礼儀として必要な場面が多いです。

笑顔で接することで、気遣いのできる人だと思ってもらえますので、周りと良い関係を築いていくことができ、仕事もはかどるはずです。

愛想笑いすることのデメリット

反対に、愛想笑いすることで生じるデメリットもいくつか紹介します。

(1)疲れる

愛想笑いをしていると、いつも気が張っている状態になりますし、自分が楽しくなくても相手に合わせて笑顔を作るので、気疲れしてしまうことがデメリットです。

また、顔の筋肉を無理に動かしているため、表情がこわばってしまうことも多いです。

(2)自分が嫌いになる

愛想笑いをすることが、相手に媚びを売るような感覚になっている場合は、「楽しくないのに無理やり笑って相手に合わせて、一体何してるんだろう?」と自分のことを嫌になってしまうこともあるようです。

愛想笑いに疲れた時の対処法

では、愛想笑いに疲れて「もうやめたい」と思った時、どう対処したら良いのでしょうか?

ここでは、愛想笑いをやめるためのポイントを紹介します。

(1)相手に向き合って興味を持つ

愛想笑いをせずに済むためには、相手の話に興味を持って真剣に聞いてみるのが良い方法です。最初から心の壁を作るのではなく、まずは向き合ってみましょう。

興味を持てば、自然に笑ったり、「え?」と驚いたり、「へえ~」と相づちを打ったり、素直なリアクションが取れるはずです。

相手にきちんと向き合うことで、愛想笑いをしているという感覚がなくなってくるでしょう。

(2)愛想笑いは「相手に対する礼儀」だと捉えてみる

「相手に媚びを売っている」と考えると、愛想笑いは嫌なことのように思えてしまいます。

とはいえ、特に仕事上の関係では、愛想笑いは人間関係の潤滑油のような役割を果たすこともあるのです。

そこで、笑顔を向けたり、感じ良く振る舞ったりするのは、「相手に対する礼儀だ」と考え方を変えてみましょう。

すると、愛想笑いに対する自分の感じ方も変わってくるかもしれません。

(3)自分の気持ちをごまかすのをやめる

例えば、本当は知らないのに、知っているふりをしてみんなと一緒に笑っているのだとしたら、自分の気持ちをごまかすのをやめてみましょう。

「え? 今の、知らない。どういうこと?」と一言素直に聞いてみるだけでも、愛想笑いでごまかす回数を減らすことができるはずです。

聞かれた方も、ただ何となく笑って返されるよりも、質問された方が「興味を持ってくれているんだな」と感じるのではないでしょうか。

(4)必要以上に気を使う相手なら距離を取る

どうしても気を使って疲れてしまう相手がいるのなら、可能な限り距離を取りましょう。

どこにでもウマが合わない人はいるものですし、わざわざ愛想笑いをしてまでお付き合いする必要はありません。

仕事上の関係であれば完全に接触を断つことは難しいので、必要最低限のやりとりにとどめたり、プライベートであればグループの集まりには参加しなかったり、少しずつでいいので接触の密度や回数を減らしていきましょう。

お互いに気持ち良く過ごすためのマナーだと考えてみよう

自分の楽しさに関わらず笑顔を作っていると、どうしても気が張ってしまうものです。できるだけリラックスして、自然な笑顔になれるように工夫していきましょう。

ただし、愛想笑いには人間関係をスムーズにさせる効果もあります。相手に媚びを売るのではなく、お互いに気持ち良く過ごすためのマナーだと思えば、少しは気がラクになるのではないでしょうか。

(高見綾)

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※画像はイメージです

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