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「もういやだ」と感じている人へ。気持ちが疲れた時の解消方法

笹氣健治(心理カウンセラー)

仕事や恋愛がうまくいかない時、「もういやだ」と感じたことはありませんか? 心理カウンセラーの笹氣健治さんいわく、「“もういやだ”は心のSOS」とのこと。今回は「もういやだ」と思う瞬間や感じやすい人の特徴、疲れた気持ちを解消する方法を紹介します。

仕事や恋愛がうまくいかず、「もういやだ」と感じているあなた。

もしかすると、「つらい」「疲れた」「もう耐えられない」「心が折れそう」「どうしていいか分からない」といった気持ちになっていて、それでもなんとか頑張っているギリギリの状態なのではないでしょうか?

そんな方のために、今の状況をうまく乗り越えるための対処法を紹介します。

「もういやだ」と悩んでいる人へ。心の充電の大切さとは?

「もういやだ」と感じている時、自分の中で一体何が起きているのでしょう?

「もういやだ」は心のSOS

「もういやだ」と感じるということは、頑張っているのにうまくいかず、今にも心が折れそうなギリギリの状態ということ。

これを例えると、バッテリーがなくなる寸前のスマホです。早く充電しないと電源が落ちて使えなくなってしまう。それくらいピンチの状態に陥っているのです。

ところが、なんとかして困難を乗り越えようと一生懸命になっているため、充電が切れそうなことに気付いていません。

「もういやだ」は、言わば心のSOS。「早く対処しないと危険ですよ」と、心が知らせてくれているのです。

もしそのままの状態で頑張り続けていると、そのうち電源が落ちて使えなくなってしまいます。手遅れになる前に、今すぐ心の充電を行いましょう。

心の充電には「共感」と「ねぎらい」を

では、心の充電は一体どうすればできるのでしょうか?

心の充電に効果的なのは、共感とねぎらいです。

共感とは、自分の今の心理状態を誰かと共有すること。

自分が必死で頑張っていること、なんとか結果を出そうと努力していること、責任を果たすためにさまざまなものを犠牲にして取り組んでいること。

こういった自分の気持ちを誰かがしっかり受け止めてくれると、ホッとして安心した感覚になり、心が癒やされた感じを味わうことができます。

共感を得るためには、なんでも話せて信頼できる人の存在が必要ですが、もしそういう人が身近にいない時は、自分で自分をねぎらってみるといいでしょう。

例えば、次のように自分で自分に優しく語りかけてみましょう。

「私は本当によくやっている」
「私は十分に頑張ってきた」
「心からご苦労さまと言いたい」

くつろいだ場所で、大きくゆっくり深呼吸しながら、目を閉じて、しみじみと頭の中でこれらの言葉を唱えてみる。

そうすると呼吸がどんどん深くなり、体がリラックスしていき、心地良い感覚に包まれていくことに気付けるでしょう。

このように軽い瞑想をすると、感情の高ぶりが落ち着いてきます。そうなったら、思考が冷静さを取り戻し、今後どうしていけばいいかを考えられるようになります。

心のSOSを察知したら、まずはこの取り組みを行ってみてください。

「もういやだ」と思う瞬間

さて、「もういやだ」と感じている状態の時にどう対処していけばいいのかを考える前に、具体的にどんな時に「もういやだ」と感じるのかを確認しておきたいと思います。

それは例えば、次のようなケースかもしれません。

(1)タスクが重なっている時

やらなきゃいけない仕事が大量にあって、やってもやっても全然終わらない状態が延々と続いている。

そうすると、やがて「もういやだ」と、全て投げ出したくなってしまいます。

(2)頑張っているのにうまくいかない時

結果を出そうと思って頑張り続けているのに、ちっともうまくいかない。

そんな状態が続いていると、そのうち頑張ることにも疲れてしまい、「もういやだ」と諦めたい気持ちになります。

(3)災難続きな時

頻発するクレーム対応に追われる中、人間関係トラブルも発生。

そんななぜか災難続きな時には、本当についてないと感じ、「もういやだ」と叫びたくなります。

(4)恋愛に悩んだ時

付き合っている彼と最近すれ違ってばかり。

「私のことはもうどうでもよくなってしまったの?」と不安になったりイライラしたり、悩み続けてストレスがたまった結果、「もういやだ」と泣きたい気持ちになります。

「もういやだ」と感じやすい人の特徴とは?

ところで、「もういやだ」と感じやすいタイプってあるのでしょうか?

前段で紹介した「もういやだと思う瞬間」のケースをひも解くと、次のような特徴に当てはまる人は要注意かもしれません。

(1)抱え込んでしまう

やらなきゃいけない仕事が多過ぎてパンクしそうになる原因の1つは、仕事を抱え込むことです。

仕事をどんどん振られても断れない。他の人に任せてもいい仕事なのに、自分でやってしまう。

このパターンを繰り返していれば、仕事が減らないのは当たり前です。

このような人は、どうしても慢性的に大量の仕事を抱え込み続けることになってしまい、いつか我慢の限界が来た時に、「もういやだ」と感じる確率も高くなります。

(2)成功願望が強い

結果を出して成功したいと考えて精力的に行動する人は、はじめのうちは高いモチベーションで頑張れるのですが、なかなか結果が出ない状態が続くと、次第にモチベーションが下がってきて、やがて頑張り続けられなくなってしまいます。

成功願望が強いゆえに、成果が得られないと「もういやだ」となってしまうのです。

自分の努力に見合った成果が得られないと感じる時、人は無力感を覚えます。無力感は、その人から情熱や意欲を奪います。

成功願望が強い人にとって結果を出すことは、モチベーションを維持する上で、とても大事な要素なのです。

(3)真面目で誠実

どんなクレームにも1つ1つ丁寧に対応しようとし、人間関係トラブルに対しても誠意をもって対応する。

このように真面目で誠実な人であっても、災難が続けば心が疲弊していくのは仕方がないことです。

どんなに打たれ強い人であっても、延々と打たれ続けたら、いつか耐えきれない限界がやってくるもの。

真面目で誠実だからこそ、手抜きせずに一生懸命頑張るので、ストレスのダメージが蓄積しやすいといえるかもしれません。

(4)理想が高過ぎる

「こうあるべきだ」「こうあってほしい」といった理想は誰でも持っているものですが、その理想が高くなり過ぎている人がいます。

理想が高くなり過ぎると、「絶対にこうあるべき」「絶対にこうなってほしい」といったように「絶対に」という気持ちが強くなります。

すると、そうなっていない状態が許せなくなり、強いストレスを感じるようになります。

強いストレスを抱え続けていると、精神的に疲労がたまり、やがて限界がやって来て、「もういやだ」となってしまいます。

理想を持つことは、成長や成功のためにはとても重要なのですが、高くなり過ぎるのも良くないということです。

疲れた気持ちを解消する方法

「もういやだ」と感じる理由や背景を理解できたところで、いよいよ疲れた気持ちを解消するための対処法の説明に移りたいと思います。

充電が切れそうな状態では、あまり難しいことができませんので、簡単にできる3つの方法をご紹介します。

(1)休んでエネルギー補充

もうすぐ充電が切れそうなスマホと同様に、今すぐ充電して精神的エネルギーを補充しましょう。

そのためには、とにかく休むことが一番。今頑張っていることから少し距離を置き、気持ちを切り替えて頭の中をリフレッシュする時間をつくりましょう。

日中であれば30分くらい昼寝をする、夜ならバスタブで20~30分の半身浴をする、アロマをたいて寝る、といったように、まずは体をしっかり休めることで、精神的エネルギーが補充されていきます。

ポイントは、副交感神経を優位な状態にしてリラックスすること。

逆に良くないのは、スマホを使うことです。スマホの画面を見ていると、光の刺激によって交感神経が優位となり、リラックスできなくなります。

そのため、SNSや動画を見たり、ゲームをしたりするのは、精神的に疲れている時は極力控えた方がいいでしょう。

気分転換としてスマホを操作するのは悪くないのですが、睡眠の質に悪影響を与えないよう、できるだけ短い時間にとどめるようにしておきましょう。

(2)内在する怒りの解消

「もういやだ」と感じるくらいうまくいっていないわけですから、そんな現状に対して、自分でも気付いていないほど大きな怒りの感情を抱え込んでいる可能性があります。

苦しさに耐えることに加えて、怒りが爆発しないように押さえ込むことで、精神的なエネルギーを消費します。

そこで、休んでエネルギー補充するだけではなく、内在する怒りの解消にも取り組む必要があります。

怒りの解消に有効なのは、感情を発散すること。

多少大きな声を出していい空間があるなら、「いい加減にしてよ!」「ふざけないで!」といった、飲み込んできた言葉を吐き出すといいでしょう。大声を出せないなら、クッションなどの柔らかいものを叩くのもいいです。

くれぐれもけがをしたり周りの物を壊したりしないような冷静さは残しながら、やってみてください。

こうやって感情を体の外に吐き出したら、冒頭の部分でも説明した、軽い瞑想をします。

体をリラックスさせた状態で、目を閉じて、ゆっくり大きく深呼吸をします。すると、どんどん気持ちがラクになっていきます。そして、次のように唱えてください。

「私には、この状況を乗り越える力がある」
「私には、最適な判断ができる力がある」
「私には、自分で決める力がある」

これらの言葉をじっくり噛みしめながら、自分の中の強さ、勇気、賢さに感謝してください。

この取り組みによって、自分の精神的エネルギーが充電されてきていることに気付くかもしれません。そうしたら、その力強い感覚を十分に味わってください。

(3)期待のキャンセル

次が最後のステップです。

現状がうまくいってないと思うのは、言い換えると、現状が自分の期待通りになっていない、ということです。

期待が悪いと言っているわけではありません。期待に執着していると苦しむ時がある、ということに気付いてほしいのです。

もし期待を手放すことができれば、これからは、もう少しラクに生きられるようになります。

そこで最後は、期待を手放す取り組みです。

まずは、次のように自問自答してみましょう。

「私は、誰に、どのような期待を持っているのだろうか?」
「その相手は、私の期待通りに行動してくれるものなのだろうか?」
「私が持っている期待は、私の都合から作り上げたものであって、その相手にもまた、その人なりの都合があるのではないだろうか?」

これらの問いの答えを考えると、自分の期待は必ずしも正しいとは限らないと気付くはずです。

そうしたら、次のように自己宣言してください。

「私は、私の期待をキャンセルします」

今この瞬間に自分が持っている期待は、今の自分が見ている範囲での期待です。

長い人生を考えると、良いことも悪いこともあります。今は悪いと思ったことも、後に振り返ってみると、「あの出来事があったから、私は成長できた」と思えたりします。

起きることは、全て必要なことである。全ては、うまくいくようになっている。

この言葉を胸に刻みながら、今の自分に何ができるか、何をすべきかを考えて、行動していきましょう。自分自身にはその力があることを信じながら。

期待をキャンセルするとラクに生きられる

「もういやだ」と感じるのは、それだけ一生懸命、頑張ってきた証拠です。

頑張るのは、もちろん良いことです。

ただ、少し肩の力を抜き、自分1人で頑張るのはやめて、視野を広げて周りに頼ってみる、という態度が足りないだけです。

その鍵となるのが、期待をキャンセルすること。

全てはうまくいくようになっているのですから、今できることをしっかりやっていけば、きっとうまくいくはずです。

(笹氣健治)

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※画像はイメージです

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