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処世術とは? 身に付けるためのポイントや注意点

ぱぴこ

「処世術」という言葉に、どんな印象を持っていますか? ビジネスにおいて、人とうまく付き合っていくためにも処世術を身に付けておいて損はありません。今回は、外資系OLコラムニストのぱぴこさんに、処世術を身に付けるポイントや注意点を教えてもらいました。

最近やっと『キングダム』を読みました。

知略! 戦略! 武力! のぶつかり合いがすさまじく、めちゃくちゃ面白いです。

そして、大迫力の戦場場面もさることながら、春秋戦国時代の戦乱をどう生き残り、成り上がるか? という政治的駆け引きを含む処世術は、本マンガにおける手に汗握るポイントともいえます。

ビジネスマンが『キングダム』で仕事論を語りたがる意味が分かりました。

「要領がいい」「世渡り上手」「ゴマすりがうまい」などなど、やゆを含んだ立身出世の処世術へのコメントは複数ありますが、実直に・誠実にだけでやっていけるほど世の中が甘くないのも事実です。

厳しい世の中でやっていくために、処世術のなんたるか? は押さえていきたいもの。中華統一を目指さなくとも、処世術を身に付けてマイナスになることはありません。

処世術とは?

処世術とは、生きてゆく上での巧みな世渡りの方法を指す言葉です。

社会を生きていく上で状況に応じた言動をすることで、より良い処遇を得るための術であるといえます。

仕事で成果を出すことは当然ですが、世渡りの上手さが必要な時もあります。

AとBのどちらか一方だけを昇進させる時、同じ成果を上げていたとしましょう。どちらも優秀で昇進要件は満たしています。

じゃあ、どちらか? といった小さな差をつける一つが処世術です。ビジネス上の「愛され力」ともいえるかもしれません。

処世術を身に付けることで得られるメリット

ビジネス上で自分の立場を良くするための処世術なら、メリットしかないように感じます。

上司に目をかけてもらえたり、気にかけてもらえたりすることが増える。

その結果として、相談がしやすい関係ができ、いざという時の決断を後押ししてもらえたり、水面下でのネゴシエーションができたり……などなど、やはり処世術からくる関係構築で得られるメリットは多そうです。

しかし、処世術に頼った仕事ばかりしていると、「コネ」「ひいき」「腰ぎんちゃく」などのネガティブな評価を受ける可能性が高まります。

また、「仕事ができる」=「処世術」ではないため、あくまでも仕事の成果をより加速させるものとしての処世術と捉えるべきでしょう。

処世術を身に付けるためのポイント

身に付けるに越したことがない「処世術」。

そんな処世術を身に付けるためのポイントを紹介します。

(1)人とにこやかに接する

処世術とは「自分の味方を作る」ことともいえます。

となれば、敵を作る振る舞いと真逆のことをしていくのが近道です。

「あの人はいい人だよ」「優しい人だよ」という評判を呼んでもらうには、あいさつや日頃のコミュニケーションで明るく接するのが良いでしょう。

(2)情報をきちんと手に入れる

上司や役員の「タバコを吸う」「趣味が釣り」などのプライベート情報を知っていると知らないとでは、いざコミュニケーションを取る機会があった場合の引き出しが全く変わります。

周囲の人、特にキーパーソンが一体どんな人で何を好み・嫌うのかという情報は、処世術として重要です。

(3)知ったかぶりをしない

処世術の基本はコミュニケーションであるがゆえに、ついつい話を合わせていこうと考えてしまいます。

しかし、その中で知らないことをさも知っているかのように話す「知ったかぶり」はしてはいけません。

むしろ、知らないことを「教えてください」と懐に入るためのきっかけにするくらいが処世術として機能します。

(4)入るところと、留まるところを見極める

信用と信頼を得るためには「余計なことを言わない」と同時に「言うべきことは言う」も重要です。

このバランスがいい人は処世術がある人ともいえますが、どうしたらいいか分からない場合は「余計なことを言わない」を選択するのが無難です。

ハンター試験のクラピカを思い出してください。正しい答えは沈黙です。

(5)傾聴の姿勢を第一に考える

人間は、基本的には自分のことを話したい生き物なので、さまざまな人とコミュニケーションを取りたい場合は「傾聴」を心掛けましょう。

ただ相づちを打って聞き流すのではなく、相手が何を重視しているのかを会話から見つける気持ちで聞きましょう。

処世術を活用する上での注意点

仕事の成果だけではなく、コミュニケーションも重視することで処世術が身に付き、ビジネス上プラスに働くことを確認してきました。

身に付けるべきに見える処世術ですが、活用する上での注意点はあるのでしょうか?

(1)無理をしない

処世術がある人、ない人の違いは「センス」ともいえます。

特に苦労せずに人のツボを突ける、大局から判断できるなどは、経験や練習もさることながら「分かる器官」のようなものの有無と言っても過言ではありません。

そのため、「処世術を身に付けなくては!」と過剰に頑張ったりせず、無理のない範囲に留めることが重要です。

(2)正解はないと心得る

処世術は万能ではありません。組織や風土が違えば、全く別の処世術が必要になります。

絶賛放送中のドラマ『半沢直樹』の世界における処世術は、「上の言うことに絶対服従」で、失敗を回避し長いものに巻かれることです。

しかし、あなたがいるのは『半沢直樹』の世界ではないと思うので、同じことをした瞬間に「自発性と自立性がない」として能力不足の烙印を押されることもあります。

絶対に正しい処世術など存在しないことを頭に置き、「自分がどこで何を発揮すべきか?」を考えることは非常に重要な視点です。

(3)「ゴマすり」にはならないようにする

処世術は確かに必要かつ、物事を有利に進める手段の一つですが、使い方次第では「ゴマすりばかりしている人」のように見えることがあります。

また、さまざまな人の意見を否定せずにいることで「自分の意見がない」「常に誰かに言わせる」など、弱腰ではっきりしない人と評価を受けてしまう可能性もあります。

どう考えているのか? を表明しない形で昇進していった場合、決断ができない管理職になり、部下が付いて来ない……なんてことにもなりかねません。

信用と信頼を得るためにも、言うべき時には自分の考えや意見をはっきり伝える、ということも重要です。

処世術はコツもセンスも必要。簡単な技ではない

要領が良くて世渡りがうまい人がレアキャラなように、処世術を身に付けてうまく使いこなすことも簡単ではありません。大将軍になるためには、努力と運とセンスが必要です。

何事も、小手先だけの小技だけでは太刀打ちできません。

しかし、「うまくやるにはどんな要素が必要なのか?」と考えることで、コミュニケーションの質を向上させることができる可能性はありますし、日々の努力は自分の力になります。

人と上手に付き合い、仕事の成果をきちんと見てもらうために「処世術」が必要なこともありますが、処世術だけを追い求めては本末転倒です。

「自分の希望をかなえるために何が必要なのか」を考える癖を身に付け、うまく処世術と組み合わせていくといいかもしれません。

(ぱぴこ)

※画像はイメージです

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