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「思い出し笑いする人」の心理と対処法。独り笑いの癖を直すには?

高見綾(心理カウンセラー)

ふとしたときにひとりで思い出し笑いをしてしまって、まわりの人から「どうしたの?」「大丈夫?」と怪訝に思われたり心配されたりすることはありませんか? この記事では、特におもしろい場面ではないときに笑い出してしまう人の心理や、思い出し笑いをしてしまったときの対処法と直し方について、心理カウンセラーの高見綾さんに解説してもらいました。

ふとしたときに思い出し笑いをしたことがある人は多いと思います。

ただし、タイミングやシチュエーションによっては「どうしたの?」「なんで今笑ったの?」と理解されずに怪訝に思われてしまうこともあるでしょう。

そこで今回は、特におもしろい場面ではないのに思い出し笑いをしてしまう人の心理を紹介します。

また、思い出し笑いをしてしまったときの対処法や、思い出し笑いの癖を直す方法についても解説します。

思い出し笑いをする人の心理

ふとしたときに思い出し笑いをする人は、どのような心理なのでしょうか。

主なものを挙げてみました。

(1)自分の世界に入っている

思い出し笑いをする人は、過去の出来事を思い出して、そのときの幸せな気分に浸っていることもあれば、空想をして楽しんでいることもあります。

想像力が豊かな人が多いのが特徴ですが、いずれにしても、自分の世界に入っている状態です。

「楽しい」「うれしい」といった自分の気持ちをまわりにシェアせずに、自分の中で完結してしまう癖を持っている人は、思い出し笑いをしやすくなります。

(2)現実から意識がそれている

目の前で起こっている現実が楽しくなかったり興味が持てなかったりすると、現実から意識をそらすために自分の世界に入り込んでしまうことがあります。

過去の楽しかった出来事を思い出したり空想したりしている間は楽しくいられるので、無意識のうちに現実逃避の心理が働いているケースもあります。

目の前のことに集中する力が弱いという特徴もあります。

(3)気持ちのバランスを取っている

特におもしろい場面ではないのに笑い出してしまうような人は、緊張感やストレスなどを感じていることもあります。

たとえば深刻な場面で、みんなが神妙な様子だったり、重苦しい雰囲気があったりするときには、笑うことで緊張を和らげて精神的なバランスを取ろうとします。

思い出し笑いをしてしまったときの対処法

思い出し笑い自体は悪いことではないのですが、笑う場面やタイミングをまちがえるとまわりの人から心配されたり、怪訝に思われたりしてしまう可能性があります。

思い出し笑いをしてしまったときの対処法について考えてみました。

(1)呼吸に意識を向ける

笑ってはいけないシチュエーションの場合は、呼吸に意識を向けるようにすると、空想の世界から現実に引き戻してくれる作用があります。

体の感覚に集中して深く呼吸をすることで落ち着きを取り戻し、笑いの衝動が徐々に収まってきます。

お茶などの温かい飲み物を飲むことでも、笑いの原因から意識をそらすことができます。

(2)笑ってしまった自分を客観的に観察する

笑ってしまったことを無理やり我慢しようとすると、反動で余計に笑いが止まらなくなってしまうことがあります。

そんなときは、思い出し笑いをしてしまう自分を否定せずに一旦受け入れてみましょう。

「今、私は~を思い出しておもしろおかしく感じている」「笑いを我慢しようとしているけど止まりそうもないな」など、自分の状況を受け入れて客観的に観察してみると気持ちが落ち着いてきます。

(3)笑ってしまった理由を説明する

私たちはわからないことについて怖いと感じるものなので、わかりやすい人は愛され、わかりにくい人は敬遠される傾向があります。

まわりの人から見て、突然笑い出した理由がわからないような状態だと、印象が悪くなってしまうこともあるので、「~を思い出して笑ってしまいました」と理由を簡単に説明するといいでしょう。

「そういう事情で笑っていたのね」と理解してもらえると、不信感を和らげられます。

また、おもしろい場面でないときに笑っていると、まわりの人は場の空気や流れを乱された感覚になるものです。

笑った理由をシェアすることは、まわりの人の存在をないがしろにしているわけではないというメッセージにもなります。

思い出し笑いをする癖を直す方法

思い出し笑いは無意識のうちに癖になっていることが多いので、直すために日ごろから気をつけておくといいことについて紹介します。

(1)「自分の世界に入りがち」であると自覚する

思い出し笑いをする人は、まわりに人がいても、自分の世界に入り込んでしまうことが多いです。

会話をしていても、ふとした瞬間に全然別のことを考えはじめてしまうことも。

いきなり思い出し笑いを直そうとするのではなく、「自分にはそういう癖がある」と自覚することからはじめてみましょう。

まずは気づくことがとても重要です。

(2)目の前のことに集中する

自分ひとりしかいないときは、思い出し笑いをしても問題ないのですが、まわりに人がいるときには気をつけたいものです。

自分の世界に入り込んで空想にふけることがないように、目の前のことに集中する癖をつけましょう。

みんなと会話をしているのなら、会話の内容に意識を向けます。

自分のことではなく、目の前の相手に興味を持とうとすることも、現実から目をそらさないために効果的な方法です。

過去や未来ではなく「今」に意識を向けるように気をつけましょう。

(3)自分を客観的に見つめる癖をつける

思い出し笑いをするときは、自分の世界に入り込んでいて視野が狭くなっていますので、自分を客観的に眺める癖をつけましょう。

「私、~のことがおもしろいと思っているんだな」「今、笑いが込み上げてきた」と、笑っている自分を眺めるもうひとりの自分がいるようなイメージで見てみます。

自分のことを客観的に見る癖がつくと、まわりの人が今どんな状況で、どんな空気感でいるのかなどを、冷静にキャッチすることができるようになります。

自分の感情をコントロールできるようになるので、まわりの人の気持ちに配慮しながら適切なふるまいを選択していけるようになるでしょう。

思い出し笑いを直すには、相手に意識を向けること

思い出し笑いは誰もが経験していることで、それ自体は悪いことではありません。

ただし、笑ってはいけない場面や特別おもしろくない場面で突然笑い出してしまうと、不思議に思われたり印象が悪くなったりすることがあります。

悪気はないのに、自分が損をしてしまうことになりかねないのでもったいないですよね。

思い出し笑いは自分の世界に入り込んでしまうことで起こりやすくなるので、まずはそういう癖があると自覚を持つことからはじめていくといいでしょう。

目の前の相手に興味を向け、自分の気持ちをシェアする意識を持つことで、思い出し笑いの癖を直していくことができます。

まわりの人にも配慮しながら過ごすようにしたいですね。

(高見綾)

※画像はイメージです

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