人を好きになれないのはなぜ? 気になる原因や心理
なかなか人を好きになれないと悩んだことはありませんか。一体原因は何なのでしょうか? 心理カウンセラーの高見綾さんに、人を好きになれない人の心理や対処法について解説してもらいました。
恋愛したいし将来は結婚もしたい……そんなふうに思っているのに、人をなかなか好きになれないとしたら、悩んでしまいますよね。
「自分がおかしいのかな?」と思っている人もいるかもしれません。でも大丈夫、あなただけではありません。
今回は、どうして人を好きになれないのか、その心理的な原因を紐解き、どのようにして対処していけばいいのか解説します。
「人を好きになれない」と感じる人はあなただけではない
「人を好きになれない」ことで悩んでいるのは自分だけなのではないか、と不安になってしまいますよね。実際のところ、他の人はどうなのでしょうか。
本気で人を好きになったことがない女性は、どれくらいいるの?
マイナビウーマンが2017年に389人の女性にアンケート調査しました。
・はい(69.9%)
・いいえ(30.1%)
※有効回答数389件
本気で人を好きになったことのある人が約70%もいるのは、たくさんの方が真剣な恋愛をしていることの表れで、素敵なことだなと思います。
一方で、本気で人を好きになったことがない人は約3割いました。一定数の割合の方はやはり悩んでいるということがいえるのではないでしょうか。
人を好きになれない人は増えている?
私の元にくる相談事例を見ていますと、恋愛をして悩んでいる方が多いので、人を好きになれない人が増えている、とは感じていません。
ただ、なかなか人を好きになれないことで悩んでいる方は、いつも一定数いらっしゃいます。
そういう方は、彼氏がほしい・結婚したいと思っていることがほとんどです。なのに、「今まで人を好きになったことがない」「出会いはあるけど、ときめかない」、「周りは自然と彼氏ができているのに自分にはできない」といったことが悩みになっている場合が多いですね。
なかなか人を好きになれないのはなぜ?
とても多いわけではないものの、一定数の人が、人を好きになれないことで悩んでいることが分かりました。人を好きになれないのにはどういった原因が考えられるのでしょうか。
物理的な原因と心理的な原因に分けて解説します。
物理的な原因4つ
(1)恋愛なしでも毎日が充実している
仕事や遊びなど、恋愛以外のことで毎日を楽しく過ごせているような場合は、恋愛に対する優先順位が下がってくることも。
(2)恋愛より優先したいことがある
他に優先したいことがあるときは、頭の中がそれでいっぱいになっています。他人のことより自分に興味が向いているので、恋愛のことは無意識のうちにシャットアウトしています。
(3)多忙で余裕がない
ハードワークをしているなど、忙し過ぎるような生活では、恋愛をする心の余裕が持てません。
休日も時間があれば寝ていたいと思うような状態では、恋愛モードにならないでしょう。
(4)日常的な異性との出会いがない
職場は同性ばかりであるとか、異性がいたとしても年上のおじ様たちばかりであるなど、生活圏内に同年代の異性がいないようだと、刺激に乏しいので恋愛のスイッチが入りにくくなります。
心理的な原因5つ
(1)本当の自分を隠しているから
誰とでもうまくやっていけるような処世術を身に付けているものの、それは表向きの自分であって、本音は隠しています。
すると、好意を持たれても「本当の私じゃない」と思って乗り気になれません。
自分から好きになろうとしても、心の中を見られるのが怖くてオープンになれず、一歩踏み込むことができないのです。
(2)自分のペースを乱されたくないから
人を好きになることは、面倒なこともありますが、二人の関係があるからこその充足感や安心感があるものです。
ところが、自分のやり方や考え方にこだわりを持ち過ぎていると、自分のペースを乱されたくないと感じます。自分の感情が揺れることを嫌う人は、なかなか人を好きになれません。
(3)女性としての自分に自信がないから
「私を好きになってくれる人なんかいないだろう」「私じゃ不釣り合いだわ」などと、女性としての自分の価値を低く見積もっていると、どうしても誰かを好きになることに消極的になります。
失恋などによるトラウマがある人も、傷つきたくないが故に、無意識のうちにブレーキを踏みがちです。
(4)相手に多くを求め過ぎてしまうから
相手に求めるものは、人それぞれあるものです。ですが、あまりにも多くを求めてしまうようだと、必然的にハードルが上がり、該当する人が誰もいないことになります。
特に女性の自己肯定感が低いと、「こんなダメな私を扱えるのは、完璧な人じゃないと無理!」と、理想が高くなってしまう傾向があります。
(5)相手にのめり込むことが怖いから
人を好きになれない女性の中には、本当はとても情熱的な人もいます。本気で好きになると、その人しか目に入らなくなるくらい、のめり込んでしまう自分が怖くて、隠しているのです。
「好きになり過ぎて相手から引かれるかもしれない」「恥ずかしくてたまらない」と、好きになることにブレーキをかけています。
人を好きになれないと悩んだときの対処法4つ
人を好きになれないのには、さまざまな理由があることが分かりました。
しかし、恋愛・結婚したいのなら、人を好きになれないと困ってしまいますよね。
では、どのようなことを意識したら、人を好きになれるのでしょうか。
(1)「好きを感じる」時間を増やす
人を好きになるためには、自分の中にある「好きを感じる」アンテナを作動させることが大切です。
お花が好き、この文房具が好き、このお洋服にキュンとくるなど、何でもいいので、「わぁー、これ大好き!」と思う時間をたくさん持つようにしましょう。
(2)自分のダメな部分も「ま、いっか」と笑って許す
自分に自信がなかったり自己嫌悪が強かったりすると、なかなか人を好きになることはできません。
自分のダメな部分を好きになることは難しいものですが、あまり目くじら立てずに「ま、いっか」と口に出して、笑って許していきましょう。
自分の至らない部分を受け入れることができたぶんだけ、人にも寛容になれます。
(3)オープンになるよう心掛ける
人を好きになるため大事なのは、相手に心を開いていくことです。周りの人は、あなたを害そうとしているわけではありません。
無関心になるのではなく、相手に興味を持とうとする姿勢を持つことで、心の扉を開いていくことになります。
オープンになれば、相手のいいところにたくさん気付くことができ、より親密な関係が作れるはずです。
(4)裏切られてもいいと思えるくらいの関係性を作る
せっかく好きになっても、のめり込んで痛い目にあったらどうしようと思うと、本気で好きになることを尻込みしてしまいます。すると、本気で好きにならずにいられる人を選んでしまうことに。
でもそれだと心はずっと満たされないままです。
どうせなら、「この人になら裏切られても構わない」と思えるくらいの信頼関係を築いていくことをイメージしてみるといいのではないでしょうか。
好きになれない原因を見極めよう
人を好きになりたいという気持ちを持てること自体が、本来は素晴らしいことです。
なかなか人を好きになれない人は、自己肯定感が低かったり、自信がなくてオープンになれなかったり、自分の中にある情熱を解放するのが怖かったりと、さまざまな理由や原因があります。
それぞれに合った対処法で、一歩ずつ人を好きになってみましょう。
何とかしなくちゃ、と焦る必要はないので、肩の力を抜いて、「好き」を感じるアンテナをじっくり育てていきましょうね。
(高見綾)
※画像はイメージです
※マイナビウーマン調べ
調査日時:2017年10月11日~10月12日
調査人数:389人(22歳~34歳の女性)