「抱きしめられたい」と思う心理と対処法

「誰かにギューっと抱きしめてほしい」「彼氏にやさしく抱きしめてほしい」と思った経験はありませんか？　きっと多くの女性が感じたことがある欲求ではないでしょうか。今回は、この「抱きしめられたい」という欲求はそもそもどのような心理状態から起こるのかを分析し、その心理的効果までを解説したいと思います。またさらに、男性が「抱きしめたい」と思う瞬間にはどのような心理原則が働いているのかも分析してみました。

抱きしめられたいと思う心理とは？

それではまず「抱きしめられたい」と思うときにはどのような心理が働いているのかを解説します。

抱きしめられたい女性心理

「抱きしめられたい」と思う心理はイコール「自分を包んでほしい」という欲求です。包むという行為は「守る」「支える」という心理状態を行動に表す際のひとつのやり方です。したがって、抱きしめられたいと願うときの心理状態は、がんばり過ぎている自分を感じて疲れてしまったときやひとりでいるのが不安なときなど、「精神的にひとりで立っているのがつらい状態」であると言えます。

また、異性同性問わず「誰かに抱きしめてほしい」と思うのは、自分の心が疲れているときですが、異性限定で「抱きしめられたい」と思うときは、恋愛で心が疲れているときだと言えます。愛されることによる幸福感への渇望、振られてしまった寂しさを埋めたいという欲求、などがそれにあたります。

抱きしめられたいのは愛情不足？

「抱きしめる」という行為の原体験は母親からの抱っこにあります。ひとりでは何もできない赤ちゃんは、お母さんの胸に抱かれ、胸の鼓動を感じながらミルクを飲んだり寝たりして成長していきます。母親に命を預け、存在のすべてを包みこんでもらうことで、自分の絶対的な存在意義と安心感を得て成長していくのです。

つまり、抱きしめられたいと感じるということは、幼少期に「ありのままの自分」を抱きしめてくれる人の存在があったということ。抱きしめられたいという願望は、そのときに感じた安心感と自己肯定感を、また感じたいと願っている心の状態だといえます。自分に自信がなくなってしまったときや不安感に押しつぶされそうなときに、「今のままで大丈夫だよ」「大好きだよ」と言って抱きしめてもらえると落ち着いてくるという心理には、こうした幼少期の原体験が大きく関係しています

ハグがもたらすメリットとは？

好きな人とハグをすると、脳内で「ドーパミン」というホルモンと「オキシトシン」というホルモンが分泌されることがわかっています。ドーパミンは、放出されることによって幸福感を得ることができます。また、オキシトシンには血圧の上昇を抑え、呼吸が深くなる働きがあります。ヨガや瞑想をしたことのある人なら経験があると思いますが、呼吸が深くなると人間の身体は緊張がほぐれてリラックスしてきますよね。つまり、ハグには「リラックス効果」と「幸せな感情で満たされる」という心理的効果があるのです。

男性に「抱きしめたい」と思ってもらうには？

日本人はハグの習慣がないため、抱きしめるという行為は意外とハードルが高いものです。まして照れ屋の男性であればなおさらです。それでも、ときにはギューっと抱きしめてもらって安心感を得たいですよね。ここからは、男性が女性を抱きしめたいと思うときの心理と、女性が男性に抱きしめてもらうためのちょっとしたテクニックをご紹介します。

「抱きしめたい」と思う男性心理

男性が女性を「抱きしめたい」と思うときは、根本に好意感情があるのはもちろんですが、好意感情の心理を分析すると、大きく2つの欲求のどちらか、あるいは両方が動かされているときに「抱きしめたい」という欲求がおこります。ひとつは「独占欲」で、もうひとつは「保護欲」です。

独占欲……この女性は自分だけのものだ、誰にも取られたくない、という心理状態
保護欲……この女性を自分が守ってあげたいという心理状態

なお、逆に男性側が抱きしめてほしいと思う場合の心理は上にあげた2つの心理とは異なり「安心したい」「甘えたい」という心理です。

彼に抱きしめてもらう方法は？

前述したように、男性や彼氏の「独占欲」と「保護欲」を刺激すれば抱きしめてもらえる確率があがります。ですので、付き合っている彼が最近抱きしめてくれなくて寂しい……という女性は少しだけヤキモチを焼かせて彼の独占欲を刺激するのが効果的です。また、いつも自分でやってしまっていることをできないと甘えてみたり、ベタなやり方ですが、お化け屋敷やジェットコースター、ホラー映画など、大げさに怖がって腕を絡めたりして彼の保護欲を刺激するのも効果があります。また、普段感情を抑えてしまうタイプの女性は、ときには思い切り彼の前で泣いてしまいましょう。ただし、怖がることも泣くことも、やり過ぎると呆れられてしまうのでほどほどにしましょうね。

ハグの相手がいないときの対処法

「抱きしめられたい」と思っても、抱きしめてもらえる存在がいつもいるとは限りませんよね。実は、ハグと同様の効果があるものがあります。それは、ペットやお気に入りのぬいぐるみなど、自分が愛おしいと思うものです。愛着のあるものを抱きしめることでもオキシトシンは分泌されます。

ペットがいる人は、ペットを抱きしめたり抱っこしたりしましょう。ただし、自分勝手にハグすることはやめてください。人間と同様に、動物ともきちんと信頼関係を構築してから抱きしめることが大切です。また、ぬいぐるみも包みこめるような大きさのほうが密着度が高くなり安心感が増しますので、寂しがりやの人は抱き枕のような大きなものがオススメです。

また、気のおけない仲間との楽しいおしゃべりもオキシトシンが出ますので、寂しい夜は友だちを誘ってご飯を食べにいくのもオススメです。

抱きしめてほしい気持ちを大切にしましょう

いかがでしたでしょうか。「抱きしめてほしい」という気持ちの原体験は、赤ちゃんのころに抱っこされた安心感です。つまり、抱きしめてほしいと感じたときは、自分が安心感を求めているということ。その気持ちは否定するものではありません。自分が今、そういう状態であるのだということを理解し、癒してあげましょう。癒す際は、今回書いた方法もぜひ参考にしてみてくださいね。

（小日向るり子）

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