がめついの意味とは。がめつい人の性格的特徴と心理
職場などに「がめつい奴」などと言われている人はいませんか? がめついとはどういう意味なのでしょうか? どういう性格を指すのでしょう。催眠心理療法士の浅田悠介さんに詳しく解説してもらいました。
いやあ、がめつい人っていますよね。
学校や職場にいると、何かとトラブルの元になります。こう、自分の利益だけを取りにくる感じが。いつも「うーん……」と貴女だけがガマンしているのかもしれませんね。
今回のテーマは「がめつい人」について。
がめつい人がいて困っている貴女。そもそもの言葉の意味を探りながら、どう接すればいいかも解説しますね。コミュニケーション頑張っていきましょ!!
方言なの? 「がめつい」の意味と語源、使い方
まずは「がめつい」の言葉の意味に迫ります。
どんな使い方をするのでしょうか。見えてくることもあるかと思います。
語源は? 「がめつい」とは
がめついは「自分の利益に貪欲・その姿勢の押しが強い」という意味になります。
語原は関西の方言のようです。それが昭和の戯曲家・菊田一夫の『がめつい奴』というお芝居がヒットしたことで、全国に広まったとされます。
「がめつい」の類語や対義語、使い方
類語としては「欲深い・強欲な・ケチな」というものです。また対義語としては「無欲・私欲がない・気前がいい」などになります。
言葉の使い方としては「試供品を大量にもらうなんてがめついやつ奴だ」「何度も給料を上げてくれと交渉するなんてがめつい奴だ」という感じです。
つまり「他人の中に利己主義を見つけたときに使われる言葉」なのですね。
がめつい人の性格や心理とは
ここでは、がめつい人の性格や心理に迫ってみます。特徴を挙げるので、チェックポイントとしても使ってくださいませ。
がめつい人の特徴5つ
(1)ルールを守らない
あるいはマナーといった方がいいかもしれません。
がめつい人にとっては自分の利益が第一です。そのために少々のルール違反をすることがあります。自分だけ商品をゲットするために順番を抜かすといった行動などです。
もちろん、全ての方がそうだというのではありません。がめつさの中にも礼儀あり、というわけですね。
(2)すぐに金銭を要求する
お金にシビアです。
何かと請求してきます。給料の交渉や、何かのお礼など。細かなところで「で、いくらもらえるの?」と言ってきます。
見返りを求めるのが悪いわけでありません。しかし目先の利益を狙い続けると、大きなチャンスを逃すこともあります。じゃあもう次から声をかけるのやめよっか、と評価されることもあるから。
人間関係や社会の難しいところですね。
(3)親切をしない
基本的にギブはしません。
もったいないから。自分のリソースが減るのを嫌うのですね。あるいは他人のために動いても見返りを要求します。死んでもタダ働きしないのです。
その姿勢が「優しくない」と受け取られることもあるでしょう。
(4)家が物であふれている
がめつい人の家は物であふれていたりします。
物を捨てるのが苦手だから。「まだ使えそう……」「捨てるのは惜しい……」と、ためこんでしまうのです。片付けられないというより、そもそも物が多いのですね。
部屋に「いつか使うかもしれない物」がたくさん保管されているはずです。
(5)アンフェアでも構わない
フェアの意識は薄いです。
自分が得するかどうかが重要だから。「Win-Win」でなく「Win-Lose(もちろん負けるのは他人)」で構わないのですね。ゆえに、がめつい人の提案することは、しばしばアンフェアだったりします。
まわりにフラストレーションを与える原因になります。
がめつい人の心理や原因とは
(1)自分の世界で生きている
自己中心的ともいえます。
自分の損得や快不快を基準にしているのです。他人にも感情があって、立場があるということをないがしろにしているわけです。
他人の状況を考えないからこそ、がめついアクションをできるともいえます。
(2)家庭の空気
家庭環境も原因になりえます。
家庭に吝嗇家(ケチ)の風土があったのかもしれません。自分の利益を得るのが最優先である、という空気のなかで育ったパターンです。
がめつさに限った話ではありませんが、子どもの人格は、親や家庭環境に強く影響されます。
ちなみに「親がどう教育したか」でなく「親がどういうふうに生きたか」が子どもに影響を与えるのです──何だか考えさせられますね。
(3)お金がない
これも真理だと思います。
人はお金がないときに、がめつくなるのです。今まで普通だった人が、失業や仕事で失敗するなりガラッと変わってしまった経験はないでしょうか。まさにそういうことです。
シンプルに苦労しているのかもしれません。私たちは自分の生活が満たされたときだけ、他人に分け与えることができるのですね。
(4)愛情不足
根深い問題が隠れていることも。
実は利己主義な人間は「愛情不足」であることもあります。他人を信じたり、信じてもらったりという経験が少ないのです。上に書いた家庭環境もあるでしょう。
ゆえに「信じられるのはお金(自分の利益)だけ」という真理になるのですね。がめつい人が求めているのは利益ではなく愛なのかもしれません。
そう考えると少しかわいそうな感じがしますね。
職場の「がめつい奴」の対処法
さて、ここから本題です。
その「がめつい人」が職場や身近にいる場合、どう接すればいいのでしょうか。困っちゃいますよね。その対処法を解説します。
(1)金銭が絡む場合なるべく関わらない
お金の話はさっと身を引きましょう。
トラブルの元になりそうな話には関わらない。人間関係のコツです。
特に「がめつい奴」はお金の話になると人格が変わります。貴女に対してアンフェアな話を持ち掛けたり感情をぶつけたりもするでしょう。
トラブルになってから対処するのではありません。そうならないように避けるのです。
(2)あらかじめ約束をデータや紙で残しておく
決めた約束を「あとから確認できる形」で残しておくこと。
覚えておいてください。あとから「そんなの言ってない」「そんなつもりなかった!」とひっくり返されないように。特に利益が絡むと、本当に自分は悪くないという顔で言いくるめてきます。その勢いに負けることがあってはなりません。
世の中は良い人間ばかりではありません。自分を守る術を身に付けましょう。LINEでもいいから文字に残しておきましょう。マジで。
(3)こちらのスタンスをはっきりと伝える
嫌なものは嫌だと伝えましょう。
がめつい人のコミュニケーションは良くも悪くもストレートです。「言ってみるのはタダだからお金をくれと交渉してみる」という精神が潜んでいます。それくらいの気軽さなのです。
だから、こちらも気軽に「NO」を言ってもいいのですよ。
安心してください。相手は断られても傷つきませんから。傷つくとか、傷つけてしまうとか、そういう世界で生きていないのです。
こちらのスタンスをはっきり口にすること。毅然とした態度で。
(4)利益を得るためのアイデアを尋ねる
この発想も大事にしましょう。
がめつい人はビジネスパートナーとしては優秀です。いかにお金を儲けるかを考えるのが得意だから。同じ関西弁でいうと「商売人やなあ!」というわけです。
仕事をシェアせずとも、何かアイデアが欲しいときに尋ねるといいかもしれません。
利用することを考えるのですよ。
がめつい人とも上手に付き合っていこう
貴女が苦労されているのは分かります。
がめつい人に、いつも振り回されているのかもしれませんね。繊細な貴女だからこそ、人一倍、心に重くのしかかっていることでしょう。
とはいえ大事な話をさせてください。
それは「他人を変えることはできない。けれど他人に対する振る舞いは変えられる」というもの。
全ては、貴女が、どう動くかにかかっているのですね。
先ほども書きましたが、相手の性格が変えられないなら、拒否しても、面白がっても、利用してもいいんですよ。
貴女の元に幸せが舞い降りるように祈っております。
(浅田悠介@令和の魔法使い)
※画像はイメージです