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頑固な人の心理とは? 上手な扱い方と謝り方

大野萌子

中田ボンベ@dcp

自分の考えをなかなか曲げることのない頑固な人は、一度怒らせると謝ってもなかなか機嫌を直してもらえないことがあります。恋人が頑固なタイプだと、付き合い方も慎重になってしまいますよね。今回は、こうした「頑固な人」の心理はどうなっているのか、心理カウンセラーの大野萌子さんに解説してもらいました。

頑固な人の特徴と心理

まずは、「頑固な人」の特徴と心理についてチェックしていきましょう。

頑固な人に共通する特徴

(1)「べき」「普通は」が口癖

頑固な人は、物事に対して「こうあるべき」「こうすべき」といった「べき」論を持っていて、その基準から外れたものを受け入れない傾向があります。また、「普通は」という言い方をするなど、自分の言動や考え方を基準として捉え、それ以外の意見を「普通ではない」とし、自分を正当化します。

(2)自分の非を認めない(他罰的)

頑固な人は自分のまちがいを認めません。何か起こった場合にも、自分を振り返って反省するというより、「○○が悪い」「あいつがこうしたから……」など、責任転嫁する傾向にあります。

(3)感情を表すのが苦手(無表情)

感情表現が乏しく、どちらかというと無表情でいることが多いのが頑固な人の特徴です。まわりからすると、何を考えているのかわかりづらい面があります。

頑固な人の心理

頑固な人はプライドが高く、そのわりには自己肯定感が低い傾向にあります。人から馬鹿にされたくはないけれど、確固たる自信があるわけではない、といった矛盾した思いを抱えていることが多く見られます。自分の中でその感情を処理しきれず、他人に対して頑なな態度をとってしまうという悪循環に陥りがちです。そのため、自分の心の内や自信のなさを悟られないためにも、ガードを強くしてしまうのです。

ゆえに、人から何か言われることを極端に嫌う面があります。それは人からの助言や意見を批判と感じてしまうからです。自分が否定されているような感覚に陥りやすく、傷つきやすい面も持っています。まわりからの意見を無視できずに落ち込んでしまうので、それを避けるために「人の声に耳を貸さない」という態度に出てしまいます。

総じて不器用な部分があり、適度に譲歩する、柔軟に対応する、ということが苦手であり、極端な態度になりやすいです。

また、自分の好きなことや関心の高いことなど、自身のこだわりが強い部分においては、特に人の意見を受け入れないでしょう。自分のテリトリーを侵されることを何よりも嫌います。自分を守るがゆえの行動ともとれるので、どちらかというと自己愛が強いタイプともいえます。

参考記事はこちら▼

あなたの「頑固な人度」をこっそりチェックしてみましょう。

頑固な人の対処法

次に、頑固な人との付き合い方と、万が一怒らせてしまったときの謝り方について教えてもらいました。

上手な扱い方とは?

(1)まずは受け止める

プライドが高く、こちらの意見に対して聞く耳を持っていないので、まずは相手の意見を受け止める必要があります。同意できないことや質問したいことがあるかもしれませんが、相手の意見をそのまま受け止める姿勢が大切です。

一度受け止めた上で、こちらの意見を述べることで、相手のガードを必要以上に強めずに済みます。意見を言う際に注意したいのが、相手と同じ「言葉」「表現」を使うことです。

たとえば、相手が「驚いた」と言ったことを「びっくりされたのですね」と意味は同じでも別の言葉で言い換えてしまうと、「そんなことは言っていない!」と拒絶されてしまうことがあります。特に思い込みの強い頑固な人に対しては、相手の使ったものと同じ表現を使いましょう。

(2)考え方や生き方を認める

自尊心が強いので、こだわりや信念を認める姿勢を見せることが大切です。こだわりや信念に対して「すごいですね」など「承認のメッセージ」を伝えることで、相手の防衛を緩めることができます。

なんでもかんでも褒める必要はありませんが、共感できることや感心したことを伝えればよいと思います。自分の思いを支持してくれる相手には寛容になれると思います。

(3)相談やお願い事をしてみる

相談やお願い事をされると、「頼られている」という思いから、信頼関係を築きやすくなります。誰しも、信頼されている相手には攻撃的な対応はしないもの。頑固な人に対しては、ちょっとした相談事や小さなお願いをしてみるのも効果的です。

頑固な人への謝り方

「怒り」の感情の元になるのは「悲しみ」です。悲しいと思った出来事から派生して怒りの感情が生まれます。頑固な人にとっての悲しみとは、自分自身を受け入れてもらえなかったことや、プライドを傷つけられたことが大きな割合を占めます。そのため、謝る際はその部分をフォローすることが必要になります。

たとえば、意見の相違により相手が怒ってしまった場合は、相手を全否定するのではなく、認められる部分について相手に伝えるようにしたいですね。「この部分は理解できる」「この考え方には同意する」という具合に伝えましょう。相違点を明らかにして、全否定ではないことを伝えることが必要です。

また、自己肯定感が低いと、ちょっとしたことで感情が刺激されてしまい、怒ってしまうことがあるかと思います。そのときは、「あなた自身を否定したわけではなく、この部分に違和感を覚えた」など、事実に基づいた説明ができるとよいですね。

「そんなつもりはなかった」と感情論になると、「本当はそう思っていたくせに」と相手が卑屈になる可能性があり逆効果です。あくまでも事実に基づいた説明(感情論だと言い訳になってしまう)を心がけるといいかと思います。

相手を 認めている部分やリスペクトしている部分があれば、そのことも合わせて伝えられるとさらによいでしょう。相手が怒っていると怖くてこちらも固くなってしまいますが、相手は悲しい気持ちを抱えていると考え、「癒してあげる気持ち」で接するのが得策かと思います。

参考記事はこちら▼

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心理や特徴を理解して受け止めてあげよう

頑固な人は自分の行動や考え方を基準とし、他者の意見を受け入れず、感情を表すのが苦手で不器用な面もある、とのことでした。そうした要因が重なることで極端な態度に出てしまうようです。頑固な人と付き合う際には、特徴や心理を理解した上で相手を受け止め、認めてあげることが大事です。ぜひ参考にしてみてください。

(文:大野萌子、構成:中田ボンベ/dcp)

※画像はイメージです

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